「それにしても、ダンジョン攻略がこんなに早く進むとは思わなかったな」
俺たちはダンジョンに潜って、ほぼノンストップでダンジョンを攻略していった。アイテムもほどほどに回収しながら進んでいくので、そこまですごいスピードでダンジョンを攻略している訳ではない。
それでも、ダンジョンを攻略するスピードとしては十分に早すぎると言えるだろう。
「あんな雑魚共とダンジョンを攻略すれば、時間もかかるわ。それにしても……ふふっ、いい感じに育っていたな」
「育つ? 育つって、何がだ?」
ルーナは何か面白い物を見つけたように笑みを浮かべていた。その表情は悪だくみをするかのような表情をしていた。
「む。私も会話に混ぜてくださいよ、アイクさん」
「あ、ああ。お疲れ」
アリスはファンゴというイノシシのモンスターの群れに突っ込んだ後、そのモンスターを瞬殺すると、無傷でこちらに戻ってきた。
可愛らしい走り方で俺の元に近づいてきてくれているが、その後ろに十匹近いモンスターの死骸があると、その印象も変わってきてしまう。
「アリスことバーサーカーよ、悪くない働きぶりだったな」
「ち、違いますよ! それだと、私バーサーカーじゃないですかっ!」
バーサーカー呼ばわりをされたアリスが不服そうに反論していたが、これだけのモンスターを相手に一人で突っ込むあたり、ルーナの言葉も否定できないのではないかと思ったりもする。
……これだけ、可愛いのにな。
「アイクよ、そろそろ最下層が近いぞ。ここまで来てただ瞬殺して終わりでは意味がないからな」
「ああ、分かってるよ」
わざわざダンジョンにまで来たのには理由があった。それは、俺の『魔源』のスキルを打ち消せるようなスキルを奪うこと。
もしかしたら、ルーナのように最下層にいるモンスターなら、そんな誰にも知られていないスキルを持っているのではないか思ってきたのだ。
そのためには、モンスターを瞬殺するのではなく、捕らえた状態でスキルを『スティール』する必要がある。
相手を捕らえるとなると、やっぱり便利なのは闇魔法なんだよなぁ。
「アリス、俺が最下層のボスに変な攻撃しても気にしないようにな」
まだアリスに俺の闇魔法を見せていない。多分、驚かれるだろうからと思って初めに釘を刺しておくことにした。
使わないで済めば、それはそれでいいだろう。
「変な攻撃ですか? 分かりました。アイクさんが言うなら、気にしないようにします」
「なんじゃい、従順すぎるのぅ。アイクがロリコンだったら危ない所だったぞ」
「あ、アイクさん望むなら、私何でもできますので」
「はんっ! もう少し乳が膨らんでから出直してくるんじゃな!」
「ルーナさんは出直すことも難しそうですけどね。……お胸が膨らまないからずっと帰ったままになりそうです」
「な、なんじゃと!」
「……二人とも、もうすぐそこ最下層だからな」
ぎゃーぎゃー言い合っている二人を置いて、俺は最下層に続く階段を下りていった。
そういえば、前は最下層の扉のところで、ギース達に背中を押されて無理やり最下層のボスと戦わされたんだっけな。
まぁ、そんなボスと今は一緒に旅をしている訳なんだけども。
俺が振り返ると、俺の視線に気づいたのか二人が俺の隣に並んできた。当たり前のように俺の隣に立って、俺と一緒に最下層のボスに挑もうとしてくれている。
俺はそんな当たり前のことに少しだけ感動してしまっていた。その当たり前がこの前までなかったのだ。少しだだけ感動をしてしまうのも仕方がないだろう。
「今のアイクが負けるようなモンスターはそうはいない。自信を持つが良い」
「アイクさんが負けるところなんて想像つきませんね」
そんなことを言ってくれる二人の言葉に少しの勇気をもらって、俺は最下層のボスのいる部屋の扉を開けた。
俺たちはダンジョンに潜って、ほぼノンストップでダンジョンを攻略していった。アイテムもほどほどに回収しながら進んでいくので、そこまですごいスピードでダンジョンを攻略している訳ではない。
それでも、ダンジョンを攻略するスピードとしては十分に早すぎると言えるだろう。
「あんな雑魚共とダンジョンを攻略すれば、時間もかかるわ。それにしても……ふふっ、いい感じに育っていたな」
「育つ? 育つって、何がだ?」
ルーナは何か面白い物を見つけたように笑みを浮かべていた。その表情は悪だくみをするかのような表情をしていた。
「む。私も会話に混ぜてくださいよ、アイクさん」
「あ、ああ。お疲れ」
アリスはファンゴというイノシシのモンスターの群れに突っ込んだ後、そのモンスターを瞬殺すると、無傷でこちらに戻ってきた。
可愛らしい走り方で俺の元に近づいてきてくれているが、その後ろに十匹近いモンスターの死骸があると、その印象も変わってきてしまう。
「アリスことバーサーカーよ、悪くない働きぶりだったな」
「ち、違いますよ! それだと、私バーサーカーじゃないですかっ!」
バーサーカー呼ばわりをされたアリスが不服そうに反論していたが、これだけのモンスターを相手に一人で突っ込むあたり、ルーナの言葉も否定できないのではないかと思ったりもする。
……これだけ、可愛いのにな。
「アイクよ、そろそろ最下層が近いぞ。ここまで来てただ瞬殺して終わりでは意味がないからな」
「ああ、分かってるよ」
わざわざダンジョンにまで来たのには理由があった。それは、俺の『魔源』のスキルを打ち消せるようなスキルを奪うこと。
もしかしたら、ルーナのように最下層にいるモンスターなら、そんな誰にも知られていないスキルを持っているのではないか思ってきたのだ。
そのためには、モンスターを瞬殺するのではなく、捕らえた状態でスキルを『スティール』する必要がある。
相手を捕らえるとなると、やっぱり便利なのは闇魔法なんだよなぁ。
「アリス、俺が最下層のボスに変な攻撃しても気にしないようにな」
まだアリスに俺の闇魔法を見せていない。多分、驚かれるだろうからと思って初めに釘を刺しておくことにした。
使わないで済めば、それはそれでいいだろう。
「変な攻撃ですか? 分かりました。アイクさんが言うなら、気にしないようにします」
「なんじゃい、従順すぎるのぅ。アイクがロリコンだったら危ない所だったぞ」
「あ、アイクさん望むなら、私何でもできますので」
「はんっ! もう少し乳が膨らんでから出直してくるんじゃな!」
「ルーナさんは出直すことも難しそうですけどね。……お胸が膨らまないからずっと帰ったままになりそうです」
「な、なんじゃと!」
「……二人とも、もうすぐそこ最下層だからな」
ぎゃーぎゃー言い合っている二人を置いて、俺は最下層に続く階段を下りていった。
そういえば、前は最下層の扉のところで、ギース達に背中を押されて無理やり最下層のボスと戦わされたんだっけな。
まぁ、そんなボスと今は一緒に旅をしている訳なんだけども。
俺が振り返ると、俺の視線に気づいたのか二人が俺の隣に並んできた。当たり前のように俺の隣に立って、俺と一緒に最下層のボスに挑もうとしてくれている。
俺はそんな当たり前のことに少しだけ感動してしまっていた。その当たり前がこの前までなかったのだ。少しだだけ感動をしてしまうのも仕方がないだろう。
「今のアイクが負けるようなモンスターはそうはいない。自信を持つが良い」
「アイクさんが負けるところなんて想像つきませんね」
そんなことを言ってくれる二人の言葉に少しの勇気をもらって、俺は最下層のボスのいる部屋の扉を開けた。