そして、翌日の朝。
俺たちはミリアに言われた通り、冒険者ギルドに向かった。
昨日、ミリアに冒険者ランクが上がるだろうと言われていたが、果たしてどうなるか。それに、上がるとしたらどのくらい上がるのだろうか。
そんな期待半分、不安半分くらいの気持ちで冒険者ギルドに入ると、俺たちがやってくるのを待っていたのか、ミリアがこちらに気づいたようで手を振ってきた。
「アイクさん、リリさん。おはようございます」
「おはようございます。昨日言ってた冒険者ランクの件で来たんですけど」
「はい。昨日色々話し合いまして、アイクさんとリリさんの冒険者ランクを……Dに上げることにしました!」
ミリアはたっぷりとタメを作って、笑顔でそんなことを言ってきた。
一瞬、驚いてしまって反応できなくなってしまった俺たちを見て、ミリアさんはさらに口元を緩めて俺たちの反応を楽しんでいた。
「いきなり冒険者ランクDですか? え、俺この前までFだったんですけど」
「あ、アイクさん。それを言うなら、私なんてGだったんですけど」
リリは何かの間違いなんじゃないかという顔で俺に視線を向けてきた。俺の二段階アップも驚きだが、リリの三段階アップの方が驚きだ。というか、リリに関しては二日前に冒険者登録したばかりである。
驚くのも無理はないだろう。中々の急出世だ。
「リリさんも二段階アップのEランクにすることを考えたのですが、ステータス的にEランクにしておくのは惜しいとのことで、アイクさんと同じDランクにさせていただきました」
リリはミリアの説明を受けて、納得したようでよく分からないような顔をしていた。
確かに、リリのステータスで冒険者ランクEというのも無理があると思う。たとえ、一時的にEランクにしても、多分すぐに冒険者ランクを上げることになる。それなら、初めからDランクまで上げてしまおうということなのかもしれない。
「それと、本来アイクさんのステータスならもっと冒険者ランクをもっと上げるべきなんですけど、冒険者ランクC以上になると、冒険者ギルドからの緊急クエストで招集がかかった場合に断ることができなくなるので、Dランクで止めておきました。ステータスだけでCに上げるのも悪い気がしたので……」
「あ、俺はそれで助かりましたよ。まだ俺も自分のスキルが分かりきっていないので」
そういえば、そんな規則があったな。
ミリアに言われて思い出したが、魔物たちの襲来によって冒険者ギルドから緊急クエストが発令される時がある。その時に、ギルドから要請があった場合は原則C級以上の冒険者は断ることができないのだ。
万年F級の冒険者をしていたから忘れていたが、ギース達が文句を言いながら駆り出されていたのを思い出した。
「それならよかったです。それに、アイクさんは冒険者としてはこなしたクエストの数も多くないですもんね」
「ははっ、確かにほとんどリリと変わらないですからね。同ランクっていうのも納得です」
俺は前にいたギース達のパーティではサポーター職として登録されていたため、冒険者として扱われていなかった。こなしたクエスト数で言えばほとんどリリとあまり変わらないのだ。
「それでは、冒険者カードをいただいてもよろしいですか? 冒険者カードの更新をしますね」
「はい、お願いします」
俺たちは冒険者カードをカウンターの上に提出して、冒険者カードの冒険者ランクの箇所を更新してもらった。
返された冒険者ランクの欄には『D』の文字がしっかりと刻まれていた。
ずっと『F』だったということもあり、少し感慨深さのような物を感じる。
「あと、『道化師の集い』も今日をもってD級パーティとさせていただきますね」
「あ、そうですよね。パーティランクも上がりますよね。分かりました。お願いします」
ギース達のパーティから追放されて、自分達のパーティを作ってそれと主にランクが上がっていく。
上手く言葉に言い表せない達成感がそこにある気がした。
「ふふっ、アイクさんとお揃いです」
隣で自分の冒険者カードを見て得意げな笑みを浮かべているリリを見て、俺は笑いながらそんなことを感じていた。
俺たちはミリアに言われた通り、冒険者ギルドに向かった。
昨日、ミリアに冒険者ランクが上がるだろうと言われていたが、果たしてどうなるか。それに、上がるとしたらどのくらい上がるのだろうか。
そんな期待半分、不安半分くらいの気持ちで冒険者ギルドに入ると、俺たちがやってくるのを待っていたのか、ミリアがこちらに気づいたようで手を振ってきた。
「アイクさん、リリさん。おはようございます」
「おはようございます。昨日言ってた冒険者ランクの件で来たんですけど」
「はい。昨日色々話し合いまして、アイクさんとリリさんの冒険者ランクを……Dに上げることにしました!」
ミリアはたっぷりとタメを作って、笑顔でそんなことを言ってきた。
一瞬、驚いてしまって反応できなくなってしまった俺たちを見て、ミリアさんはさらに口元を緩めて俺たちの反応を楽しんでいた。
「いきなり冒険者ランクDですか? え、俺この前までFだったんですけど」
「あ、アイクさん。それを言うなら、私なんてGだったんですけど」
リリは何かの間違いなんじゃないかという顔で俺に視線を向けてきた。俺の二段階アップも驚きだが、リリの三段階アップの方が驚きだ。というか、リリに関しては二日前に冒険者登録したばかりである。
驚くのも無理はないだろう。中々の急出世だ。
「リリさんも二段階アップのEランクにすることを考えたのですが、ステータス的にEランクにしておくのは惜しいとのことで、アイクさんと同じDランクにさせていただきました」
リリはミリアの説明を受けて、納得したようでよく分からないような顔をしていた。
確かに、リリのステータスで冒険者ランクEというのも無理があると思う。たとえ、一時的にEランクにしても、多分すぐに冒険者ランクを上げることになる。それなら、初めからDランクまで上げてしまおうということなのかもしれない。
「それと、本来アイクさんのステータスならもっと冒険者ランクをもっと上げるべきなんですけど、冒険者ランクC以上になると、冒険者ギルドからの緊急クエストで招集がかかった場合に断ることができなくなるので、Dランクで止めておきました。ステータスだけでCに上げるのも悪い気がしたので……」
「あ、俺はそれで助かりましたよ。まだ俺も自分のスキルが分かりきっていないので」
そういえば、そんな規則があったな。
ミリアに言われて思い出したが、魔物たちの襲来によって冒険者ギルドから緊急クエストが発令される時がある。その時に、ギルドから要請があった場合は原則C級以上の冒険者は断ることができないのだ。
万年F級の冒険者をしていたから忘れていたが、ギース達が文句を言いながら駆り出されていたのを思い出した。
「それならよかったです。それに、アイクさんは冒険者としてはこなしたクエストの数も多くないですもんね」
「ははっ、確かにほとんどリリと変わらないですからね。同ランクっていうのも納得です」
俺は前にいたギース達のパーティではサポーター職として登録されていたため、冒険者として扱われていなかった。こなしたクエスト数で言えばほとんどリリとあまり変わらないのだ。
「それでは、冒険者カードをいただいてもよろしいですか? 冒険者カードの更新をしますね」
「はい、お願いします」
俺たちは冒険者カードをカウンターの上に提出して、冒険者カードの冒険者ランクの箇所を更新してもらった。
返された冒険者ランクの欄には『D』の文字がしっかりと刻まれていた。
ずっと『F』だったということもあり、少し感慨深さのような物を感じる。
「あと、『道化師の集い』も今日をもってD級パーティとさせていただきますね」
「あ、そうですよね。パーティランクも上がりますよね。分かりました。お願いします」
ギース達のパーティから追放されて、自分達のパーティを作ってそれと主にランクが上がっていく。
上手く言葉に言い表せない達成感がそこにある気がした。
「ふふっ、アイクさんとお揃いです」
隣で自分の冒険者カードを見て得意げな笑みを浮かべているリリを見て、俺は笑いながらそんなことを感じていた。