「今度は俺の番だな」
「俺の番?」
俺は首をこてんと倒して不思議そうな顔をしているリリを連れて、森の奥へと進んでいった。
残りのクエストはファング肉の採取。こちらは本来一体でいいらしいが、多くかった分はギルドで買い取ってくれる。それなら、少しでも多く持って行って買い取ってもらった方が良いだろう。
本来なら一体倒したらギルドに戻る必要があったと思うが、俺には詰め放題のアイテムボックスがある。それなら、一体とは言わず多く狩って換金した方が効率も良い。
幸いなことに、【気配感知】を頼りに歩いていくと、ファングが四体ほどいることが分かった。近づいてみると、木の実か何かを探しているのか無警戒の状態だった。
「リリ、今度は俺に任せてもらってもいいか?」
「分かりました。それじゃあ、私はここで待ってますね」
俺はリリを木陰に残すと、ファングの方に体を向けた。
俺は【潜伏】を含めた【道化師】と【剣技】のスキルを使用してファングに近づいていた後、【潜伏】のスキルを解いてファングに走り出した。
このまま【潜伏】をして近づいてもいいのだが、それだと少し芸がない気がした。何よりもこの【魔導士】のスキルをもっと使いこなすためにも、【潜伏】ばかりに頼るのもよくはないだろう。
俺がファングたちの方に走っていくと、ファングたちが俺に気づいたようだった。少し身構えた様子で四体がこちらに視線を向けた瞬間、俺は地面を強く蹴って四体のファングの背中に移動するイメージをして【道化師】を使用した。
すると、俺は瞬間移動でもしたかのようにファングの背後を取ることができた。
俺が消えたと思っているファングは俺を探しているが、後ろにいるとは思っていないようだ。
俺は気づかれないように短剣を鞘から引き抜くと、背中を見せているファングに切りかかった。それぞれ一太刀ずつ【剣技】のスキルを使用しながら切りつけると、ファングたちは何が起きたのか分からないままその場に倒れた。
俺のイメージとキングディアと戦った時のような距離に近づいた時、瞬間移動のようなスキルを使用することができた。このスキルが何なのか知っておく必要があるだろうな。
俺は【道化師】をさらに細かく【鑑定】して、先程使ったスキルを鑑定した。
【鑑定結果 瞬動……自分を対象の位置まで点と点で移動させることのできるスキル。本人のレベル次第で移動範囲、移動できる質量が変わる】
なるほど、本当に瞬間移動みたいなスキルだな。レベル次第で範囲と質量が変わるか。もしかしたら、ゆくゆくは転移魔法みたいに使えるようになるかもしれないな。
まぁ、そこまで使いこなすのは結構先になるかもしれないが。
俺は一瞬にして四体のファングを倒した後、短剣をしまいながらこちらを見ていたリリに軽く笑みを見せてみた。
「どうだ? 手際よかったか?」
先程リリがスムーズに魔物を倒したことに対抗心を燃やして、どや顔でそんなことを言うと、リリは小さくプルプルと震えていた。
「……お、大人げないです」
「お、大人げない?」
「そうですよ! アイクさんが強いなんて分かりきってることじゃないですか!」
「えっと、ありがとう?」
「どういたしまして!」
結果的に力の差を見せつけてしまったことになって、リリは少しだけぷりぷりとしていた。何というか可愛らしい怒り方だ。
まぁ、結果としてもっと精進するようにといったメッセージが伝わったみたいだし、良しとするか。
そんなつもりはなかったけど。
「さて、クエストは終わったけど、どうするか? 今から帰っても時間が早すぎる気がするな」
「アイクさん! せっかくなら、もっと魔物倒していきましょう!」
どうやら、俺に触発でもされたのかリリが前のめりにそんなことを言ってきた。
確かに、ここまで来たのにすぐ帰るのは移動時間を考えるともったいない気もする。
それなら、今後の資金調達ということで数体魔物を狩るのも一つの手か。
「それもそうなだ。それじゃあ、そうするか」
こうして、俺たちはクエスト終了後、さらに魔物を討伐することになったのだった。
「俺の番?」
俺は首をこてんと倒して不思議そうな顔をしているリリを連れて、森の奥へと進んでいった。
残りのクエストはファング肉の採取。こちらは本来一体でいいらしいが、多くかった分はギルドで買い取ってくれる。それなら、少しでも多く持って行って買い取ってもらった方が良いだろう。
本来なら一体倒したらギルドに戻る必要があったと思うが、俺には詰め放題のアイテムボックスがある。それなら、一体とは言わず多く狩って換金した方が効率も良い。
幸いなことに、【気配感知】を頼りに歩いていくと、ファングが四体ほどいることが分かった。近づいてみると、木の実か何かを探しているのか無警戒の状態だった。
「リリ、今度は俺に任せてもらってもいいか?」
「分かりました。それじゃあ、私はここで待ってますね」
俺はリリを木陰に残すと、ファングの方に体を向けた。
俺は【潜伏】を含めた【道化師】と【剣技】のスキルを使用してファングに近づいていた後、【潜伏】のスキルを解いてファングに走り出した。
このまま【潜伏】をして近づいてもいいのだが、それだと少し芸がない気がした。何よりもこの【魔導士】のスキルをもっと使いこなすためにも、【潜伏】ばかりに頼るのもよくはないだろう。
俺がファングたちの方に走っていくと、ファングたちが俺に気づいたようだった。少し身構えた様子で四体がこちらに視線を向けた瞬間、俺は地面を強く蹴って四体のファングの背中に移動するイメージをして【道化師】を使用した。
すると、俺は瞬間移動でもしたかのようにファングの背後を取ることができた。
俺が消えたと思っているファングは俺を探しているが、後ろにいるとは思っていないようだ。
俺は気づかれないように短剣を鞘から引き抜くと、背中を見せているファングに切りかかった。それぞれ一太刀ずつ【剣技】のスキルを使用しながら切りつけると、ファングたちは何が起きたのか分からないままその場に倒れた。
俺のイメージとキングディアと戦った時のような距離に近づいた時、瞬間移動のようなスキルを使用することができた。このスキルが何なのか知っておく必要があるだろうな。
俺は【道化師】をさらに細かく【鑑定】して、先程使ったスキルを鑑定した。
【鑑定結果 瞬動……自分を対象の位置まで点と点で移動させることのできるスキル。本人のレベル次第で移動範囲、移動できる質量が変わる】
なるほど、本当に瞬間移動みたいなスキルだな。レベル次第で範囲と質量が変わるか。もしかしたら、ゆくゆくは転移魔法みたいに使えるようになるかもしれないな。
まぁ、そこまで使いこなすのは結構先になるかもしれないが。
俺は一瞬にして四体のファングを倒した後、短剣をしまいながらこちらを見ていたリリに軽く笑みを見せてみた。
「どうだ? 手際よかったか?」
先程リリがスムーズに魔物を倒したことに対抗心を燃やして、どや顔でそんなことを言うと、リリは小さくプルプルと震えていた。
「……お、大人げないです」
「お、大人げない?」
「そうですよ! アイクさんが強いなんて分かりきってることじゃないですか!」
「えっと、ありがとう?」
「どういたしまして!」
結果的に力の差を見せつけてしまったことになって、リリは少しだけぷりぷりとしていた。何というか可愛らしい怒り方だ。
まぁ、結果としてもっと精進するようにといったメッセージが伝わったみたいだし、良しとするか。
そんなつもりはなかったけど。
「さて、クエストは終わったけど、どうするか? 今から帰っても時間が早すぎる気がするな」
「アイクさん! せっかくなら、もっと魔物倒していきましょう!」
どうやら、俺に触発でもされたのかリリが前のめりにそんなことを言ってきた。
確かに、ここまで来たのにすぐ帰るのは移動時間を考えるともったいない気もする。
それなら、今後の資金調達ということで数体魔物を狩るのも一つの手か。
「それもそうなだ。それじゃあ、そうするか」
こうして、俺たちはクエスト終了後、さらに魔物を討伐することになったのだった。