<<page1>>
〇イメージ
ナレーション『記憶喪失転生』
一人の人間が自分の両手を見つめているような絵
ナレーション『それは、自分の顔や名前などの記憶を失って転生することである』
向き合っている美青年と美女の姿
ナレーション『「記憶喪失転生した男」と「悪人を許さない女」の出会いは運命だったのか?』
<<page2>>
〇裁判所 法廷(夜)
警察席に座っているエマ・ルーナ(24)
エマは容姿が美しく、スタイル抜群だ
被告人席に座っているジャック・ギニウス(25)
遺族が傍聴席に座っている
エマ「裁判長、判決をお願いします」
<<page3>>
裁判長「警察の資料は決定的な殺人の証拠にならない」
裁判長「よって、被告人を無罪放免とする」
エマ「なんでっ!?」
予想外の判決を聞いて、驚いた表情で立ち上がるエマ
エマ「!」
何かを察したような表情になり、ジャックと視線を合わすエマ
ジャック、馬鹿にするような顔をエマに見せる
絶望したような表情になるエマ
泣き叫ぶ遺族
<<page4>>
〇路地裏(夜)
雨が降る中、段差に一人で座って泣いているエマ
ナレーション『この世界は不完全だ』
すすり泣くエマ
ナレーション『悪が正義に勝利する』
馬鹿にしたようなジャックの顔が思い浮かぶ
ナレーション『善良な人間を殺した悪人が罰を受けずに日常を謳歌する』
高級な酒が注がれたグラスを手に持って笑い合う権力者たちの姿が思い浮かぶ
ナレーション『絶対にあってはいけないことが現実になってしまうのだから』
<<page5>>
降り注ぐ雨を虚ろな目で見つめているエマ
ナレーション『この不完全な世界を壊せるのなら、完全な世界をつくれるのなら』
ナレーション『私はどんなことでもするだろう』
再びエマの瞳から一滴の涙がこぼれる
ナレーション『だけど私の力では世界を変えられない』
突如、まぶしい光がエマの顔を照らす
エマ「!?」
<<page6~page7 見開き>>
エマの前方に光り輝きながら男が現れる
<<page8>>
衝撃を受けた表情を浮かべるエマ
エマ「・・・」
男の体を纏う光が徐々に消えていく
混乱した表情で周囲を見回している男
エマ「・・・あなた、何者なの?」
<<page9>>
男、エマを見る
男「俺は・・・」
自分自身について思い出そうと額に手を当てる男
男(・・・何も思い出せない)
男「記憶がない」
<<page10>>
エマ「科学じゃ説明できないような現れ方してたけど・・・」
男「俺にもわかりません・・・ここって、地球ですよね?」
エマ「ちきゅう?」
エマの返答を聞いて、何かを悟ったような表情になる男
<<page11>>
男「俺は、この世界の人間じゃない」
エマ「・・・」
ナレーション『なぜか私には、この男が神様からの贈り物のように思えた』
<<page12>>
〇マンション エマの部屋(夜)
席に座って向き合っているエマと男
コーヒーの入ったカップがテーブルに置いてある
エマ「思い出せるのは地球という惑星についての情報のみ」
男「はい。自分に関する記憶は何も思い出せません」
エマ「自分のことを『俺』と言ってたから、地球でも男だったんじゃない?」
男「そうですね」
<<page13>>
エマ「なんで転生したってわかるの?」
男「自分の顔を覚えてないけど、この顔じゃなかったことは何となくわかるんです」
奥にある化粧台の鏡にうつる美青年の姿をした自分を見る男
エマ「この世界の言葉を話せるのは何で?」
男「さあ? なぜなんでしょうね」
エマ「何か特別な力を持ってる?」
<<page14>>
男「地球の人間にはできないようなことができます」
エマ「どんなこと?」
男「透明化」
透明になる男
エマ「!?」
驚いた表情になるエマ
男、透明化を解除する
<<page15>>
男「透過」
目の前に置いてあるカップをすり抜ける男の手
エマ「!!」
男「変身」
男、エマの姿に変身する
エマ「っ・・・」
元の姿にもどる男
<<page16>>
男「この3つの能力を転生で得られたことが、なぜかわかりました」
エマ「凄すぎる・・・どれも非現実的な力だわ」
衝撃を受けた表情を浮かべているエマ
エマ(この男の能力を利用すれば、完全な世界をつくれる!)
興奮した様子で身を乗り出すエマ
エマ「私のパートナーになってくれない!?」
男「え?」
<<page17>>
男「パートナーって?」
エマ「私は警察官なの」
エマ「捜査協力者になって力を貸してほしい!」
男「・・・」
エマ「私と一緒にいれば、いいことあるわよ」
胸の谷間を強調して色っぽいポーズをとるエマ
<<page18>>
男、思わずエマの胸の谷間を凝視する
くすりと笑うエマ
男「・・・わかりました」
エマ「決まり! 自己紹介がまだだったわね」
<<page19>>
席から立ち上がるエマ
エマ「私の名前はエマ・ルーナ」
男「・・・ルーナさん」
エマ「あなたの名前を私が決めてもいい?」
男「はい」
エマ「あなたの名前はセンタ・ワトソン」
男「・・・センタ・ワトソン」
<<page20>>
エマ「100年前に活躍した伝説の男刑事の名前よ」
エマ「私が憧れてる刑事なの」
エマ「センタ、これからよろしくね」
センタ「よろしくお願いします、ルーナさん」
<<page21>>
〇エマのマンションの駐車場(夜)
車に向かって歩くエマとセンタ
センタ「今からどこに行くんですか?」
エマ「殺人犯の家」
センタ「え?」
<<page22>>
エマ「今日、私が裁判で争った犯人の家に行く」
センタ「警察官が裁判で争うんですか?」
エマ「そうよ。地球は違うの?」
センタ「・・・違ったと思います」
<<page23>>
〇車内(夜)
エマ、運転席に座る
助手席に座るセンタ
車が発進する
センタ「どんな事件ですか?」
<<page24>>
エマ「子供が殺害されて、白骨化した状態で発見されたの」
センタ「酷いですね」
エマ「犯人の指紋などの証拠があって、勝てる裁判だったけど、私は敗れた」
センタ「なぜですか?」
エマ「おそらく、犯人には資産家か権力者の知り合いがいるからよ」
<<page25>>
センタ「それが?」
エマ「もしそうなら裁判長をお金で買収したり、権力で裁判に圧力をかけたりできるのよ」
センタ「じゃあ、資産家や権力者は裁判で負けることがないんですか?」
エマ「犯罪行為の映像とか、言い逃れできない決定的な証拠があれば罰することができる」
<<page26>>
エマ「今回、犯行の映像証拠までは手に入れられなかった」
エマ「それで犯人の仲間のアリバイ工作が認められて、無罪の判決になったの」
センタ「これから犯人の家に行く目的は・・・」
エマ「犯罪の証拠を手に入れるためよ」
<<page27>>
エマ、ジャックの馬鹿にするような顔を思い出す
ハンドルを強く握りしめるエマ
エマ「ふふっ」
センタ、エマの顔を見る
エマ(センタの力があれば、いくらでも!)
センタ、エマの悪そうな笑みを見て、思わず唾を飲み込む
<<page28>>
センタ「・・・」
ナレーション『嫌な予感がした』
車の進む先に不気味な形をした雲
ナレーション『この先、とんでもない未来が待っている気がしたんだ』
<<page29>>
〇道路(夜)
エマとセンタを乗せた車が停車する
〇車内(夜)
センタ、前方にあるアパートを見る
エマ「205号室に行ってきて。透明化と透過の力を使ってね」
センタ「何のために?」
<<page30>>
エマ「犯人の部屋の中に防犯カメラが設置されているか確かめるため」
センタ「・・・無断で他人の家に入るのって、違法ですよね?」
にこっと笑みを浮かべるエマ
エマ「防犯カメラがなければ、犯人のアリバイを崩せるわ」
迷う表情を浮かべるセンタ
センタ「でも・・・」
<<page31>>
エマ「殺人犯を捕まえて被害者の無念を晴らすためよ」
センタ「・・・わかりました」
透明になって車をすり抜けていくセンタ
エマ(センタの能力を利用すれば、バレずに違法な手段を使えるわ)
エマ(完全な世界をつくるためにもセンタを私の虜にしておく必要がある)
胸元が見えるように服を調整するエマ
<<page32>>
〇アパート 共用廊下(夜)
ジャックの部屋へと歩いていくセンタ
センタ(今ならまだ引き返せる・・・どうする?)
ジャックの部屋の玄関の前に立つセンタ
エマの姿が思い浮かぶ
エマのセリフ「殺人犯を捕まえて被害者の無念を晴らすためよ」
センタ(・・・部屋の中を見るだけだ。そんなに悪いことじゃない)
玄関のドアをすり抜けていくセンタ
〇イメージ
ナレーション『記憶喪失転生』
一人の人間が自分の両手を見つめているような絵
ナレーション『それは、自分の顔や名前などの記憶を失って転生することである』
向き合っている美青年と美女の姿
ナレーション『「記憶喪失転生した男」と「悪人を許さない女」の出会いは運命だったのか?』
<<page2>>
〇裁判所 法廷(夜)
警察席に座っているエマ・ルーナ(24)
エマは容姿が美しく、スタイル抜群だ
被告人席に座っているジャック・ギニウス(25)
遺族が傍聴席に座っている
エマ「裁判長、判決をお願いします」
<<page3>>
裁判長「警察の資料は決定的な殺人の証拠にならない」
裁判長「よって、被告人を無罪放免とする」
エマ「なんでっ!?」
予想外の判決を聞いて、驚いた表情で立ち上がるエマ
エマ「!」
何かを察したような表情になり、ジャックと視線を合わすエマ
ジャック、馬鹿にするような顔をエマに見せる
絶望したような表情になるエマ
泣き叫ぶ遺族
<<page4>>
〇路地裏(夜)
雨が降る中、段差に一人で座って泣いているエマ
ナレーション『この世界は不完全だ』
すすり泣くエマ
ナレーション『悪が正義に勝利する』
馬鹿にしたようなジャックの顔が思い浮かぶ
ナレーション『善良な人間を殺した悪人が罰を受けずに日常を謳歌する』
高級な酒が注がれたグラスを手に持って笑い合う権力者たちの姿が思い浮かぶ
ナレーション『絶対にあってはいけないことが現実になってしまうのだから』
<<page5>>
降り注ぐ雨を虚ろな目で見つめているエマ
ナレーション『この不完全な世界を壊せるのなら、完全な世界をつくれるのなら』
ナレーション『私はどんなことでもするだろう』
再びエマの瞳から一滴の涙がこぼれる
ナレーション『だけど私の力では世界を変えられない』
突如、まぶしい光がエマの顔を照らす
エマ「!?」
<<page6~page7 見開き>>
エマの前方に光り輝きながら男が現れる
<<page8>>
衝撃を受けた表情を浮かべるエマ
エマ「・・・」
男の体を纏う光が徐々に消えていく
混乱した表情で周囲を見回している男
エマ「・・・あなた、何者なの?」
<<page9>>
男、エマを見る
男「俺は・・・」
自分自身について思い出そうと額に手を当てる男
男(・・・何も思い出せない)
男「記憶がない」
<<page10>>
エマ「科学じゃ説明できないような現れ方してたけど・・・」
男「俺にもわかりません・・・ここって、地球ですよね?」
エマ「ちきゅう?」
エマの返答を聞いて、何かを悟ったような表情になる男
<<page11>>
男「俺は、この世界の人間じゃない」
エマ「・・・」
ナレーション『なぜか私には、この男が神様からの贈り物のように思えた』
<<page12>>
〇マンション エマの部屋(夜)
席に座って向き合っているエマと男
コーヒーの入ったカップがテーブルに置いてある
エマ「思い出せるのは地球という惑星についての情報のみ」
男「はい。自分に関する記憶は何も思い出せません」
エマ「自分のことを『俺』と言ってたから、地球でも男だったんじゃない?」
男「そうですね」
<<page13>>
エマ「なんで転生したってわかるの?」
男「自分の顔を覚えてないけど、この顔じゃなかったことは何となくわかるんです」
奥にある化粧台の鏡にうつる美青年の姿をした自分を見る男
エマ「この世界の言葉を話せるのは何で?」
男「さあ? なぜなんでしょうね」
エマ「何か特別な力を持ってる?」
<<page14>>
男「地球の人間にはできないようなことができます」
エマ「どんなこと?」
男「透明化」
透明になる男
エマ「!?」
驚いた表情になるエマ
男、透明化を解除する
<<page15>>
男「透過」
目の前に置いてあるカップをすり抜ける男の手
エマ「!!」
男「変身」
男、エマの姿に変身する
エマ「っ・・・」
元の姿にもどる男
<<page16>>
男「この3つの能力を転生で得られたことが、なぜかわかりました」
エマ「凄すぎる・・・どれも非現実的な力だわ」
衝撃を受けた表情を浮かべているエマ
エマ(この男の能力を利用すれば、完全な世界をつくれる!)
興奮した様子で身を乗り出すエマ
エマ「私のパートナーになってくれない!?」
男「え?」
<<page17>>
男「パートナーって?」
エマ「私は警察官なの」
エマ「捜査協力者になって力を貸してほしい!」
男「・・・」
エマ「私と一緒にいれば、いいことあるわよ」
胸の谷間を強調して色っぽいポーズをとるエマ
<<page18>>
男、思わずエマの胸の谷間を凝視する
くすりと笑うエマ
男「・・・わかりました」
エマ「決まり! 自己紹介がまだだったわね」
<<page19>>
席から立ち上がるエマ
エマ「私の名前はエマ・ルーナ」
男「・・・ルーナさん」
エマ「あなたの名前を私が決めてもいい?」
男「はい」
エマ「あなたの名前はセンタ・ワトソン」
男「・・・センタ・ワトソン」
<<page20>>
エマ「100年前に活躍した伝説の男刑事の名前よ」
エマ「私が憧れてる刑事なの」
エマ「センタ、これからよろしくね」
センタ「よろしくお願いします、ルーナさん」
<<page21>>
〇エマのマンションの駐車場(夜)
車に向かって歩くエマとセンタ
センタ「今からどこに行くんですか?」
エマ「殺人犯の家」
センタ「え?」
<<page22>>
エマ「今日、私が裁判で争った犯人の家に行く」
センタ「警察官が裁判で争うんですか?」
エマ「そうよ。地球は違うの?」
センタ「・・・違ったと思います」
<<page23>>
〇車内(夜)
エマ、運転席に座る
助手席に座るセンタ
車が発進する
センタ「どんな事件ですか?」
<<page24>>
エマ「子供が殺害されて、白骨化した状態で発見されたの」
センタ「酷いですね」
エマ「犯人の指紋などの証拠があって、勝てる裁判だったけど、私は敗れた」
センタ「なぜですか?」
エマ「おそらく、犯人には資産家か権力者の知り合いがいるからよ」
<<page25>>
センタ「それが?」
エマ「もしそうなら裁判長をお金で買収したり、権力で裁判に圧力をかけたりできるのよ」
センタ「じゃあ、資産家や権力者は裁判で負けることがないんですか?」
エマ「犯罪行為の映像とか、言い逃れできない決定的な証拠があれば罰することができる」
<<page26>>
エマ「今回、犯行の映像証拠までは手に入れられなかった」
エマ「それで犯人の仲間のアリバイ工作が認められて、無罪の判決になったの」
センタ「これから犯人の家に行く目的は・・・」
エマ「犯罪の証拠を手に入れるためよ」
<<page27>>
エマ、ジャックの馬鹿にするような顔を思い出す
ハンドルを強く握りしめるエマ
エマ「ふふっ」
センタ、エマの顔を見る
エマ(センタの力があれば、いくらでも!)
センタ、エマの悪そうな笑みを見て、思わず唾を飲み込む
<<page28>>
センタ「・・・」
ナレーション『嫌な予感がした』
車の進む先に不気味な形をした雲
ナレーション『この先、とんでもない未来が待っている気がしたんだ』
<<page29>>
〇道路(夜)
エマとセンタを乗せた車が停車する
〇車内(夜)
センタ、前方にあるアパートを見る
エマ「205号室に行ってきて。透明化と透過の力を使ってね」
センタ「何のために?」
<<page30>>
エマ「犯人の部屋の中に防犯カメラが設置されているか確かめるため」
センタ「・・・無断で他人の家に入るのって、違法ですよね?」
にこっと笑みを浮かべるエマ
エマ「防犯カメラがなければ、犯人のアリバイを崩せるわ」
迷う表情を浮かべるセンタ
センタ「でも・・・」
<<page31>>
エマ「殺人犯を捕まえて被害者の無念を晴らすためよ」
センタ「・・・わかりました」
透明になって車をすり抜けていくセンタ
エマ(センタの能力を利用すれば、バレずに違法な手段を使えるわ)
エマ(完全な世界をつくるためにもセンタを私の虜にしておく必要がある)
胸元が見えるように服を調整するエマ
<<page32>>
〇アパート 共用廊下(夜)
ジャックの部屋へと歩いていくセンタ
センタ(今ならまだ引き返せる・・・どうする?)
ジャックの部屋の玄関の前に立つセンタ
エマの姿が思い浮かぶ
エマのセリフ「殺人犯を捕まえて被害者の無念を晴らすためよ」
センタ(・・・部屋の中を見るだけだ。そんなに悪いことじゃない)
玄関のドアをすり抜けていくセンタ