「なんか強すぎないか?」
「……私達がいる意味がなくなってきましたね」
俺たちは依頼に遭ったジャイアントアントの巣の駆除をするために、森の中を進んでいた。
その道中で何度も魔物と戦闘をしていたのだが、それらの魔物をポチが軽々しく倒していた。
すごい助かりはするのだが、手持ち無沙汰感が半端ない。
「まぁ、ステータスだけ見れば、当然なのか。……当然なのか? 【鑑定】」
以前に見たポチのステータスは、クリスタルダイナソーよりも高い数値だった。ポチのステータスが高いことは知っているのだが、それでも、ここまで魔物を圧倒できるものなのだろうか?
俺は不思議に思って、隣を歩くポチに【鑑定】のスキルを発動させた。
すると、頭の中にポチのステータスの情報が流れてきた。
【鑑定結果】
【種族 フェンリル】
【レベル 28】
【ステータス 体力 19100 魔力 18600 攻撃力 17800 防御力 17900 素早さ 19500器用さ 10500 魅力 18400】
【スキル:硬化B 突進A 噛砕B 探知A】
「……いや、めっちゃ強くなってるんだけど」
以前と比べて二倍くらいステータスが上がっている。
なんでこんなにステータスが上がっているのかと思って考えてみようとしたが、考えるまでもなくそれだけの魔物と戦闘していたことを思い出した。
そういえば、俺がポチのステータスを確認したときはタルト山脈を下山する前だったな。結構多く戦闘してきたし、これだけステータスが上がっているのも納得か。
……いや、そうだとしても、さすがにステータス上がり過ぎじゃないか?
もしかしたら、【道化師】の中に成長促進系のスキルが隠れているのかもしれない。さすがに、俺たちのパーティの成長速度が速すぎる気がする。
「リリ、【道化師】って、何か成長促進系のスキルがあると思うか?」
「あってもおかしくないと思いますよ。より多くのスキルを覚えたり、早く成長しないと、お客さんを飽きさせてしまいますしね」
「なんか、とんでも理論な気もするけど……いや、それなら【助手】の方がそのスキルありそうだな」
リリの話を聞きながら、俺はそっと目を細めてリリを見つめていた。
【助手】っていうジョブにありながら、いつまでも成長しないようでは置いていかれてしまうだろう。
もしかして、【助手】というのは俺の成長速度に置いていかれないで、ついてこれる能力があるのかもしれないな。
いや、それだけだと、ポチの成長が早い理由が説明つかないか。
俺は【道化師】のスキルの中に、何かしらの経験値を増やすスキルがないか、【道化師】のスキルを立ち上げて、複合しているスキルを覗き込んだ。
すると、それらしい感触のあるスキルを見つけた気がしたので、俺はそのスキルを引っ張りだして【鑑定】をかけることにした。
【鑑定結果 成長促進……通常得られる経験値×ランダムの数の経験値を得ることができる。パーティメンバーにも同様の経験値が割り振られる】
頭の中に流れてきたのは、中々破格のスキルの情報だった。
「……なんか、チートみたいなスキル持ってたみたいだ。経験値をランダムの数だけ倍増してくれるみたいだ」
「そ、そんなスキルがあったんですか」
「何が怖いって、ランダムの数値が定められていないんだよな。これって、二倍や三倍どころじゃないってことか?」
毎回、俺たちが冒険者登録に行くと、ミリアが頭を抱えながら驚いていた。随分と大袈裟に驚くんだなと思っていたが、どうやら本当に俺達みたいにステータスを上げる人を見たことがなかったのだろう。
レベルが上がっても、低レベルの時と同じくらいの勢いでステータスが上がるのは普通じゃないよな。
……なんだか、何でもありな気がしてきたな、道化師って。
「さすがアイクさんです」
どこに誇っているのか、誇らしげに胸を反ってドヤ顔をしているリリの姿を見て、俺は小さく笑みを零してしまった。
そんなリリの姿を見ながら、俺たちはジャイアントアントの巣へと向かっていったのだった。
「……私達がいる意味がなくなってきましたね」
俺たちは依頼に遭ったジャイアントアントの巣の駆除をするために、森の中を進んでいた。
その道中で何度も魔物と戦闘をしていたのだが、それらの魔物をポチが軽々しく倒していた。
すごい助かりはするのだが、手持ち無沙汰感が半端ない。
「まぁ、ステータスだけ見れば、当然なのか。……当然なのか? 【鑑定】」
以前に見たポチのステータスは、クリスタルダイナソーよりも高い数値だった。ポチのステータスが高いことは知っているのだが、それでも、ここまで魔物を圧倒できるものなのだろうか?
俺は不思議に思って、隣を歩くポチに【鑑定】のスキルを発動させた。
すると、頭の中にポチのステータスの情報が流れてきた。
【鑑定結果】
【種族 フェンリル】
【レベル 28】
【ステータス 体力 19100 魔力 18600 攻撃力 17800 防御力 17900 素早さ 19500器用さ 10500 魅力 18400】
【スキル:硬化B 突進A 噛砕B 探知A】
「……いや、めっちゃ強くなってるんだけど」
以前と比べて二倍くらいステータスが上がっている。
なんでこんなにステータスが上がっているのかと思って考えてみようとしたが、考えるまでもなくそれだけの魔物と戦闘していたことを思い出した。
そういえば、俺がポチのステータスを確認したときはタルト山脈を下山する前だったな。結構多く戦闘してきたし、これだけステータスが上がっているのも納得か。
……いや、そうだとしても、さすがにステータス上がり過ぎじゃないか?
もしかしたら、【道化師】の中に成長促進系のスキルが隠れているのかもしれない。さすがに、俺たちのパーティの成長速度が速すぎる気がする。
「リリ、【道化師】って、何か成長促進系のスキルがあると思うか?」
「あってもおかしくないと思いますよ。より多くのスキルを覚えたり、早く成長しないと、お客さんを飽きさせてしまいますしね」
「なんか、とんでも理論な気もするけど……いや、それなら【助手】の方がそのスキルありそうだな」
リリの話を聞きながら、俺はそっと目を細めてリリを見つめていた。
【助手】っていうジョブにありながら、いつまでも成長しないようでは置いていかれてしまうだろう。
もしかして、【助手】というのは俺の成長速度に置いていかれないで、ついてこれる能力があるのかもしれないな。
いや、それだけだと、ポチの成長が早い理由が説明つかないか。
俺は【道化師】のスキルの中に、何かしらの経験値を増やすスキルがないか、【道化師】のスキルを立ち上げて、複合しているスキルを覗き込んだ。
すると、それらしい感触のあるスキルを見つけた気がしたので、俺はそのスキルを引っ張りだして【鑑定】をかけることにした。
【鑑定結果 成長促進……通常得られる経験値×ランダムの数の経験値を得ることができる。パーティメンバーにも同様の経験値が割り振られる】
頭の中に流れてきたのは、中々破格のスキルの情報だった。
「……なんか、チートみたいなスキル持ってたみたいだ。経験値をランダムの数だけ倍増してくれるみたいだ」
「そ、そんなスキルがあったんですか」
「何が怖いって、ランダムの数値が定められていないんだよな。これって、二倍や三倍どころじゃないってことか?」
毎回、俺たちが冒険者登録に行くと、ミリアが頭を抱えながら驚いていた。随分と大袈裟に驚くんだなと思っていたが、どうやら本当に俺達みたいにステータスを上げる人を見たことがなかったのだろう。
レベルが上がっても、低レベルの時と同じくらいの勢いでステータスが上がるのは普通じゃないよな。
……なんだか、何でもありな気がしてきたな、道化師って。
「さすがアイクさんです」
どこに誇っているのか、誇らしげに胸を反ってドヤ顔をしているリリの姿を見て、俺は小さく笑みを零してしまった。
そんなリリの姿を見ながら、俺たちはジャイアントアントの巣へと向かっていったのだった。