「おう、成果はどうだったよ?」
「結構取れたと思いますよ」
「ははっ、そいつはよかった。じゃあ、さっそく見せてもらおうか」
俺たちはクリスタルダイナソーを倒した後、途中でもう一泊してガルドの鍛冶場に戻っていた。
その間の飯を何度もリリに作ってもらい、その美味しさに舌鼓を打った。正直、あと数泊してリリの料理をもっと堪能したかったのが、依頼主を待たせる訳にもいかなかったので、俺たちはガルドの鍛冶場に戻ることにしたのだった。
それに、睡眠不足も解消したかったしな。ある意味丁度良かったかもしれない。
今は帰還した俺たちを迎えてくれたガルドと共に鍛冶場奥にある倉庫に移動していた。
俺たちの成果を見てくれるとのことだったので、さっそくアイテムボックスから鉱石を取り出していった。
「まずは、アメシスト鉱石が44個とシトリン鉱石が46個。あと、エメラルド鉱石が32個とルビー鉱石が41個。あとーー」
「ちょ、ちょっと待ってくれ! え、鉱山に丸々三日も潜ってないよな? ど、どうして、こんな数の鉱石を採取できたんだ? ていうか、何だこの純度の高い鉱石は……」
ガルドは目を見開いて俺たちが取ってきた鉱石を眺めて、一瞬言葉を失っていた。どうやら、俺たちが取ってきた鉱石の量の多さと質に驚いているようだった。
「『不明な道』の方で魔物を倒して、魔物から鉱石を奪ってきました」
「は?! お前たち、あっちの道に行ったのか! な、い、行くなと言ったと思ったが」
「あれ? あれって、行けって意味じゃないんですか?」
「な、何をどう捉えたらそんな解釈になるんだ」
ガルドは何か奇天烈な物を見るような目を俺に向けてきた。
おかしいな。ガルドの発言の意図をくみ取って『不明な道』の方に行ったのだが、なぜそのガルドがそんな目を向けてくるのだろう。
「でも、この倉庫を鉱石で山盛りにして欲しいって言ってませんでしたか?」
「いや、あれは鍛冶師ジョークというか。まさか、本気にするとは思わなかったのだが。というか、普通に考えて初めて採掘する人間にそんなこと求めんだろ」
そこまで言われて、俺はようやく自分が冗談を真に受けてその分の仕事をしてしまったのだと気がついた。
確かに、普通に考えれば初心者にそこまでやらせようとはしないか。
ていうことは、普通に安全な整備された方の道で数日間とんかんやって採掘して帰ってくればよかったのか?
まさか、そんな言葉通りの意味だとは思わなかった。
「あの、ガルドさん。他にも数種類の鉱石と、あと価値がよく分らない鉱石の集合体を取ってきたんですけど」
「ま、まだあるのか。どれ、見せてくれ」
俺が鉱石を多く持ち帰ってき過ぎたせいか、ガルドは少し引いたような目をこちらに向けていた。
そんなガルドをそのままに、俺はアイテムボックスからクリスタルダイナソーから奪った鉱石を倉庫の床に置いた。
少し鈍い音を立てながら床に鉱石集合体を取り出すと、ガルドはしばらくの間言葉を失っていた。
そして、ゆっくりとそれに近づいていって宝石箱を眺める子供のような目でそれを見つめていた。
「これはーー」
ガルドはあらゆる角度で眺めたり、その質感を確かめたりしながらその価値を確かめていた。
ガルドがしばらく黙り込んでしまったので、俺は不安になって口を開いた。
「それは、クリスタルダイナソーから奪ったんですけど」
「く、クリスタルダイナソー?! そんな魔物から奪ってきたのか……な、なるほど、それなら合点がいく」
「合点がいく?」
「あ、ああ。純度が良すぎるんだ。これは数千万ダウ、いや、それ以上いくか……」
「え?」
何かを噛みしめているように、ガルドはそんな言葉を口にした。
今、数千万ダウと言ったか? それ以上とも言っていた気がする。
そんな現実味がない言葉を言われて、俺とリリはただ静かに瞬きをすることしかできなかった。
「結構取れたと思いますよ」
「ははっ、そいつはよかった。じゃあ、さっそく見せてもらおうか」
俺たちはクリスタルダイナソーを倒した後、途中でもう一泊してガルドの鍛冶場に戻っていた。
その間の飯を何度もリリに作ってもらい、その美味しさに舌鼓を打った。正直、あと数泊してリリの料理をもっと堪能したかったのが、依頼主を待たせる訳にもいかなかったので、俺たちはガルドの鍛冶場に戻ることにしたのだった。
それに、睡眠不足も解消したかったしな。ある意味丁度良かったかもしれない。
今は帰還した俺たちを迎えてくれたガルドと共に鍛冶場奥にある倉庫に移動していた。
俺たちの成果を見てくれるとのことだったので、さっそくアイテムボックスから鉱石を取り出していった。
「まずは、アメシスト鉱石が44個とシトリン鉱石が46個。あと、エメラルド鉱石が32個とルビー鉱石が41個。あとーー」
「ちょ、ちょっと待ってくれ! え、鉱山に丸々三日も潜ってないよな? ど、どうして、こんな数の鉱石を採取できたんだ? ていうか、何だこの純度の高い鉱石は……」
ガルドは目を見開いて俺たちが取ってきた鉱石を眺めて、一瞬言葉を失っていた。どうやら、俺たちが取ってきた鉱石の量の多さと質に驚いているようだった。
「『不明な道』の方で魔物を倒して、魔物から鉱石を奪ってきました」
「は?! お前たち、あっちの道に行ったのか! な、い、行くなと言ったと思ったが」
「あれ? あれって、行けって意味じゃないんですか?」
「な、何をどう捉えたらそんな解釈になるんだ」
ガルドは何か奇天烈な物を見るような目を俺に向けてきた。
おかしいな。ガルドの発言の意図をくみ取って『不明な道』の方に行ったのだが、なぜそのガルドがそんな目を向けてくるのだろう。
「でも、この倉庫を鉱石で山盛りにして欲しいって言ってませんでしたか?」
「いや、あれは鍛冶師ジョークというか。まさか、本気にするとは思わなかったのだが。というか、普通に考えて初めて採掘する人間にそんなこと求めんだろ」
そこまで言われて、俺はようやく自分が冗談を真に受けてその分の仕事をしてしまったのだと気がついた。
確かに、普通に考えれば初心者にそこまでやらせようとはしないか。
ていうことは、普通に安全な整備された方の道で数日間とんかんやって採掘して帰ってくればよかったのか?
まさか、そんな言葉通りの意味だとは思わなかった。
「あの、ガルドさん。他にも数種類の鉱石と、あと価値がよく分らない鉱石の集合体を取ってきたんですけど」
「ま、まだあるのか。どれ、見せてくれ」
俺が鉱石を多く持ち帰ってき過ぎたせいか、ガルドは少し引いたような目をこちらに向けていた。
そんなガルドをそのままに、俺はアイテムボックスからクリスタルダイナソーから奪った鉱石を倉庫の床に置いた。
少し鈍い音を立てながら床に鉱石集合体を取り出すと、ガルドはしばらくの間言葉を失っていた。
そして、ゆっくりとそれに近づいていって宝石箱を眺める子供のような目でそれを見つめていた。
「これはーー」
ガルドはあらゆる角度で眺めたり、その質感を確かめたりしながらその価値を確かめていた。
ガルドがしばらく黙り込んでしまったので、俺は不安になって口を開いた。
「それは、クリスタルダイナソーから奪ったんですけど」
「く、クリスタルダイナソー?! そんな魔物から奪ってきたのか……な、なるほど、それなら合点がいく」
「合点がいく?」
「あ、ああ。純度が良すぎるんだ。これは数千万ダウ、いや、それ以上いくか……」
「え?」
何かを噛みしめているように、ガルドはそんな言葉を口にした。
今、数千万ダウと言ったか? それ以上とも言っていた気がする。
そんな現実味がない言葉を言われて、俺とリリはただ静かに瞬きをすることしかできなかった。