「あっ、アイクさん。お疲れ様です」
「ミリアさん、お疲れ様です」
俺たちはあれから魔物を数体討伐してから王都ミノラルに戻った。
レベル上げと討伐した魔物を回収したりして、クエスト以外のことをして時間を過ごした後、クエストの完了報告のために冒険者ギルドへ向かった。
俺たちが冒険者ギルドに顔を覗かせると、ミリアが俺たちに気づいてくれたので、俺たちはクエスト完了の報告をしにミリアのいるカウンターの方に向かった。
「クエスト達成したんで、その報告に来ました」
「はい、達成の報告ですね。それでは、冒険者カードお借りしてもよろしいですか?」
俺とリリはミリアに言われて、冒険者カードをカウンターの上に置いた。パーティとして今回の依頼を受けたので、今回からはリリも冒険者カードを出す必要があるみたいだった。
「一旦、クエストの確認だけしちゃいますね。えっと、受けたクエストはワイドウルフの討伐と、ファング肉の採取、ワイドディア肉の採取ですね。それでは、素材を見せて頂きたいんですけど……アイクさんはまだ解体してないですよね。それでは、倉庫の方で確認しますね」
「すみません、お願いします」
簡単な素材だけならカウンターで手続きを済ませることもできるのだが、俺の場合は倒した魔物を一匹丸々持ってきている。
さすがに、カウンターの上に討伐した魔物を並べるわけにもいかず、俺たちはギルドの裏にある倉庫の方に移動することになった。
「おっ、アイクか。今日は何を持ってきたんだ?」
「お疲れ様です。今日は……まぁ、色々ですね」
「もったいぶるじゃねーか。アイク、こっちのシートの上に置いてくれ」
バングはそんなことを笑いながら言うと、俺に手招きをした。
別にもったいぶっている訳ではなかったのだけど、そう聞こえなくもないか。
俺もバングに釣られるように笑みを浮かべた。バングの近くにあったシートの方に行くと、俺はアイテムボックスから今日のクエストの分の魔物を取り出した。
「とりあえず、これがワイドウルフ六体と、ファングが四体、ワイドディアが二体です」
「ほぅ。これだけの量を一日で仕留めてきたか。中々やるな、アイク。そういえば、アイクの冒険者ランクっていくつなんだ?」
「俺ですか? 俺はFランクです」
「……は? え、F?」
バングは予想外の返答が返ってきたのか、俺の言っている意味が分からないといったようにきょとんとしていた。
それから、俺の隣にいたミリアの方をちらりと見て、目をぱちくりとさせながら言葉を続けた。
「こんなに狩っても、Fなんか? なんだ、ずいぶんと冒険者ランクってのは厳しいんだな」
「い、いえ、アイクさんが特別といいますか……」
何とも答えにくそうな表情でミリアが困っていたようなので、俺は話を逸らすために残りの討伐した魔物をシートの上に並べていった。
「あとは、キラーベアが二体と追加のワイドディアが三体、あと追加でファングが六体と、ゴブリンが三体。あとホワイトウルフが三体とブラックポークが三体ですね」
「え? あ、アイクさん? それって、クエストとは別に討伐してきたんですか? く、クエストと並行して?」
「はい。森に出たついでに狩ってきました。あ、あと、キングディアがいるんですけど、ここに並べちゃっていいですかね?」
俺がバングにキングディアの置き場所を尋ねると、バングは驚いて目を見開いていた。そして、その目は再びミリアの方に向けられた。
「き、キングディア?! おい、ギルドのねーちゃん、どういうことだ! F級冒険者ってのは、キングディアも狩るのか?!」
「そんなわけないですよ! どういうことかは私が聞きたいです!」
ミリアは急すぎる展開についてこられなくなったように、頭を抱えてしまっていた。
「……あれ?」
話の話題を逸らさせようと思ったのだが、むしろ悪化してしまってるようだった。
「ふふんっ、さすがアイクさんです」
俺の後ろで得意げな笑みを浮かべているリリは、目の前で起きている事態を楽しんでいるようだった。
困惑しているバングと、考えることを放棄したミリア、得意げなリリ。
……何だこの状況。
そして、俺もそんな状況に一人取り残されるのだった。
「ミリアさん、お疲れ様です」
俺たちはあれから魔物を数体討伐してから王都ミノラルに戻った。
レベル上げと討伐した魔物を回収したりして、クエスト以外のことをして時間を過ごした後、クエストの完了報告のために冒険者ギルドへ向かった。
俺たちが冒険者ギルドに顔を覗かせると、ミリアが俺たちに気づいてくれたので、俺たちはクエスト完了の報告をしにミリアのいるカウンターの方に向かった。
「クエスト達成したんで、その報告に来ました」
「はい、達成の報告ですね。それでは、冒険者カードお借りしてもよろしいですか?」
俺とリリはミリアに言われて、冒険者カードをカウンターの上に置いた。パーティとして今回の依頼を受けたので、今回からはリリも冒険者カードを出す必要があるみたいだった。
「一旦、クエストの確認だけしちゃいますね。えっと、受けたクエストはワイドウルフの討伐と、ファング肉の採取、ワイドディア肉の採取ですね。それでは、素材を見せて頂きたいんですけど……アイクさんはまだ解体してないですよね。それでは、倉庫の方で確認しますね」
「すみません、お願いします」
簡単な素材だけならカウンターで手続きを済ませることもできるのだが、俺の場合は倒した魔物を一匹丸々持ってきている。
さすがに、カウンターの上に討伐した魔物を並べるわけにもいかず、俺たちはギルドの裏にある倉庫の方に移動することになった。
「おっ、アイクか。今日は何を持ってきたんだ?」
「お疲れ様です。今日は……まぁ、色々ですね」
「もったいぶるじゃねーか。アイク、こっちのシートの上に置いてくれ」
バングはそんなことを笑いながら言うと、俺に手招きをした。
別にもったいぶっている訳ではなかったのだけど、そう聞こえなくもないか。
俺もバングに釣られるように笑みを浮かべた。バングの近くにあったシートの方に行くと、俺はアイテムボックスから今日のクエストの分の魔物を取り出した。
「とりあえず、これがワイドウルフ六体と、ファングが四体、ワイドディアが二体です」
「ほぅ。これだけの量を一日で仕留めてきたか。中々やるな、アイク。そういえば、アイクの冒険者ランクっていくつなんだ?」
「俺ですか? 俺はFランクです」
「……は? え、F?」
バングは予想外の返答が返ってきたのか、俺の言っている意味が分からないといったようにきょとんとしていた。
それから、俺の隣にいたミリアの方をちらりと見て、目をぱちくりとさせながら言葉を続けた。
「こんなに狩っても、Fなんか? なんだ、ずいぶんと冒険者ランクってのは厳しいんだな」
「い、いえ、アイクさんが特別といいますか……」
何とも答えにくそうな表情でミリアが困っていたようなので、俺は話を逸らすために残りの討伐した魔物をシートの上に並べていった。
「あとは、キラーベアが二体と追加のワイドディアが三体、あと追加でファングが六体と、ゴブリンが三体。あとホワイトウルフが三体とブラックポークが三体ですね」
「え? あ、アイクさん? それって、クエストとは別に討伐してきたんですか? く、クエストと並行して?」
「はい。森に出たついでに狩ってきました。あ、あと、キングディアがいるんですけど、ここに並べちゃっていいですかね?」
俺がバングにキングディアの置き場所を尋ねると、バングは驚いて目を見開いていた。そして、その目は再びミリアの方に向けられた。
「き、キングディア?! おい、ギルドのねーちゃん、どういうことだ! F級冒険者ってのは、キングディアも狩るのか?!」
「そんなわけないですよ! どういうことかは私が聞きたいです!」
ミリアは急すぎる展開についてこられなくなったように、頭を抱えてしまっていた。
「……あれ?」
話の話題を逸らさせようと思ったのだが、むしろ悪化してしまってるようだった。
「ふふんっ、さすがアイクさんです」
俺の後ろで得意げな笑みを浮かべているリリは、目の前で起きている事態を楽しんでいるようだった。
困惑しているバングと、考えることを放棄したミリア、得意げなリリ。
……何だこの状況。
そして、俺もそんな状況に一人取り残されるのだった。