実母との不仲が原因で、狩人に命を狙われた白雪姫。逃げた先で、不幸にも崖から転落し海へと投げ出されてしまう。しかし心優しき人魚姫が白雪姫を救いだし、白雪姫はなんとか生き延び森の中で目を覚ます。
 白雪姫は自身を助けた人魚姫を探し歩き、人魚姫はそれをきっかけに人間に興味を示す。魔女の家を訪ねた人魚姫は、美しい声と引き換えに尻尾を人間の足に変える飲み薬を貰う。そして更にその足には障害が残ると言われたが、人魚姫は構わず、白雪姫にもう一度会う為にその薬を飲みほした。
 海を飛び出した人魚姫は、手に入れた人間の足で陸地を歩く。しかし、魔女の言葉通りその足には障害が残った。上手く歩行出来ないなりにも森の中を彷徨い歩き、遂に人魚姫は小さな家で暮らす白雪姫を見つけ出す。
 お互いがお互いを探していた二人はその出会いを〝運命〟と呼び、美しい友情関係を築いていった。 
 白雪姫はいつしか、自身を助けた人魚姫に恋慕の情を抱く様になる。声を失った人魚姫を常に気遣い、その足の代わりになり、献身的に人魚姫を支え続けた。
 しかし、幸せな時間は長く続かなかった。再び命を狙われた白雪姫は、深い深い眠りに落ちてしまう。ガラスの棺の中で眠る白雪姫を、人魚姫は哀れんだ。白雪姫が眠りに落ちたのは、自分のせいだと人魚姫は自分を深く責めてしまう。
 白雪姫を救いたい人魚姫は、自分が生まれ育った海へ戻り、魔女の家を再度訪れる。すると魔女は、白雪姫を救う事は出来ないが、美しい声を返してやる事は出来ると言った。しかし、その声を再び喉に宿すには、相当な勇気と努力、そして強い思いが必要だと。
 白雪姫に意識は無いが、周囲の音を感じ取る耳はある。その声をどう使うかは、お前次第だ、と魔女は言った。

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