<<page1>>
〇街(昼)
別の小道を覆っている煙幕を見ているセンタ
人々「誰か警察に連絡しろ!」
センタ「・・・」
〇回想突入 センタが過去の出来事を思い出す
<<page2>>
〇回想 マンション エマの部屋
話しているエマとセンタ
エマ「透明化などの能力が私以外の人間にバレたら終わりだと思って」
センタ「なんでですか?」
エマ「そんなことができる人間がいると警察に通報されて捕まるからよ」
<<page3>>
センタ「特殊能力を持ってるだけで罪になるんですか?」
エマ「罪には問われないけど、秘密裏に消される」
センタ「殺されるってことですか?」
エマ「あたりまえよ。センタの3つの能力はいくらでも悪事に利用できるからね」
<<page4>>
エマ「眠らせられて連れていかれ、能力の秘密を解明するために解剖されて終わりよ」
センタ「そんな・・・」
エマ「センタの能力のことを通報すれば、警察から莫大な謝礼金をもらえる」
<<page5>>
エマ「大金が手に入るチャンスが目の前にくれば、大抵の人は平静を保てなくなる」
センタ「ルーナさんは・・・」
エマ「私はお金よりも正義のためにセンタが必要だから秘密にしてるの」
エマ「だから、どんなにいい人に思えても、転生や能力のことを絶対に誰にも話してはダメ」
エマ「いい人のように人前で取り繕ってる人間も余裕がなくなれば本当の姿を見せるわ」
〇回想終了
<<page6>>
〇街(昼)
煙で覆われている小道を見つめるセンタ
センタの頭の中にフラーの姿が思い浮かぶ
ふわりとした天然そうなフラーの姿
センタに銃口を向けたマジ顔のフラーの姿
センタ「・・・」
<<page7>>
〇街(昼)
走ってエマのマンションに向かっているセンタ
〇フラッシュバック
フラーを尾行することについて話しているエマの姿
エマ「フラーが犯罪組織に情報を売ってるとしたら、センタの能力に気づかれるとヤバイわ」
エマ「お金のために、その情報を警察に売る可能性が高いからね」
〇フラッシュバック終了
〇街(昼)
走りながら目を固く瞑るセンタ
センタ(まだ、そうと決まったわけじゃない!)
<<page8>>
〇マンション エマの部屋(昼)
リビングに入ってくるセンタ
椅子に座っているエマ
センタ「緊急事態って?」
エマ「私の命を狙う内容の脅迫状が警察署に届いたらしい」
エマ「不安になったからセンタに近くにいてほしくて連絡したの」
エマ「でも、いたずらだったみたい。ごめんね」
センタ「そっか」
<<page9>>
エマ「フラーの尾行はどうだった?」
センタ「尾行は気づかれて失敗した」
エマ「そう・・・尾行の映像を見せて」
ビデオカメラをエマに渡すセンタ
エマ(犯罪証拠を見つけるためでもないのに同じ映像を二度も見るのは、時間の無駄ね)
<<page10>>
フラーの映像を見終わるエマとセンタ
エマ「フラーが裏表のある女だということがわかったでしょ?」
センタ「・・・」
エマ「銃を構えた時に見せた姿が本当のフラーよ」
<<page11>>
エマ「刑事室で私がミーティングをしてる最中にセンタはフラーと話したでしょ?」
エマ「あの時、実はフラーの姿が私には見えてなかったわ」
センタ「!」
エマ「あの女は私の死角に立ってセンタに話しかけてたの」
センタ(・・・あの時、エマは鎌をかけたのか)
<<page12>>
エマ「油断できない本当に計算高い女よ」
センタ「・・・」
センタの脳裏にフラーの姿がよぎる
検出器や簡易探知機をセンタに使うフラーの姿
『それにエマの裏をかくことにも利用できるので』と言ったフラーの姿
トイレで個室の鍵を外からかけているフラーの姿
エマ「フラーのことは信用しない方がいい」
<<page13>>
エマ「尾行が気づかれた原因は音ね」
センタ「・・・尾行って難しいな」
エマ「今回、急な任務だったからセンタは尾行の訓練を受けてないし、しょうがないわ」
エマ「どれくらい距離をとれば、尾行対象者に足音を聞かれないのかわからないわよね」
<<page14>>
センタ「足音は気をつけてたんだけど・・・」
エマ「それでもフラーは気づくことができるのよ」
エマ「いくら姿を透明にできても素人の尾行じゃダメってこと」
エマ「だから今から私と一緒に尾行の訓練をするわよ」
エマ「次はフラーへの尾行を成功させるためにね」
<<page15>>
センタ「またフラーさんを尾行するのか・・・」
エマ「今回の尾行ではフラーが白か黒なのかわからなかった」
エマ「白黒はっきりするまで尾行を続けることになるわ」
エマ「次にフラーが犯罪組織の人間と接触するのが明日の可能性もある」
エマ「その情報が警察から入り次第、フラーを尾行しなくちゃいけない」
エマ「だから今から尾行の訓練を始めるわよ」
<<page16>>
センタに背を向けるエマ
エマ(今回の尾行ではセンタにフラーを幻滅させることまではできなかったけど・・・)
エマ、フラーのマジ顔を思い浮かべる
エマ(少なくとも、あの女に対して疑念を抱いたはず)
悪そうな笑みを浮かべるエマ
エマ(次はセンタの尾行技術を完璧に仕上げて、今度こそ幻滅させてみせる!)
<<page17>>
センタを見るエマ
エマ「昨日も言ったけど、尾行がフラーにバレたと感じたら絶対に尾行を中止すること」
エマ「フラーが走ったら絶対に追いかけちゃダメ」
エマ「走って追いかける足音で透明化の能力がバレる可能性があるからね」
センタ「ああ」
<<page18>>
エマ「じゃあ今から一緒に外に出て、透明化と透過を使用しながら私を尾行して」
エマ「あとでセンタの尾行の問題点を指摘してあげるわ」
エマ「尾行する音が聞こえたら、私が右手を挙げる」
エマ「その場合は尾行の距離を調整して」
エマ「私が左手を挙げたら尾行は終了。即帰宅よ」
<<page19>>
〇街(夕方)
尾行の訓練をしているエマとセンタの姿
右手を挙げるエマの姿
〇街(夜)
左手を挙げるエマの姿
<<page20>>
〇マンション エマの部屋(夜)
尾行技術についてセンタに話し終わるエマ
エマ「これで一通りの尾行訓練は終了よ」
エマ「少なくとも私には気づかれないレベルの尾行技術は身につけられたわね」
センタ「ああ」
エマ(これで次の私とフラーの休日が重なる日にセンタにフラーを尾行させればOK)
エマ「さっき警察から連絡があって、明日は重要な任務に就くことになった」
<<page21>>
エマ「政府関係者の護衛任務よ」
センタ「今度は護衛か。この世界の刑事って色々な仕事をやるんだな」
エマ「ええ。他にも殲滅任務・潜入任務・破壊工作任務とかに就くこともあるわよ」
センタ「へえ」
<<page22>>
エマ「明日の任務は、最近の私の活躍を見てくれた政府関係者が私を指名してくれたの」
エマ「だから絶対に失敗できないわ」
エマ「明日は朝から刑事のミーティングがあるから、それが終わったら護衛任務開始よ」
センタ(ミーティング・・・)
〇回想に突入 センタが昨日の昼の出来事を思い出す
<<page23>>
〇回想 裁判所 外の敷地
話しているセンタとフラーの姿
フラー「もっとセンタさんと一緒に過ごしたいです」
センタ「俺もフラーさんと過ごしたいです」
フラー「エマが刑事のミーティングに参加してる時にアタシと会いませんか?」
センタ「え?」
<<page24>>
フラー「エマの家に住ませてもらってるから勝手に外出できないんですよね?」
センタ「・・・はい」
フラー「じゃあ、アタシがセンタさんの住む家を用意しましょうか?」
センタ「・・・」
フラー「そうすれば、外出がエマにバレて家を追い出されたとしても大丈夫ですよね」
フラー「まあ、エマがセンタさんを追い出すことなんてないと思いますけど」
フラー「センタさんを誰にも奪われないように睡眠薬まで飲ませるんですから」
<<page25>>
センタ(でも、転生者の俺が家を借りるための書類を用意できるかわからないしな・・・)
フラー「なんなら、アタシの家に住んでもいいですよ?」
センタ「え!?」
フラー「センタさんがよければですけど・・・」
センタ(それなら何も問題ないな)
センタ(それにフラーさんと二人暮らし・・・)
<<page26>>
フラー「いくら住む場所を提供してるからといって、外出を禁止するのはおかしいです」
フラー「アタシはセンタさんが一人で外出することを禁止したりしませんよ」
フラー「どうです?」
フラー「次のエマが刑事ミーティングに参加する日、アタシと会いませんか?」
センタ(どうする・・・・)
<<page27>>
考えている表情のセンタを見つめるフラー
フラー「・・・今すぐに決めるのは難しいですよね」
地図をセンタに渡すフラー
フラー「アタシと会うなら、エマがミーティングの日、この丸がついた場所に来てください」
地図にはエマのマンションの近くの場所が丸で囲まれている
フラー「そこにアタシが車を停めて待ってます」
<<page28>>
フラー「エマは部屋の中や外に隠しカメラを設置してるはずです」
フラー「だから発信機付きの携帯を家に置いて外出しても十中八九バレます」
フラー「なのでミーティングの時間に外を歩きたいと強く主張するのがいいと思います」
センタ「・・・そうですね」
<<page29>>
フラー「エマのミーティングがある日をアタシは把握してるので、事前の連絡は不要です」
フラー「センタさんが来たい日に、そこの場所に来てください」
フラー「アタシは待ってるので」
センタ「・・・わかりました」
〇回想終了
<<page30>>
〇マンション エマの部屋(夜)
エマが明日の予定についてセンタに話している
センタ「・・・」
センタの脳裏にフラーの姿がよぎる
ふわりとした笑みを浮かべるフラーの姿
拳銃を構えた時のマジ顔のフラーの姿
センタ(・・・フラーさんと話したい)
<<page31>>
エマ「護衛任務ではセンタに拳銃を―――」
センタ「明日のエマがミーティングに参加してる時間、俺は外に行きたい」
エマの言葉を遮って言うセンタ
エマ「え?」
エマ「言ったわよね。外でセンタが一人で警察に職務質問されたらアウトって」
センタ「外にいる間は、ずっと透明化を解除しないで行動するよ」
<<page32>>
エマ(まずいわね・・・家で待機させる理由がない)
エマ(でも、なんで急に外に行きたがるの?)
エマ(・・・発信機付きの携帯電話さえ持たせていれば、センタの行動を把握できる)
エマ(センタの目的を知るためにも許可してみるしか・・・)
エマ「わかったわ。ただし、私と連絡がとれるように携帯電話は持って行って」
センタ「ああ」
センタ(明日、フラーさんと会って話せそうだ)
〇街(昼)
別の小道を覆っている煙幕を見ているセンタ
人々「誰か警察に連絡しろ!」
センタ「・・・」
〇回想突入 センタが過去の出来事を思い出す
<<page2>>
〇回想 マンション エマの部屋
話しているエマとセンタ
エマ「透明化などの能力が私以外の人間にバレたら終わりだと思って」
センタ「なんでですか?」
エマ「そんなことができる人間がいると警察に通報されて捕まるからよ」
<<page3>>
センタ「特殊能力を持ってるだけで罪になるんですか?」
エマ「罪には問われないけど、秘密裏に消される」
センタ「殺されるってことですか?」
エマ「あたりまえよ。センタの3つの能力はいくらでも悪事に利用できるからね」
<<page4>>
エマ「眠らせられて連れていかれ、能力の秘密を解明するために解剖されて終わりよ」
センタ「そんな・・・」
エマ「センタの能力のことを通報すれば、警察から莫大な謝礼金をもらえる」
<<page5>>
エマ「大金が手に入るチャンスが目の前にくれば、大抵の人は平静を保てなくなる」
センタ「ルーナさんは・・・」
エマ「私はお金よりも正義のためにセンタが必要だから秘密にしてるの」
エマ「だから、どんなにいい人に思えても、転生や能力のことを絶対に誰にも話してはダメ」
エマ「いい人のように人前で取り繕ってる人間も余裕がなくなれば本当の姿を見せるわ」
〇回想終了
<<page6>>
〇街(昼)
煙で覆われている小道を見つめるセンタ
センタの頭の中にフラーの姿が思い浮かぶ
ふわりとした天然そうなフラーの姿
センタに銃口を向けたマジ顔のフラーの姿
センタ「・・・」
<<page7>>
〇街(昼)
走ってエマのマンションに向かっているセンタ
〇フラッシュバック
フラーを尾行することについて話しているエマの姿
エマ「フラーが犯罪組織に情報を売ってるとしたら、センタの能力に気づかれるとヤバイわ」
エマ「お金のために、その情報を警察に売る可能性が高いからね」
〇フラッシュバック終了
〇街(昼)
走りながら目を固く瞑るセンタ
センタ(まだ、そうと決まったわけじゃない!)
<<page8>>
〇マンション エマの部屋(昼)
リビングに入ってくるセンタ
椅子に座っているエマ
センタ「緊急事態って?」
エマ「私の命を狙う内容の脅迫状が警察署に届いたらしい」
エマ「不安になったからセンタに近くにいてほしくて連絡したの」
エマ「でも、いたずらだったみたい。ごめんね」
センタ「そっか」
<<page9>>
エマ「フラーの尾行はどうだった?」
センタ「尾行は気づかれて失敗した」
エマ「そう・・・尾行の映像を見せて」
ビデオカメラをエマに渡すセンタ
エマ(犯罪証拠を見つけるためでもないのに同じ映像を二度も見るのは、時間の無駄ね)
<<page10>>
フラーの映像を見終わるエマとセンタ
エマ「フラーが裏表のある女だということがわかったでしょ?」
センタ「・・・」
エマ「銃を構えた時に見せた姿が本当のフラーよ」
<<page11>>
エマ「刑事室で私がミーティングをしてる最中にセンタはフラーと話したでしょ?」
エマ「あの時、実はフラーの姿が私には見えてなかったわ」
センタ「!」
エマ「あの女は私の死角に立ってセンタに話しかけてたの」
センタ(・・・あの時、エマは鎌をかけたのか)
<<page12>>
エマ「油断できない本当に計算高い女よ」
センタ「・・・」
センタの脳裏にフラーの姿がよぎる
検出器や簡易探知機をセンタに使うフラーの姿
『それにエマの裏をかくことにも利用できるので』と言ったフラーの姿
トイレで個室の鍵を外からかけているフラーの姿
エマ「フラーのことは信用しない方がいい」
<<page13>>
エマ「尾行が気づかれた原因は音ね」
センタ「・・・尾行って難しいな」
エマ「今回、急な任務だったからセンタは尾行の訓練を受けてないし、しょうがないわ」
エマ「どれくらい距離をとれば、尾行対象者に足音を聞かれないのかわからないわよね」
<<page14>>
センタ「足音は気をつけてたんだけど・・・」
エマ「それでもフラーは気づくことができるのよ」
エマ「いくら姿を透明にできても素人の尾行じゃダメってこと」
エマ「だから今から私と一緒に尾行の訓練をするわよ」
エマ「次はフラーへの尾行を成功させるためにね」
<<page15>>
センタ「またフラーさんを尾行するのか・・・」
エマ「今回の尾行ではフラーが白か黒なのかわからなかった」
エマ「白黒はっきりするまで尾行を続けることになるわ」
エマ「次にフラーが犯罪組織の人間と接触するのが明日の可能性もある」
エマ「その情報が警察から入り次第、フラーを尾行しなくちゃいけない」
エマ「だから今から尾行の訓練を始めるわよ」
<<page16>>
センタに背を向けるエマ
エマ(今回の尾行ではセンタにフラーを幻滅させることまではできなかったけど・・・)
エマ、フラーのマジ顔を思い浮かべる
エマ(少なくとも、あの女に対して疑念を抱いたはず)
悪そうな笑みを浮かべるエマ
エマ(次はセンタの尾行技術を完璧に仕上げて、今度こそ幻滅させてみせる!)
<<page17>>
センタを見るエマ
エマ「昨日も言ったけど、尾行がフラーにバレたと感じたら絶対に尾行を中止すること」
エマ「フラーが走ったら絶対に追いかけちゃダメ」
エマ「走って追いかける足音で透明化の能力がバレる可能性があるからね」
センタ「ああ」
<<page18>>
エマ「じゃあ今から一緒に外に出て、透明化と透過を使用しながら私を尾行して」
エマ「あとでセンタの尾行の問題点を指摘してあげるわ」
エマ「尾行する音が聞こえたら、私が右手を挙げる」
エマ「その場合は尾行の距離を調整して」
エマ「私が左手を挙げたら尾行は終了。即帰宅よ」
<<page19>>
〇街(夕方)
尾行の訓練をしているエマとセンタの姿
右手を挙げるエマの姿
〇街(夜)
左手を挙げるエマの姿
<<page20>>
〇マンション エマの部屋(夜)
尾行技術についてセンタに話し終わるエマ
エマ「これで一通りの尾行訓練は終了よ」
エマ「少なくとも私には気づかれないレベルの尾行技術は身につけられたわね」
センタ「ああ」
エマ(これで次の私とフラーの休日が重なる日にセンタにフラーを尾行させればOK)
エマ「さっき警察から連絡があって、明日は重要な任務に就くことになった」
<<page21>>
エマ「政府関係者の護衛任務よ」
センタ「今度は護衛か。この世界の刑事って色々な仕事をやるんだな」
エマ「ええ。他にも殲滅任務・潜入任務・破壊工作任務とかに就くこともあるわよ」
センタ「へえ」
<<page22>>
エマ「明日の任務は、最近の私の活躍を見てくれた政府関係者が私を指名してくれたの」
エマ「だから絶対に失敗できないわ」
エマ「明日は朝から刑事のミーティングがあるから、それが終わったら護衛任務開始よ」
センタ(ミーティング・・・)
〇回想に突入 センタが昨日の昼の出来事を思い出す
<<page23>>
〇回想 裁判所 外の敷地
話しているセンタとフラーの姿
フラー「もっとセンタさんと一緒に過ごしたいです」
センタ「俺もフラーさんと過ごしたいです」
フラー「エマが刑事のミーティングに参加してる時にアタシと会いませんか?」
センタ「え?」
<<page24>>
フラー「エマの家に住ませてもらってるから勝手に外出できないんですよね?」
センタ「・・・はい」
フラー「じゃあ、アタシがセンタさんの住む家を用意しましょうか?」
センタ「・・・」
フラー「そうすれば、外出がエマにバレて家を追い出されたとしても大丈夫ですよね」
フラー「まあ、エマがセンタさんを追い出すことなんてないと思いますけど」
フラー「センタさんを誰にも奪われないように睡眠薬まで飲ませるんですから」
<<page25>>
センタ(でも、転生者の俺が家を借りるための書類を用意できるかわからないしな・・・)
フラー「なんなら、アタシの家に住んでもいいですよ?」
センタ「え!?」
フラー「センタさんがよければですけど・・・」
センタ(それなら何も問題ないな)
センタ(それにフラーさんと二人暮らし・・・)
<<page26>>
フラー「いくら住む場所を提供してるからといって、外出を禁止するのはおかしいです」
フラー「アタシはセンタさんが一人で外出することを禁止したりしませんよ」
フラー「どうです?」
フラー「次のエマが刑事ミーティングに参加する日、アタシと会いませんか?」
センタ(どうする・・・・)
<<page27>>
考えている表情のセンタを見つめるフラー
フラー「・・・今すぐに決めるのは難しいですよね」
地図をセンタに渡すフラー
フラー「アタシと会うなら、エマがミーティングの日、この丸がついた場所に来てください」
地図にはエマのマンションの近くの場所が丸で囲まれている
フラー「そこにアタシが車を停めて待ってます」
<<page28>>
フラー「エマは部屋の中や外に隠しカメラを設置してるはずです」
フラー「だから発信機付きの携帯を家に置いて外出しても十中八九バレます」
フラー「なのでミーティングの時間に外を歩きたいと強く主張するのがいいと思います」
センタ「・・・そうですね」
<<page29>>
フラー「エマのミーティングがある日をアタシは把握してるので、事前の連絡は不要です」
フラー「センタさんが来たい日に、そこの場所に来てください」
フラー「アタシは待ってるので」
センタ「・・・わかりました」
〇回想終了
<<page30>>
〇マンション エマの部屋(夜)
エマが明日の予定についてセンタに話している
センタ「・・・」
センタの脳裏にフラーの姿がよぎる
ふわりとした笑みを浮かべるフラーの姿
拳銃を構えた時のマジ顔のフラーの姿
センタ(・・・フラーさんと話したい)
<<page31>>
エマ「護衛任務ではセンタに拳銃を―――」
センタ「明日のエマがミーティングに参加してる時間、俺は外に行きたい」
エマの言葉を遮って言うセンタ
エマ「え?」
エマ「言ったわよね。外でセンタが一人で警察に職務質問されたらアウトって」
センタ「外にいる間は、ずっと透明化を解除しないで行動するよ」
<<page32>>
エマ(まずいわね・・・家で待機させる理由がない)
エマ(でも、なんで急に外に行きたがるの?)
エマ(・・・発信機付きの携帯電話さえ持たせていれば、センタの行動を把握できる)
エマ(センタの目的を知るためにも許可してみるしか・・・)
エマ「わかったわ。ただし、私と連絡がとれるように携帯電話は持って行って」
センタ「ああ」
センタ(明日、フラーさんと会って話せそうだ)