夜中くんにバカにされるから。



言葉を発したのに........................



「ふっ。まぁ、そーゆうとこが可愛いけど」



サラッとそう言う、夜中くんはズルい。



「〜っ、ばか、」

「相変わらずツンデレすぎ、」



親も友達も、
誰も知らない2人だけの時間は〝夕方〟



〝昼〟に生まれた私と、
〝夜〟に生まれた夜中くん。



「つか今日は?どうする、〝魔法〟かける?」

「っ、か、けてほしい、」



私達には、ファンタジーのような、
トクベツな力なんてないけれど。



昼と夜の真ん中の〝夕方〟



「ふっ。素直」



そう言って、夜中くんは、
私のくちびるに温もりを落としてくれた。



昼と夜を合わせたら、
それは、──────暗がりが怖くない魔法。





fin.