頭は良いけど、
先輩たちによると。



〝授業〟を全く聞いてないらしい............



授業を真剣に聞いてても、
成績が、下の中ぐらい頭が悪い私とは大違い。



学年も違うし、頭の良さも違うことにも、
きゅうっと、胸が苦しくもなるけど。



「...............〝眠れない〟の、」



そんな違いを埋めるように、
私はズルい一言を落とした。



〝眠れない夜〟があるのは本当だけど。



〝眠れない夜〟は、
夜紘くんを独り占め出来る時間だから.........



「ん。ひらり、おいで」



そう言って夜紘くんが、
私の方に伸ばしてくれた手にそっと手を添える。