その後、大勢の警備隊が現れ今回の騒動に関わった信者全員が検挙された。
マージル・マリアネルは死亡が確認され、ミネア・アンダースとターン・ブリクも捕らえられ裁判にかけられることになった。
ターンは当然廃摘となり、ラクサを追われ辺境の地に追いやられることとなった。治安が悪く、罪を犯した貴族の死に場所とも言われるほど環境も劣悪な土地にターンはこれから住むことになるだろう。
ミネアは、家族にした行いと、無実の人間を信仰の為に虐殺した罪で斬首刑が言い渡された。
だが、3人がこの世の表舞台から消えたとはいえ教団がなくなる事はない。また新たな優秀な人材を見つけて活動するのだろう。
完全に脅威が消えたわけではないが、打撃を与えられたのは確かだった。
タンザナイトのアガパンサスのブローチをジャケットに付けたレインは庭園のガゼボである人を待っていた。
風穴が開いていた両手はカイリのギフトの力により完治していて傷ひとつない綺麗な手となっていた。
騒動の日の深夜に邸宅に帰ってきた時のことを思い出す。
(リーナとケヴィンを泣き止ませる方が大変だったけどなんか安心したよね…)
ほんの少し前の話なのに遠い日の様に感じてしまう。
ブローチにそっと触れていろいろ回想する。本当にここに来て良かったと思える思い出がまた増えるのだろうとレインは微笑んだ。
そして、もう逃げないと誓いを立てた。
「レイン」
愛しい人の声が彼を呼ぶ。その人の首に下げられた宝石が太陽で美しく輝いている。レインの胸に輝くブローチも同じ。
「カイリ。俺さ、まだ迷ったままあの時のプロポーズを受けてた。身分も低い、ギフトがなきゃ何もできない人間って決めつけてたから。本当に俺を愛してくれるか怖かった。でも……貴女はちゃんと俺を見つけてくれた。だから改めて言わせてくれないか?」
カイリは嬉しそうに微笑んだ。その言葉を聞かなくても応えは分かっている。
けれど、彼の口から聞きたかった。ようやく心が通じ合った証だったから。
「カイリ・マリアネル。貴女のことを愛しています。貴女との結婚受けさせてください」
ガゼボのそばで咲くアガパンサスがそよ風に揺られている。まるで2人の結婚を祝福している様にアガパンサスは咲き誇っていた。
『これからもっと、もっと、幸せになってね。私のアガパンサス。私の可愛いレイン』
マージル・マリアネルは死亡が確認され、ミネア・アンダースとターン・ブリクも捕らえられ裁判にかけられることになった。
ターンは当然廃摘となり、ラクサを追われ辺境の地に追いやられることとなった。治安が悪く、罪を犯した貴族の死に場所とも言われるほど環境も劣悪な土地にターンはこれから住むことになるだろう。
ミネアは、家族にした行いと、無実の人間を信仰の為に虐殺した罪で斬首刑が言い渡された。
だが、3人がこの世の表舞台から消えたとはいえ教団がなくなる事はない。また新たな優秀な人材を見つけて活動するのだろう。
完全に脅威が消えたわけではないが、打撃を与えられたのは確かだった。
タンザナイトのアガパンサスのブローチをジャケットに付けたレインは庭園のガゼボである人を待っていた。
風穴が開いていた両手はカイリのギフトの力により完治していて傷ひとつない綺麗な手となっていた。
騒動の日の深夜に邸宅に帰ってきた時のことを思い出す。
(リーナとケヴィンを泣き止ませる方が大変だったけどなんか安心したよね…)
ほんの少し前の話なのに遠い日の様に感じてしまう。
ブローチにそっと触れていろいろ回想する。本当にここに来て良かったと思える思い出がまた増えるのだろうとレインは微笑んだ。
そして、もう逃げないと誓いを立てた。
「レイン」
愛しい人の声が彼を呼ぶ。その人の首に下げられた宝石が太陽で美しく輝いている。レインの胸に輝くブローチも同じ。
「カイリ。俺さ、まだ迷ったままあの時のプロポーズを受けてた。身分も低い、ギフトがなきゃ何もできない人間って決めつけてたから。本当に俺を愛してくれるか怖かった。でも……貴女はちゃんと俺を見つけてくれた。だから改めて言わせてくれないか?」
カイリは嬉しそうに微笑んだ。その言葉を聞かなくても応えは分かっている。
けれど、彼の口から聞きたかった。ようやく心が通じ合った証だったから。
「カイリ・マリアネル。貴女のことを愛しています。貴女との結婚受けさせてください」
ガゼボのそばで咲くアガパンサスがそよ風に揺られている。まるで2人の結婚を祝福している様にアガパンサスは咲き誇っていた。
『これからもっと、もっと、幸せになってね。私のアガパンサス。私の可愛いレイン』