「リリ、行ったぞ！」
「はいっ」
俺たちはギース達と合流した後、そのままクエストをこなしていった。
俺とリリ、その他のギース達以外のパーティメンバーの前衛職が突っ込んでいって、それを支援するように後方から魔法使い達が攻撃をしてくれる。
初めてとは思えないような信頼し合ったような連携はやりやすく、瞬時に俺たちに合わせてくれるギース達以外のパーティの底力を見せられている気がした。
「『フレイムボム』」
俺は他のパーティに負けじと中級魔法を唱えて、体の半身ほどの大きさの炎を魔物に着弾させて、周囲の魔物を業火で包みながら爆発させた。
「『結界魔法』」
リリがその爆発を結界で囲うことで、爆発の衝撃を逃がさずに全ての衝撃を魔物に伝えていた。
その結界を解いた時に広がる煙に紛れながら、リリと【潜伏】をした状態で魔物の大軍に突っ込んでいき、次々と魔物を切っていくと、面白いくらいに魔物の大軍が減っていくのが分かった。
その途中で後方に目を向けると、何もできずに俺たちを見ることしかできないギース達がちらりと目に入った。
俺はすぐに視線を魔物たちの方に戻して、そのままリリと共に魔物たちに突っ込んでいくのだった。
そうして、しばらくの戦闘の後、無事に魔物の大軍を殲滅することに成功したのだった。
無事に魔物を殲滅し終えた後、俺たちは洞窟の出入り口に向かって歩いていた。
その道中、多くの魔物たちを倒した達成感のせいか、少しくだけた調子で各パーティのリーダー達との会話に花を咲かせていた。
「いやー、マジで助かったわ」
「アイク君とリリちゃん。君たちがいてくれて、思ったよりも早く魔物たちを殲滅することができたよ、ありがとう」
「いや、俺たち二人しかいないし、大した働きはしてないですよ」
「よく言うぜ。二人しかいないのに、あの働きは異常だっての」
どうやら、他のパーティは俺たちの働きを評価してくれているらしかった。
正直、急に手を貸してくれと言われた時は不安だったが、期待してくれていた以上の働きはできたらしい。
「そういえば、ギースさん達とは知り合いなんですか？」
「えっと、前に同じパーティで活動してたことがあって」
そういえば、結局ギース達との間柄について説明できていなかったなと思って、そんなことを口にすると、レオンは合点がいったように小さく頷いた。
「あー、分かりました。主力だったアイクさんが抜けたから、あのパーティは急に失速したんですね」
俺たちの後ろを歩くギースにレオンがそんなことを言うと、ギースは溜めていた怒りを爆発させるように、荒らげた声で言葉を続けた。
「アイクが主力なわけないだろ！ 俺が追い出したんだよ！」
「え、どう考えても主力だろ？ 追い出したって、アイクをか？ そのせいで、自分達はＳ級じゃなくなって、Ａ級のクエスト何回も失敗して……何がしたいんだ、お前たち」
嫌味ではなく本当に訳が分からないように聞くギリンスの言葉を前に、ギースは機嫌悪げに顔を背けることしかできなくなっていた。
「ねぇ、アイク！ またパーティに帰ってこない？」
そんなふうに俺達が話していると、突然ギースのパーティのキースが意を決したようにそんなことを言ってきた。
「そ、そうだ！ また、みんなでパーティを組むのも悪くないんじゃないか？ なぁ、ギース」
続く形でエルドも作ったような笑顔でそんな言葉を口にしていた。モモも同じように俺がパーティに帰ってくることを期待するように、らしくない笑みを浮かべていた。
ついさっきまで俺に軽蔑するような目を向けていたはずのに、驚くくらいの手のひら返しだ。
「ちっ……またサポートとしてでいいなら、戻って来てもいいぞ。ほら、荷物くらい持てよ、サポーター」
そういうと、ギースは自分が持っていた手荷物を俺の足元に投げ、こちらを見下すような目のままそんな言葉を口にした。
俺はそんなギース達を見て、首を傾けながら言葉を続けた。
「え、いや、戻らないけど」
「な、なんで！！」
「いや、あんな仕打ちをされたパーティに戻りたいと思えないよ、普通」
意味が分からないといった顔をしているモモに、俺はモモと同じ顔をしてそんな言葉を返した。
言葉にしてようやく伝わったのか、ギース以外の面々は少しだけ顔を曇らせていた。
しかし、ギースだけはその顔色を曇らせることなく、むしろ怒りに任せて顔を赤くしていた。
「おまえ！ 俺達Ｓ級パーティが誘ってやってんのに、断るとは何事――」
「アイクさん、あなたが良ければ、僕たちのパーティに入りませんか？」
しかし、そんなギースの言葉はレオンの言葉によってかき消された。まるで何でもないかのように、言葉を被せてそんなこと言ってきたレオンの耳には、ギースの言葉が聞こえていないようだった。
「おまっ、ずるいぞ。アイク、うちはどうだ？ 結構居心地いいぞ？」
怒りで震えるギースをそのままに、俺は再び歩き出した流れに乗るように洞窟の出口に足を向かわせた。
当然、ギースに投げつけられた荷物はそのままそこに放置してある。
「あっ、いえ、単純に今のパーティが気に入ってるんですよ。どこかのパーティに入りたいとか、今の所ないんです」
そんなふうに勧誘の言葉を断りながら、歩いて行くと、ふと誰かが心からの声を漏らすように呟いた。
「それはそうと、追放するって……見る目なさすぎないか、あいつら」
誰が言ったのか分からないそんな言葉が、やけに洞窟に響いていた気がした。
「はいっ」
俺たちはギース達と合流した後、そのままクエストをこなしていった。
俺とリリ、その他のギース達以外のパーティメンバーの前衛職が突っ込んでいって、それを支援するように後方から魔法使い達が攻撃をしてくれる。
初めてとは思えないような信頼し合ったような連携はやりやすく、瞬時に俺たちに合わせてくれるギース達以外のパーティの底力を見せられている気がした。
「『フレイムボム』」
俺は他のパーティに負けじと中級魔法を唱えて、体の半身ほどの大きさの炎を魔物に着弾させて、周囲の魔物を業火で包みながら爆発させた。
「『結界魔法』」
リリがその爆発を結界で囲うことで、爆発の衝撃を逃がさずに全ての衝撃を魔物に伝えていた。
その結界を解いた時に広がる煙に紛れながら、リリと【潜伏】をした状態で魔物の大軍に突っ込んでいき、次々と魔物を切っていくと、面白いくらいに魔物の大軍が減っていくのが分かった。
その途中で後方に目を向けると、何もできずに俺たちを見ることしかできないギース達がちらりと目に入った。
俺はすぐに視線を魔物たちの方に戻して、そのままリリと共に魔物たちに突っ込んでいくのだった。
そうして、しばらくの戦闘の後、無事に魔物の大軍を殲滅することに成功したのだった。
無事に魔物を殲滅し終えた後、俺たちは洞窟の出入り口に向かって歩いていた。
その道中、多くの魔物たちを倒した達成感のせいか、少しくだけた調子で各パーティのリーダー達との会話に花を咲かせていた。
「いやー、マジで助かったわ」
「アイク君とリリちゃん。君たちがいてくれて、思ったよりも早く魔物たちを殲滅することができたよ、ありがとう」
「いや、俺たち二人しかいないし、大した働きはしてないですよ」
「よく言うぜ。二人しかいないのに、あの働きは異常だっての」
どうやら、他のパーティは俺たちの働きを評価してくれているらしかった。
正直、急に手を貸してくれと言われた時は不安だったが、期待してくれていた以上の働きはできたらしい。
「そういえば、ギースさん達とは知り合いなんですか？」
「えっと、前に同じパーティで活動してたことがあって」
そういえば、結局ギース達との間柄について説明できていなかったなと思って、そんなことを口にすると、レオンは合点がいったように小さく頷いた。
「あー、分かりました。主力だったアイクさんが抜けたから、あのパーティは急に失速したんですね」
俺たちの後ろを歩くギースにレオンがそんなことを言うと、ギースは溜めていた怒りを爆発させるように、荒らげた声で言葉を続けた。
「アイクが主力なわけないだろ！ 俺が追い出したんだよ！」
「え、どう考えても主力だろ？ 追い出したって、アイクをか？ そのせいで、自分達はＳ級じゃなくなって、Ａ級のクエスト何回も失敗して……何がしたいんだ、お前たち」
嫌味ではなく本当に訳が分からないように聞くギリンスの言葉を前に、ギースは機嫌悪げに顔を背けることしかできなくなっていた。
「ねぇ、アイク！ またパーティに帰ってこない？」
そんなふうに俺達が話していると、突然ギースのパーティのキースが意を決したようにそんなことを言ってきた。
「そ、そうだ！ また、みんなでパーティを組むのも悪くないんじゃないか？ なぁ、ギース」
続く形でエルドも作ったような笑顔でそんな言葉を口にしていた。モモも同じように俺がパーティに帰ってくることを期待するように、らしくない笑みを浮かべていた。
ついさっきまで俺に軽蔑するような目を向けていたはずのに、驚くくらいの手のひら返しだ。
「ちっ……またサポートとしてでいいなら、戻って来てもいいぞ。ほら、荷物くらい持てよ、サポーター」
そういうと、ギースは自分が持っていた手荷物を俺の足元に投げ、こちらを見下すような目のままそんな言葉を口にした。
俺はそんなギース達を見て、首を傾けながら言葉を続けた。
「え、いや、戻らないけど」
「な、なんで！！」
「いや、あんな仕打ちをされたパーティに戻りたいと思えないよ、普通」
意味が分からないといった顔をしているモモに、俺はモモと同じ顔をしてそんな言葉を返した。
言葉にしてようやく伝わったのか、ギース以外の面々は少しだけ顔を曇らせていた。
しかし、ギースだけはその顔色を曇らせることなく、むしろ怒りに任せて顔を赤くしていた。
「おまえ！ 俺達Ｓ級パーティが誘ってやってんのに、断るとは何事――」
「アイクさん、あなたが良ければ、僕たちのパーティに入りませんか？」
しかし、そんなギースの言葉はレオンの言葉によってかき消された。まるで何でもないかのように、言葉を被せてそんなこと言ってきたレオンの耳には、ギースの言葉が聞こえていないようだった。
「おまっ、ずるいぞ。アイク、うちはどうだ？ 結構居心地いいぞ？」
怒りで震えるギースをそのままに、俺は再び歩き出した流れに乗るように洞窟の出口に足を向かわせた。
当然、ギースに投げつけられた荷物はそのままそこに放置してある。
「あっ、いえ、単純に今のパーティが気に入ってるんですよ。どこかのパーティに入りたいとか、今の所ないんです」
そんなふうに勧誘の言葉を断りながら、歩いて行くと、ふと誰かが心からの声を漏らすように呟いた。
「それはそうと、追放するって……見る目なさすぎないか、あいつら」
誰が言ったのか分からないそんな言葉が、やけに洞窟に響いていた気がした。
