「はい、これ読んで。五十嵐君、君にはね。
 コイツについて調べてほしいんだ。」

コイツは。

「君ならわかるだろ。
 ここの組織にいた元構成員、柊だ。
 この者が生きていることが分かった、行方をわたし達にここまでバレずにいた理由もね。
 あの者は暗部の人間だったということがね。
 きっとここの機密情報を持ち出すことに成功したから、行方をくらましたと思っている。」

でも、なんで今頃わかったんです?
組織にいた時に分かったはずでは? 
しかも柊は、私のすぐ後に幹部についている。 部下も多くいたはず。
それでもぼろを出さずに、三年以上の時間を過ごせたと。
ボスが天才と呼ぶ僕でも無理だね。
この件きっと仲間がいる。しかもまだここに居るはずだよ。

「そう、その通り、わたしもそうだと睨んでいる。
 だから、わたしが今一番信頼している部下にこの件を託そうとしている。
 しかも君仕事はやいしね。この件早急に片付けなくては、この組織の秘密がバレてしまう。       そうしたら、わたしも君も終わりだよ。」

そうだね、この件、急がないと。
僕も如月も終わりだ。

「五十嵐君、ボスであるわたしの心配はしないのかい?」

別にボスが死んでも、僕に不利益はない。
次のボスを付ければいいだけ。

「そんなことしたら、わたしの部下たちが黙っていないよ?」

僕が黙らせるから大丈夫だよ、心配しなくてもね。
じゃあ僕も失礼するよ  キー...バタン

「ほんと君は、つれないね」