小さい頃からの記憶にプラスして。
増えていった、2人の思い出。
絶対に、失いたくないって思った。
だからね、私は神様に願ったの。
──────もう少し、ねぇもう少し。
って、そう願った。
1分1秒でも長く生きたくて。
永遠とも、両親やお兄ちゃんとも。
誰とも離れたくなくて、何度も何度も願った。
でもね、今の私には分かる。
もう、願っても〝深い眠り〟は目の前だって。
お願い、神様。
もう少し、あと少しでいいから...............
時間を止めて、私に時間をくださいっ。
「.........っ、と、わ、」
今まで呼び慣れてきた名前なのに。
そう、ゆっくりしか呼べなくて。