混ざって溶けて、元通り



ゴクリ、と唾を飲み込んでから。



「も、もし、麻紀さんが、
私の体のなか......に、戻ったら、
麻紀さんは、どう、......なるんですか?」



緊張100%で問いかけると。



「〝あなた〟の中に入るとね、
私の存在は、全て〝あなた〟と1つになる。
混ざって溶けて、元通りになるの」



麻紀さんは柔らかく笑いながら言った。



柔らかく笑いながら言ってるけど.........



その裏に、〝切なさ〟を感じて。



「っ、麻紀さんの存在は消えちゃう、
そういうこと、...............ですか?」



当たっていて欲しくないことを質問した。



「〝存在〟は完全に消えるけど、
私と関わった人の記憶は、ぜんぶ、
〝あなた〟に流れる、かな、」

「ふ、ふくざつ、な仕組み、なんですね、」



麻紀さんの存在は消えてしまうけど。



記憶は、私に流れるなんて..................