「ゎ、私が事故に遭った場所、です、」



私がそう答えると。



「正解、です。
あのとき、私が助けたんです」



目の前の女性がそんなことを言い出した。



「えっ、たす、けた?」

「急に驚きますよね、こんな話し、」

「はい......、」



女性が〝助けた〟と言うけど。



私にはそんな記憶なくって。



〝事故〟には遭って、
車には接触したものの。



奇跡的に無傷で、
そのまま旅行したんだから。



そんなことを考えていると、女性は............



「私は、高崎麻紀って言うんです。
麻に紀子の紀です、」



漢字の説明付きで、
私に自己紹介をしてきた。



高崎麻紀(たかさきまき)



漢字は違うみたいだけど、
私と同じ名前の女性。