気づくと、【見慣れた景色】が広がっていた。
さっきも言ったように俺は異世界転生は初めてだ。
じゃあ何故このファンタジーな景色を見慣れているのか。
それはーーー
「ここ、オルオンの世界じゃねえかあああああ!?!?!? 」
街中の道のど真ん中に突っ立っていた俺は思わず叫んだ。
しかし幾ら似ているからといって同じ世界とは限らない。
けど俺の直感が知らせている。
ここは確実に【オルオン】の世界だと。
何百回、何千回とみたこの景色、間違いない。
王国の繁華街の中枢部だ。
プレイヤーが初めてログインした際にはここから物語が始まる。
いわゆる始まりの場所だ。
「ま、まじかよ……よりにもよってリーンたんはこの世界に転生させてくれたのか」
含みのある言い方をしていたのはこういうことだったのか。
自分の目で見て驚いて欲しかったのだろう。
初めて俺を驚かせれて、さぞ嬉しいことだろう。
(一コマだけシーンが変わって)
リーンたん
「やった……! やっっっと驚かせれた!! 」
思わずガッツポーズをしながら、長方形の半透明のウィンドウに映された映像を見ていた。
(視点が戻り悠斗視点)
「いやーまじかー、ガチでオルオンの世界じゃねえか」
繁華街を歩きながら。
「そういえばリーンたん、身体も変わってるって言ってたよな」
まさか、な。
まさかメインアカウントの方じゃなくて、バグやグリッチを試すために作った【ぶっ壊れアカウント】に転生なんてしてないだろうなー。
もしそうだったら嬉しいんだけどなー。
いや、まぁね? メインアカウントも最強だし、課金額も相当えぐいけどね?
ぶっ壊れアカウントの方だったら法則すらも無視したような壊れっぷりだからね。
もちろんオンラインコンテンツには入れないのだが。(ゲームバージョンを更新してないから)
更新しろよって思うかもしれないけど、リリース当初のバグとかそれこそ主人公レベルカスタムバグとか、装備のダメージ付与が65535になってしまう最恐グリッチとか諸々のゲームバランスが崩壊してしまうようなモノは、アップデートで修正されてしまうからな。
アプデしなければ最強バグやグリッチで遊べるけど、オンライン接続が出来ない。
しかし、オンラインゲームで1人寂しく孤独に遊んでも楽しくない。
オフラインでも遊べるコンテンツはあるにはあるが、そんなの直ぐに飽きてしまうだろう。
皆惜しみながらもアプデしていった。
しかし俺は違った。
もう1つアカウントを作っていたのだ。
そんなこんなで楽しみを分けた俺は、メインアカウントでも楽しみながら、バグアカウントも楽しんでいたのだ。
唯一の初期バージョンのため、発見されることのなかったバグを発見したりして楽しんだ。
バグを極めた結果、通常であれば幾ら課金したとしても絶対に到達できないであろう【ぶっ壊れ】のキャラを生み出してしまった。
と、長々と語ってしまったが、ぶっちゃけメインアカウントももちろん愛着があるしどっちでも嬉しいんだがな。
ここまで考えて、ふと最悪の事態が頭をよぎった。
モブに転生してる可能性も否定できない、と。
何も異世界転生は主人公に100%転生している訳じゃあない。
モブキャラだったり、魔物だったり、魔王だったり、噛ませキャラだったり、悪役キャラだったり、色々だ。
ガラス張りの店の前に立ち、閉じていた目を恐る恐るあける。
「頼む、どっちか(メイン垢かバグ垢)であってくれ……! 」
写っていたのは、黒髪に薄紫の一筋のメッシュ。
真っ黒のマントに、薄紫のツインテールの女の子が方目を閉じて、目元でピースしているのが描かれたTシャツ。
目は片目が金色に光り輝いている。
そんなスキンを目にし、わなわなと震える。
これ……これは……
「ぶっ壊れ垢の【ジア】だあぁぁぁぁ!!! 」
本日二度目の大絶叫がオルオンの世界に響き渡った。
さっきも言ったように俺は異世界転生は初めてだ。
じゃあ何故このファンタジーな景色を見慣れているのか。
それはーーー
「ここ、オルオンの世界じゃねえかあああああ!?!?!? 」
街中の道のど真ん中に突っ立っていた俺は思わず叫んだ。
しかし幾ら似ているからといって同じ世界とは限らない。
けど俺の直感が知らせている。
ここは確実に【オルオン】の世界だと。
何百回、何千回とみたこの景色、間違いない。
王国の繁華街の中枢部だ。
プレイヤーが初めてログインした際にはここから物語が始まる。
いわゆる始まりの場所だ。
「ま、まじかよ……よりにもよってリーンたんはこの世界に転生させてくれたのか」
含みのある言い方をしていたのはこういうことだったのか。
自分の目で見て驚いて欲しかったのだろう。
初めて俺を驚かせれて、さぞ嬉しいことだろう。
(一コマだけシーンが変わって)
リーンたん
「やった……! やっっっと驚かせれた!! 」
思わずガッツポーズをしながら、長方形の半透明のウィンドウに映された映像を見ていた。
(視点が戻り悠斗視点)
「いやーまじかー、ガチでオルオンの世界じゃねえか」
繁華街を歩きながら。
「そういえばリーンたん、身体も変わってるって言ってたよな」
まさか、な。
まさかメインアカウントの方じゃなくて、バグやグリッチを試すために作った【ぶっ壊れアカウント】に転生なんてしてないだろうなー。
もしそうだったら嬉しいんだけどなー。
いや、まぁね? メインアカウントも最強だし、課金額も相当えぐいけどね?
ぶっ壊れアカウントの方だったら法則すらも無視したような壊れっぷりだからね。
もちろんオンラインコンテンツには入れないのだが。(ゲームバージョンを更新してないから)
更新しろよって思うかもしれないけど、リリース当初のバグとかそれこそ主人公レベルカスタムバグとか、装備のダメージ付与が65535になってしまう最恐グリッチとか諸々のゲームバランスが崩壊してしまうようなモノは、アップデートで修正されてしまうからな。
アプデしなければ最強バグやグリッチで遊べるけど、オンライン接続が出来ない。
しかし、オンラインゲームで1人寂しく孤独に遊んでも楽しくない。
オフラインでも遊べるコンテンツはあるにはあるが、そんなの直ぐに飽きてしまうだろう。
皆惜しみながらもアプデしていった。
しかし俺は違った。
もう1つアカウントを作っていたのだ。
そんなこんなで楽しみを分けた俺は、メインアカウントでも楽しみながら、バグアカウントも楽しんでいたのだ。
唯一の初期バージョンのため、発見されることのなかったバグを発見したりして楽しんだ。
バグを極めた結果、通常であれば幾ら課金したとしても絶対に到達できないであろう【ぶっ壊れ】のキャラを生み出してしまった。
と、長々と語ってしまったが、ぶっちゃけメインアカウントももちろん愛着があるしどっちでも嬉しいんだがな。
ここまで考えて、ふと最悪の事態が頭をよぎった。
モブに転生してる可能性も否定できない、と。
何も異世界転生は主人公に100%転生している訳じゃあない。
モブキャラだったり、魔物だったり、魔王だったり、噛ませキャラだったり、悪役キャラだったり、色々だ。
ガラス張りの店の前に立ち、閉じていた目を恐る恐るあける。
「頼む、どっちか(メイン垢かバグ垢)であってくれ……! 」
写っていたのは、黒髪に薄紫の一筋のメッシュ。
真っ黒のマントに、薄紫のツインテールの女の子が方目を閉じて、目元でピースしているのが描かれたTシャツ。
目は片目が金色に光り輝いている。
そんなスキンを目にし、わなわなと震える。
これ……これは……
「ぶっ壊れ垢の【ジア】だあぁぁぁぁ!!! 」
本日二度目の大絶叫がオルオンの世界に響き渡った。