<<page1>>
〇異世界 山(朝)
怒りの表情でジェンを睨むナーガ
ナーガ「粉々にして殺してやる」
ジェン「ひっ!」
恐怖の表情を浮かべて必死に逃げ出すジェン
ジェン「うわあああああああああ!」
<<page2>>
ナーガ、一瞬でジェンに追いつく
ジェンの両足の太ももが剣で貫かれる
ジェン「ぐああっ!」
地面に転ぶジェン
<<page3>>
剣を振り上げるナーガ
涙目で叫ぶジェン
ジェン「わあああああああ!」
勢いよく振り下ろされる剣
<<page4>>
〇真っ白な空間
目を覚ますジェン
リリー「魔王のとき以上に痛みを感じたみたいだね」
ショックを受けた表情で震えているジェン
ジェン「・・・気が狂う一歩手前だったと思う」
リリー「もしそうならギリギリセーフだ」
<<page5>>
リリー「今回の条件はナーガを地面に倒すこと」
ジェン「・・・オレはどれだけ強くなれるんだ?」
リリー「身体能力など戦闘に必要な能力が全てナーガを遥かに上回るほど強化されるよ」
ジェン「他には?」
<<page6>>
リリー「あと平衡感覚を狂わせる剣も使える」
ジェン「バランス感覚を狂わす剣・・・」
リリー「切れ味はあるけど、人の体だけは斬れずにすり抜けるの」
ジェン「すり抜ける?」
リリー「その代わり、剣がとおった体の箇所が致命傷を負う部位であればあるほど・・・」
<<page7>>
ジェン「平衡感覚が大きく狂うのか」
リリー「その通り!」
ジェン「・・・」
リリー「どうしたの?」
ジェン「オレ、決めたよ・・・もうこんな痛い思いしたくない」
<<page8>>
〇異世界 山(朝)
ジェンの死体を見ているナーガ
聖兵士A(・・・むごい。ナーガ様だけは怒らせてはならない)
ジェンの体が消える
ナーガ「!」
光り輝きながらジェンが現れる
聖兵士A「馬鹿な・・・生き返った!?」
<<page9>>
ナーガ「死んだ者が生き返ることはない。何らかの能力で死を回避したのだろう」
聖兵士A「粉々にされても復活できるなんて・・・」
ナーガ「復活できても弱ければ脅威ではない」
聖兵士A「しかし、このままでは幻術から抜け出せないのでは?」
<<page10>>
ナーガ「痛みに対する悲鳴は間違いなく本物だった」
聖兵士A「?」
ナーガ「気が狂うまで痛みつけた上で殺せば幻術も解けるかもしれない」
ぞくっと恐怖の表情を浮かべる聖兵士A
手元に現れた剣をとるジェン
ジェン「最初は、あんたを痛めつけたいとは思わなかった。けど、今は違う」
ナーガ「・・・」
<<page11>>
ナーガを睨むジェン
ジェン「あんたを絶対に破滅させてやる!」
ナーガ「さっきまでみっともない姿をさらしていた男が何を・・・」
ジェン「・・・あれは忘れろ」
<<page12>>
ナーガ「くく、笑わせてくれる」
思わず少し笑ってしまうナーガ
ジェン「そうか、あんたはこういうことで笑うんだな」
剣を構えるジェン
<page13>>
ジェン「ナーガ・ジャスティス・ホーリーナイト、剣を抜け!」
ナーガ「もう一度泣き叫びながら死にたいようだな」
剣を抜くナーガ
<<page14~page15 見開き>>
一瞬でナーガの目の前に行くジェン
ナーガ「!?」
<<page16>>
ジェン、剣を振り上げながらナーガの左腕を斬る
<<page17>>
冷静な表情のジェンと衝撃を受けた表情のナーガ
ナーガ「なっ・・・」
焦った表情で後方へ勢いよく飛ぶナーガ
ナーガを見たまま動かないジェン
<<page18>>
地面に剣を突き刺すナーガ
ナーガ(馬鹿な・・・なんだ奴のあのスピードは! 動きを目で追えなかった!)
ナーガ「っ・・・」
剣を両腕で握りしめてフラフラと立っているナーガ
<<page19>>
ナーガ(外加力タイプは身体強化が不可能だ。奴は内加力タイプか!)
聖兵士A「ナーガ様!?」
ナーガ(だとすると幻術は別の魔人の能力。だが・・・)
左腕の斬られた箇所を見るナーガ
ナーガの左腕の斬られた箇所は防具だけが真っ二つに切れている
ナーガ「・・・何をした?」
<<page20>>
ジェン「この剣は人の体だけ斬れずにすり抜ける。剣が体をすり抜けると平衡感覚が狂う」
ナーガ「どうりでバランスが・・・」
ナーガ(不可解だ。そんな特殊な剣は外加力タイプじゃなければつくりだせないぞ)
ジェンを見据えるナーガ
ナーガ(内加力と外加力を併せ持つタイプなど原理的にありえない。奴は、いったい・・・)
ジェン「信じるかは自由だが、先に言っとく」
<<page21>>
ジェン「あんたは地面に倒れたら苦痛を受けることになる」
ナーガに剣を向けるジェン
ジェン「今まであんたが誰かに与えた苦痛を全て受けたあと、破滅するんだ」
ナーガ「・・・」
ジェン「世界を救おうとする正義だろうが、オレはあんたを倒す」
ナーガ「いいだろう。ならば、オレも全力で貴様を殺そう」
<<page22>>
目を瞑るナーガ
ナーガ「聖なる神よ。我が力となれ」
ナーガの体から勢いよく光が放出される
ジェン「!?」
<<page23>>
体からほとばしる光を放ちながらジェンを見据えるナーガ
ナーガ「聖なる力の解放は寿命を縮めるが、今こそ使うべき時だ」
余裕の表情で剣を地面から抜いて構えるナーガ
ナーガ「負けるが気がしないな。いつでも来い!」
ジェン(・・・平衡感覚の狂いがなおったのか?)
<<page24>>
一気にナーガと距離をつめるジェン
ナーガ、ジェンのスピードに反応して剣を振り上げる
ジェン(この速さにも対応できるようになったのか!)
<<page25>>
剣をジェンに向かって振り下ろすナーガ
ナーガに向かって剣を振り上げるジェン
ジェンとナーガの剣がぶつかる
<<page26>>
ジェンの剣がナーガの剣を腕ごと上へとはじく
ナーガ「なにっ・・・」
予想外という表情を浮かべるナーガ
ジェン、すかさず自分の剣を振り下ろす体勢になる
ナーガ「くっ・・・」
<<page27>>
ジェン、鋭い目つきでナーガの胴体に向かって剣を振り下ろしながら一刀両断する
地面に倒れるナーガ
ジェン「オレの勝ちだ」
<<page28>>
ナーガ「聖なる力を解放したオレが・・・こんな・・・」
聖兵士A「ナーガ様!」
ジェン、中年男性の遺体のもとへ一瞬で移動する
中年男性を背負うジェン
ナーガ「おわあああああああああああ!」
聖兵士A「ナーガ様!?」
<<page29>>
聖兵士Aに顔を向けるジェン
ジェン「おい、魔人の洞窟はどこだ?」
聖兵士A「ひっ、あっちです!」
怯えながら洞窟がある方を指差す聖兵士A
ジェン「魔人の恨みを買うと、こうなるってことを仲間に伝えろ」
絶叫しているナーガ
<<page30>>
聖兵士A「ひいい」
しりもちをつく聖兵士A
ジェン「軍を撤退させろ!」
聖兵士A「は、はい!」
ジェン「あと、魔人の絶滅計画は諦めて、魔の力をおさえる方法を探せと上に伝えろ!」
聖兵士A「わかりました!」
ジェン、中年男性を背負ったまま洞窟の方へ猛スピードで走り始める
<<page31>>
山の中を進んでいる聖兵士たち
撤退を知らせる大きな音が響き渡る
聖兵士B「撤退!?」
聖兵士C「馬鹿な・・・ナーガ大将が負けた!?」
聖兵士B「ありえない、人類最強の男だぞ!?」
聖兵士C「たった一人で聖軍全軍に匹敵する力を持っているあの方が負けるなんて・・・」
<<page32>>
〇草原(昼)
体が消え始めた中年男性を見るルイス
ルイス「どうやら決着がついたようね」
中年男性「ボクは生き返るんですか!?」
ルイス「あの男が勝ってればね」
〇異世界 山(朝)
怒りの表情でジェンを睨むナーガ
ナーガ「粉々にして殺してやる」
ジェン「ひっ!」
恐怖の表情を浮かべて必死に逃げ出すジェン
ジェン「うわあああああああああ!」
<<page2>>
ナーガ、一瞬でジェンに追いつく
ジェンの両足の太ももが剣で貫かれる
ジェン「ぐああっ!」
地面に転ぶジェン
<<page3>>
剣を振り上げるナーガ
涙目で叫ぶジェン
ジェン「わあああああああ!」
勢いよく振り下ろされる剣
<<page4>>
〇真っ白な空間
目を覚ますジェン
リリー「魔王のとき以上に痛みを感じたみたいだね」
ショックを受けた表情で震えているジェン
ジェン「・・・気が狂う一歩手前だったと思う」
リリー「もしそうならギリギリセーフだ」
<<page5>>
リリー「今回の条件はナーガを地面に倒すこと」
ジェン「・・・オレはどれだけ強くなれるんだ?」
リリー「身体能力など戦闘に必要な能力が全てナーガを遥かに上回るほど強化されるよ」
ジェン「他には?」
<<page6>>
リリー「あと平衡感覚を狂わせる剣も使える」
ジェン「バランス感覚を狂わす剣・・・」
リリー「切れ味はあるけど、人の体だけは斬れずにすり抜けるの」
ジェン「すり抜ける?」
リリー「その代わり、剣がとおった体の箇所が致命傷を負う部位であればあるほど・・・」
<<page7>>
ジェン「平衡感覚が大きく狂うのか」
リリー「その通り!」
ジェン「・・・」
リリー「どうしたの?」
ジェン「オレ、決めたよ・・・もうこんな痛い思いしたくない」
<<page8>>
〇異世界 山(朝)
ジェンの死体を見ているナーガ
聖兵士A(・・・むごい。ナーガ様だけは怒らせてはならない)
ジェンの体が消える
ナーガ「!」
光り輝きながらジェンが現れる
聖兵士A「馬鹿な・・・生き返った!?」
<<page9>>
ナーガ「死んだ者が生き返ることはない。何らかの能力で死を回避したのだろう」
聖兵士A「粉々にされても復活できるなんて・・・」
ナーガ「復活できても弱ければ脅威ではない」
聖兵士A「しかし、このままでは幻術から抜け出せないのでは?」
<<page10>>
ナーガ「痛みに対する悲鳴は間違いなく本物だった」
聖兵士A「?」
ナーガ「気が狂うまで痛みつけた上で殺せば幻術も解けるかもしれない」
ぞくっと恐怖の表情を浮かべる聖兵士A
手元に現れた剣をとるジェン
ジェン「最初は、あんたを痛めつけたいとは思わなかった。けど、今は違う」
ナーガ「・・・」
<<page11>>
ナーガを睨むジェン
ジェン「あんたを絶対に破滅させてやる!」
ナーガ「さっきまでみっともない姿をさらしていた男が何を・・・」
ジェン「・・・あれは忘れろ」
<<page12>>
ナーガ「くく、笑わせてくれる」
思わず少し笑ってしまうナーガ
ジェン「そうか、あんたはこういうことで笑うんだな」
剣を構えるジェン
<page13>>
ジェン「ナーガ・ジャスティス・ホーリーナイト、剣を抜け!」
ナーガ「もう一度泣き叫びながら死にたいようだな」
剣を抜くナーガ
<<page14~page15 見開き>>
一瞬でナーガの目の前に行くジェン
ナーガ「!?」
<<page16>>
ジェン、剣を振り上げながらナーガの左腕を斬る
<<page17>>
冷静な表情のジェンと衝撃を受けた表情のナーガ
ナーガ「なっ・・・」
焦った表情で後方へ勢いよく飛ぶナーガ
ナーガを見たまま動かないジェン
<<page18>>
地面に剣を突き刺すナーガ
ナーガ(馬鹿な・・・なんだ奴のあのスピードは! 動きを目で追えなかった!)
ナーガ「っ・・・」
剣を両腕で握りしめてフラフラと立っているナーガ
<<page19>>
ナーガ(外加力タイプは身体強化が不可能だ。奴は内加力タイプか!)
聖兵士A「ナーガ様!?」
ナーガ(だとすると幻術は別の魔人の能力。だが・・・)
左腕の斬られた箇所を見るナーガ
ナーガの左腕の斬られた箇所は防具だけが真っ二つに切れている
ナーガ「・・・何をした?」
<<page20>>
ジェン「この剣は人の体だけ斬れずにすり抜ける。剣が体をすり抜けると平衡感覚が狂う」
ナーガ「どうりでバランスが・・・」
ナーガ(不可解だ。そんな特殊な剣は外加力タイプじゃなければつくりだせないぞ)
ジェンを見据えるナーガ
ナーガ(内加力と外加力を併せ持つタイプなど原理的にありえない。奴は、いったい・・・)
ジェン「信じるかは自由だが、先に言っとく」
<<page21>>
ジェン「あんたは地面に倒れたら苦痛を受けることになる」
ナーガに剣を向けるジェン
ジェン「今まであんたが誰かに与えた苦痛を全て受けたあと、破滅するんだ」
ナーガ「・・・」
ジェン「世界を救おうとする正義だろうが、オレはあんたを倒す」
ナーガ「いいだろう。ならば、オレも全力で貴様を殺そう」
<<page22>>
目を瞑るナーガ
ナーガ「聖なる神よ。我が力となれ」
ナーガの体から勢いよく光が放出される
ジェン「!?」
<<page23>>
体からほとばしる光を放ちながらジェンを見据えるナーガ
ナーガ「聖なる力の解放は寿命を縮めるが、今こそ使うべき時だ」
余裕の表情で剣を地面から抜いて構えるナーガ
ナーガ「負けるが気がしないな。いつでも来い!」
ジェン(・・・平衡感覚の狂いがなおったのか?)
<<page24>>
一気にナーガと距離をつめるジェン
ナーガ、ジェンのスピードに反応して剣を振り上げる
ジェン(この速さにも対応できるようになったのか!)
<<page25>>
剣をジェンに向かって振り下ろすナーガ
ナーガに向かって剣を振り上げるジェン
ジェンとナーガの剣がぶつかる
<<page26>>
ジェンの剣がナーガの剣を腕ごと上へとはじく
ナーガ「なにっ・・・」
予想外という表情を浮かべるナーガ
ジェン、すかさず自分の剣を振り下ろす体勢になる
ナーガ「くっ・・・」
<<page27>>
ジェン、鋭い目つきでナーガの胴体に向かって剣を振り下ろしながら一刀両断する
地面に倒れるナーガ
ジェン「オレの勝ちだ」
<<page28>>
ナーガ「聖なる力を解放したオレが・・・こんな・・・」
聖兵士A「ナーガ様!」
ジェン、中年男性の遺体のもとへ一瞬で移動する
中年男性を背負うジェン
ナーガ「おわあああああああああああ!」
聖兵士A「ナーガ様!?」
<<page29>>
聖兵士Aに顔を向けるジェン
ジェン「おい、魔人の洞窟はどこだ?」
聖兵士A「ひっ、あっちです!」
怯えながら洞窟がある方を指差す聖兵士A
ジェン「魔人の恨みを買うと、こうなるってことを仲間に伝えろ」
絶叫しているナーガ
<<page30>>
聖兵士A「ひいい」
しりもちをつく聖兵士A
ジェン「軍を撤退させろ!」
聖兵士A「は、はい!」
ジェン「あと、魔人の絶滅計画は諦めて、魔の力をおさえる方法を探せと上に伝えろ!」
聖兵士A「わかりました!」
ジェン、中年男性を背負ったまま洞窟の方へ猛スピードで走り始める
<<page31>>
山の中を進んでいる聖兵士たち
撤退を知らせる大きな音が響き渡る
聖兵士B「撤退!?」
聖兵士C「馬鹿な・・・ナーガ大将が負けた!?」
聖兵士B「ありえない、人類最強の男だぞ!?」
聖兵士C「たった一人で聖軍全軍に匹敵する力を持っているあの方が負けるなんて・・・」
<<page32>>
〇草原(昼)
体が消え始めた中年男性を見るルイス
ルイス「どうやら決着がついたようね」
中年男性「ボクは生き返るんですか!?」
ルイス「あの男が勝ってればね」