ふいに閃いた、とりとめのない遊びがあった。

ルールは簡単。

相手のためにできることを、互いに、順番に言い合いっこすればいい。

 君のために、歌を歌う。
 君のために、空を飛ぶ。
 君のために、夢を見る。
 
ただ、それの繰り返し。

本当にできることでも、そうでなくてもいい。

今にして思い返せば、何が面白かったのかさっぱり分からない。

だけどまだ子供だった私は、そのとき、その他愛のない遊びに夢中だった。

学校帰りによく友達とした、白線の上を踏んで歩かないといけないゲームや、「あ」とか「い」とか、特定の文字を言ったらアウトになる謎のゲームに似てる。

思いついただけの、その場しのぎの暇つぶし。

ふんわりとした記憶だけが残って、思い出すこともほとんどない。

少なくとも、私はそうだった。

その他愛のない遊びがもたらした、ひたむきな想いと深い悲しみに気づくことなく。

私はただ、自分のことだけに精いっぱいで、それからの日々を過ごしていたんだ。