三人で行動するようになった初めの頃は、二人きりになるとどこかぎこちなかった恵那と忍。
けれど、斗和を心配する気持ちが同じと考え方が色々似ている面があるおかげで一週間も経つと冗談を言い合えるくらい仲良くなった。
そんな二人を斗和も微笑ましく思っていたのだけど、最近、彼の中で複雑な感情が芽生え始めていた。
(……ったく、話し長ぇんだよな、担任)
昼休みを半分以上削られて説教を受けた斗和が屋上へ続く階段を上りドアノブに手を掛けた、その時、
「あはははっ、忍くんってば、本当に面白いんだから」
「え? そんなにウケます?」
普段大笑いをしない恵那が声を上げて笑っているのが聞こて来て、思わずドアを開けようとした手を止めた。
(随分、楽しそうだな)
町へ来た頃は作り笑顔ばかりで笑う事が下手だった恵那が、最近は良く笑うようになっていた。
それも、忍が共に行動するようになってから。
(恵那は、忍と居る方が自然な感じだよな)
忍は誰に対しても気遣えるし、性格も良い。
暴走族になんかなっていなければ、校内一、モテているくらい、顔も良い。
そんな思いが斗和の心の奥底にあり、恵那が信頼を寄せている所を目の当たりにして、何だか心が妙にザワつく。
(最近、何かおかしい。二人がああして仲良くしてんの見ると、妙にイラつく……)
自分から忍に行動を共にするよう言ったくせに、それを密かに後悔している斗和は、そんな矛盾する自分の感情に戸惑いつつあった。
けれど、斗和を心配する気持ちが同じと考え方が色々似ている面があるおかげで一週間も経つと冗談を言い合えるくらい仲良くなった。
そんな二人を斗和も微笑ましく思っていたのだけど、最近、彼の中で複雑な感情が芽生え始めていた。
(……ったく、話し長ぇんだよな、担任)
昼休みを半分以上削られて説教を受けた斗和が屋上へ続く階段を上りドアノブに手を掛けた、その時、
「あはははっ、忍くんってば、本当に面白いんだから」
「え? そんなにウケます?」
普段大笑いをしない恵那が声を上げて笑っているのが聞こて来て、思わずドアを開けようとした手を止めた。
(随分、楽しそうだな)
町へ来た頃は作り笑顔ばかりで笑う事が下手だった恵那が、最近は良く笑うようになっていた。
それも、忍が共に行動するようになってから。
(恵那は、忍と居る方が自然な感じだよな)
忍は誰に対しても気遣えるし、性格も良い。
暴走族になんかなっていなければ、校内一、モテているくらい、顔も良い。
そんな思いが斗和の心の奥底にあり、恵那が信頼を寄せている所を目の当たりにして、何だか心が妙にザワつく。
(最近、何かおかしい。二人がああして仲良くしてんの見ると、妙にイラつく……)
自分から忍に行動を共にするよう言ったくせに、それを密かに後悔している斗和は、そんな矛盾する自分の感情に戸惑いつつあった。