僕の前に天使が舞い降りた。
比喩ではない。
白鳥のような翼が生えていたし、蛍光灯のように光る輪っかが彼女の頭上に浮いていた。

「天界の慣わしでね、人の恋を成就させなきゃいけないの」

なんて漫画みたいな展開。そんな慣わしを作ったやつはきっと悪魔だ。

――――僕は初めて恋に落ちた。


#140字小説
『初恋』