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〇アパート ジャックの部屋(夜)

部屋の奥へと進んでいくセンタ

センタ、ジャックと仲間が話している姿を見る

ジャック「法廷で勝利した時の快感、最高だったぜ!」
笑っているジャック

仲間「ジャック、僕に感謝しろよ」

ジャック「もちろんだ」
ジャック「おまえの親父が裁判に圧力をかけてくれたおかげで無罪になったんだからな」

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ジャック「アリバイ工作してくれた連中に言っといてくれ」
ジャック「また誰かを殺した時に頼むぞってな」

仲間「防犯カメラの有無は確認しろよ。犯行映像があったら、さすがに庇えないからな」

ジャック「ああ」

ジャックを見ているセンタ
センタ(間違いなく殺人犯だ)

部屋の中を見回すセンタ
センタ(・・・部屋に防犯カメラはない)

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〇車内(夜)

センタ、助手席に座って透明化を解く

エマ「わっ!」
驚いた表情になるエマ

エマ「何も合図なしに姿を現さないでよ。びっくりするわ」

センタ「防犯カメラはなかったです」
エマの胸元が気になる様子で話す

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エマ「OK。深夜になったら部屋に入って犯人が眠ってるか確認して」
手袋をしたエマ、何かが入っている黒色のゴミ袋を持っている

エマ「眠ってたら犯人の姿に変身して、このゴミ袋を持ったまま部屋から出てきて」
ゴミ袋をセンタに見せるエマ

センタ「・・・」

エマ「あとはゴミ袋を持ち歩いてゴミ捨て場に捨てる」

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センタ「まさか・・・証拠を捏造する気ですか?」

エマ「これしかないの。あいつを罰する方法は」

センタ「そのゴミ袋の中に証拠となるものが入ってるんですね」

エマ「ええ。捜査資料から抜き取った被害者の骨が入ってるわ」

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センタ「捏造した証拠を裁判で使うなんて・・・」

エマ「不正な手段で裁判の判決を変えてくる相手よ?」
エマ「だったら捏造してでも言い逃れできない証拠をつくるしかない」

センタ「・・・」

エマ「ここでセンタがやらなければ新たな犠牲者が出るわ」

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〇アパート 共用廊下(深夜)

ゴミ袋を持って歩く透明化したセンタ

センタ(・・・本当にこれでいいのか?)

センタ、205号室の前で立ち止まる

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葛藤する表情を浮かべるセンタ
センタ(あいつは間違いなく犯人・・・)

エマの姿が思い浮かぶ
エマのセリフ「ここでセンタがやらなければ新たな犠牲者が出るわ」

決意した表情を浮かべるセンタ
センタ(やろう!)

センタ、透過を使用して玄関のドアをすり抜けていく

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〇車内(深夜)

警察用の特殊なビデオカメラを使用してジャックの部屋の玄関のドアを撮影しているエマ

音を立てないように玄関のドアを開けて出てくるジャックの姿に変身したセンタが見える

ゴミ捨て場まで行ってゴミ袋を捨てるジャックの姿のセンタが映像で記録されている

エマ(生体IDまで一致する変身能力・・・証拠として完璧だわ)
ジャックの姿に変身しているセンタの映像にジャックの生体IDが表示されている

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〇ゴミ捨て場(深夜)

黒色のゴミ袋の中から被害者の骨を取り出して、ビデオカメラで撮影しているエマ

撮影を終えたエマ、車に向かって歩き始める

センタの顔を思い浮かべるエマ
エマ(センタの能力を使えば簡単に刑事として多くの功績を立てられる)

エマ(それは完全な世界の実現につながる!)

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エマ(そのためにもセンタを私の傀儡にする必要があるわ)

自分の胸の谷間を見るエマ
エマ(さっきも私の胸をチラ見してたし、お色気攻撃はセンタに有効みたい)

エマ(私なしじゃ生きていけいないくらい惚れさせて、センタを骨抜きにする!)

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〇車内(深夜)

窓をノックする音が聞こえる

運転席に座ってるエマ、助手席を見る

透明化を解除したセンタが助手席に姿を現す

センタ「言われた通りにやりましたよ」

エマ「次はアリバイ工作に関わった連中を騙すわよ」

センタ「・・・」

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車を発進させるエマ

エマ「これから犯人の仲間がいる場所に行く」
エマ「そこで犯人の姿に変身してアリバイ工作したことを仲間にしゃべらせて」

センタ「難しそうですね」

エマ「大丈夫。私が言ったとおりに話せばいいだけだから」

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駐車場(深夜)

車に向かって歩いているエマとセンタ
センタ「ちゃんと演じれてましたか?」

エマ「ばっちりよ。これで明日にでも法廷で奴を潰せるわ」

眠気を感じて、あくびをするセンタ

エマ「あとは裁判の手続きをするだけだから車の中で眠っていいわよ」

センタ「そうさせてもらいます」

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〇車内(深夜)

運転席に座るエマ

助手席に座って目を瞑り、眠ろうとするセンタ
センタ(・・・異世界に転生して俺は何やってんだろ)

センタ(本当にルーナさんに協力することは正しいことなのか?)

眠ってしまうセンタ

悪そうな笑みを浮かべたエマ、センタの寝顔を見つめる

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〇アパート 共用廊下(昼)

ジャックの部屋の前に立つエマとセンタ

玄関のドアを開けるジャック
ジャック「何の用だよ!?」

エマ「今から裁判所に行くわよ」
裁判の書類を右手に掲げてジャックに見せるエマ

エマを睨むジャック
ジャック「しつけえな、てめぇは負けたんだよ!」

にやりと笑うエマ
エマ「今回は勝つ! 奈落の底に突き落としてあげるわ」

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〇裁判所 法廷(昼)

傍聴席に座っているセンタ

警察席に座るエマ

被告人席に座るジャック

ジャック「決定的な証拠ってのを見せてみろよ!」

エマ「ええ。見せてあげるわ」

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エマ「裁判長、被告人は昨日の深夜、ゴミ捨て場にゴミ袋を捨ててます」

ジャック「はあ?」

エマ「そのゴミ袋の中に被害者の骨が入っていました」

裁判長、手元の資料を見る

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ジャック「警察が嘘ついてんじゃねぇよ。昨日俺はゴミなんか捨ててねえ」

エマ「証拠の映像もあります」

ジャック「は?」

ゴミ捨て場に向かって歩くジャックの姿に変身したセンタの映像が法廷で流れる

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映像を見るジャック
ジャック「!?」

席から立ち上がるジャック

ゴミ袋を捨てるジャックの姿に変身したセンタの映像を見ている裁判長

ジャック「何だよ、これ・・・知らねえよ! 合成だろうが!?」

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エマ「警察の専門機関に解析させて合成でないことは証明済みです」

エマ「間違いなく昨日の深夜の映像であることは資料を見てもらえればわかるはず」

裁判長、映像解析の証明書を見る

ジャック「そんなわけあるか! 昨日の夜、俺は外に一歩も出てねえ!!」

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馬鹿にしたように笑うエマ
エマ「それを証明できるの? 部屋に防犯カメラでも設置してるとか」

ジャック「自分の部屋の中に防犯カメラを設置する奴なんかいねえだろ!」

エマ「私は設置してるわよ?」

ジャック「・・・俺には事件に関わってないアリバイがあるだろうが!」

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エマ「被告人の仲間が偽りの証言をした証拠も得ました」

ジャック「なっ!?」

隠し撮りした映像を再生するエマ

歩道で話しているジャックの姿に変身したセンタとジャックの仲間の映像が流れ始める

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変身したセンタ「子供を殺した件でアリバイ工作してくれた人たちにお礼を言いたくて」

仲間「礼なんか言わなくていいよ。つーか、外でそういう話するなよ」
警戒した様子で周囲を見回す仲間

スクリーンに映った動画が終了する

エマ「よって、アリバイは事実じゃありません」

ジャック「全部合成された映像だ!!」
怒鳴るジャック

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席から立ち上がるエマ

エマ「裁判長、被告人が主張していることは・・・全て嘘です」

冷や汗を浮かべている裁判長

裁判長「・・・決定的な証拠が出たので、被告人を死刑に処す」

センタ「し、死刑!?」
驚いた表情になるセンタ

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ジャック「てめぇ、殺してやる!」
エマに向かって走るジャック

警備員に取り押さえられるジャック

エマ、床に倒されているジャックのもとまで歩いていく

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エマ「ざまあみろ」
ジャックを見下ろし、笑んでペロッと舌を出すエマ

ジャック「くっそおおおおー!!」

エマ、勝ち誇ったような笑みを浮かべて立ち去っていく

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ジャック「うわあああぁぁぁ!!」
絶叫するジャック

センタ(俺が死刑にしたようなもんだ・・・)
浮かない表情になるセンタ

センタ(嫌な気分だな)
傍聴席から立ち上がって法廷を出ようとするセンタ

立ち止まるセンタ
センタ(相手は殺人犯だ。でも・・・)

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自分の手を見つめるセンタ
センタ(証拠の捏造とか悪いことをして間接的に人の命を奪うことに加担するのは・・・)

法廷を出るために再び歩きだすセンタの後ろ姿
センタ(どうなんだろう?)

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〇裁判所 廊下(昼)

歩いているエマ

エマ(完全な世界の実現への第一歩よ!)
嬉しそうな表情のエマ

センタの姿を見つけるエマ
エマ「センタ!」

沈んだ表情のセンタ
センタ「1日で裁判が終わるんですね」

エマ「あたりまえでしょ。決定的な証拠があるんだから」

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エマ、センタに抱き着いて体を密着させる

エマ「センタのおかげよ、ありがとう!」

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センタ「ルーナさん!?」
顔を赤らめるセンタ

エマ(この男は私のものよ)

エマ「これからもよろしくね、センタ」
悪そうな笑みを浮かべてセンタの耳元で囁くエマ