<page1>
ビオル「うずく、ってことはまさか!」
アーサム「そのまさかさ」
エリカの左目をおさえる手の隙間から煙が漏れ出す
<page2>
煙が男の人の形になる
アーサム「私はアーサム。エリカと共に牢獄を抜け出た天使」
ビオル「アーサム・・・」
コロン「おや、あなたなのね、アーサム」
<page3>
コロンがビオルの左腕から出てくる
アーサム「おや、あなたでしたか」
緊張が走る
<page4>
ビオル「あの、僕に話しかけのって・・・」
アーサム「少しご相談がありまして」
エリカ「わ、私に協力してください!」
頭を下げるエリィカ
<page5>
ビオル「協力?」
うつむくエリカ
アーサム「私から説明しましょう」
アーサムが話し出す
<page6>
⚪︎アーサムとエリカの回想
アーサム「少し前、ここから離れた場所で私はとらわれていました。そのときに彼女と出会い、おそらくあなた方と同じように一緒にそこを出たのです」
アーサム「私は特に何も考えずに彼女の目に宿りました。これは他の人と3秒目を合わせることで、相手にさまざまな効果をもたらすものです。しかし、問題が起きました」
<page7>
ビオル「問題?」
アーサム「そう、見ての通り彼女は」
エリカはうつむいている
<page8>
アーサム「彼女は人と目を合わせるのが苦手なのです!」
ビオル「確かに一回も目があってない・・・!」
アーサム「私とエリカが出会って一週間ほど経ちますが、まだ誰とも3秒目が合ってません」
<page9>
アーサム「ここままだと、力が暴発してしまいます」
ビオル「どうなるの?」
アーサム「おそらく、辺り一体が消し飛ぶでしょう」
青ざめるビオル
<page10>
ビオル「大変じゃん!」
アーサム「そうです、そこで私から説明するため、また私たちの状況を理解しているあなたにこうして話しさせてもらいました」
アーサム「お願いです、彼女と3秒目を合わせて欲しいのです」
ビオル「いいですよ」
エリカのうつむく顔を見るビオル
<page11>
ビオル「3秒みたら僕はどうなるの?」
アーサム「わかりません。プラスの効果だとは思いますが、完全にランダムです。エリカが使いこなせるようになればまた違うと思いますが」
ビオル「やってみてのお楽しみだね」
同じ背丈のビオルを前にしてうつむき続けるエリカ
アーサム「さぁ、彼の顔をみるのです」
エリカ「ムリ・・・」
<page12>
アーサム「あなたももう限界のはずです。さ、早く」
エリカ「急にそんなこと、ムリっ!」
ビオル「いいよ、ゆっくりで」
<page13>
⚪︎ベンチに座るビオルとエリカ
沈黙が少し続くと、ビオルが喋り出した。自分のこと、仲間のことなど、ゆるい話を続けた
時間が大分すぎたあと、エリカが口を開く
エリカ「私は、あまり目つきが良くなくて、真顔で相手を見ると、機嫌が悪いと勘違いされていました。それで元いたパーティの仲間とも仲良くなれませんでした」
<page14>
静かにきくビオル
エリカ「だから笑えばいいんじゃないかって、常に笑うようにしてたら、最初は可愛いって言われていたけど、今度は不気味に思われちゃって。そしたら今度は目に天使が宿っちゃって、うずくなんて言ってたら、とうとうパーティを追い出されちゃったんです」
静かにすまないと言うアーサム
<page15>
エリカ「でも、わかってたんです。自分がもっと明るければ、仕事ができてれば、可愛げがあればこんな目つき関係なくみんなと仲良くできたんじゃないかって。そんな自分が嫌で、それならいっそ全部吹き飛ばそうなんて考えたりして、そんなこと考える自分も嫌で・・・」
エリカから涙が出るそれとともに左目からエネルギーが溢れ出てくる
アーサム「まずい、そろそろ限界か」
<page16>
ビオル「僕はエリカと今日初めて会ったけど、君がとてもいい人だってわかったよ」
エリカ「え・・・?」
ビオル「だって、今も左目のうずきをおさえているし、僕の目を見ようと頑張っているし」
<page17>
ビオル「この世界には色んな人がいるから、君に対して色んなことを思う人がいるかもしれない。でも、少なくとも僕は君は素敵な人だと思うよ」
エリカ「本当・・・?」
ビオル「それに、笑ってなくても君の顔はかわいいと思う」
エリカの左目からエネルギーが溢れてくる
<page18>
ビオル「正面から見るともっと素敵だと思うんだ。だから、僕の目を見てほしい」
エリカ「・・・ムリッ!」
ビオル「どうして?」
<page19>
エリカ「・・・好きになるかも」
左目のエネルギーがさらに溢れ出す
ビオル「これから、いろんな人の目を見ていろんな人を好きになると、もっと楽しくなると思うよ」
エリカが意を決して左目をおさえていた手を離す
<page20>
二人が目を合わせる
ビオル「うん、素敵な顔だ」
エリカ「ありがとう」
エリカの左目からビオルの右目に綺麗な光が流れる
<page21>
ビオル「・・・気持ちいい」
ビオルが伸びをする
ビオル「これって何の効果なの?」
アーサム「おそらくマッサージの効果だな」
ビオル「そういうのもあるのか」
アーサム「ランダムだからな」
<page21>
エリカ「ありがとう、目のうずきも良くなりました」
ビオル「よかった」
エリカ「あと、もうひとつお願いが・・・」
⚪︎酒場のテーブルに座るドス、メイ、ギルツ
<page22>
ドス「遅いな、ビオル。早く練習した手品を見せてやりたいぞ」
ギルツ「俺もこの絶妙なバランスで積み上げた石を見せたいぜ!てゆーかメイ、お前一緒じゃなかったのか」
肉を頬張るメイ
メイ「それが私が肉を取っている間に、なんか女の子と一緒にいたのよね」
ギルツ「どういうこと?」
3人の前に緊張するエリカとともに現れるビオル
ビオル「ごめんみんなお待たせ。ちょっと紹介したい人がいるんだけど・・・」
<page22>
驚くメイ、ドス、ギルツ
メイ「ビオルが、」
ドス「自分の帰還祝いの席に、」
ギルツ「まさかの、」
<page23>
ギルツ、ドス、メイ「彼女を連れてきた!」
ビオル「うずく、ってことはまさか!」
アーサム「そのまさかさ」
エリカの左目をおさえる手の隙間から煙が漏れ出す
<page2>
煙が男の人の形になる
アーサム「私はアーサム。エリカと共に牢獄を抜け出た天使」
ビオル「アーサム・・・」
コロン「おや、あなたなのね、アーサム」
<page3>
コロンがビオルの左腕から出てくる
アーサム「おや、あなたでしたか」
緊張が走る
<page4>
ビオル「あの、僕に話しかけのって・・・」
アーサム「少しご相談がありまして」
エリカ「わ、私に協力してください!」
頭を下げるエリィカ
<page5>
ビオル「協力?」
うつむくエリカ
アーサム「私から説明しましょう」
アーサムが話し出す
<page6>
⚪︎アーサムとエリカの回想
アーサム「少し前、ここから離れた場所で私はとらわれていました。そのときに彼女と出会い、おそらくあなた方と同じように一緒にそこを出たのです」
アーサム「私は特に何も考えずに彼女の目に宿りました。これは他の人と3秒目を合わせることで、相手にさまざまな効果をもたらすものです。しかし、問題が起きました」
<page7>
ビオル「問題?」
アーサム「そう、見ての通り彼女は」
エリカはうつむいている
<page8>
アーサム「彼女は人と目を合わせるのが苦手なのです!」
ビオル「確かに一回も目があってない・・・!」
アーサム「私とエリカが出会って一週間ほど経ちますが、まだ誰とも3秒目が合ってません」
<page9>
アーサム「ここままだと、力が暴発してしまいます」
ビオル「どうなるの?」
アーサム「おそらく、辺り一体が消し飛ぶでしょう」
青ざめるビオル
<page10>
ビオル「大変じゃん!」
アーサム「そうです、そこで私から説明するため、また私たちの状況を理解しているあなたにこうして話しさせてもらいました」
アーサム「お願いです、彼女と3秒目を合わせて欲しいのです」
ビオル「いいですよ」
エリカのうつむく顔を見るビオル
<page11>
ビオル「3秒みたら僕はどうなるの?」
アーサム「わかりません。プラスの効果だとは思いますが、完全にランダムです。エリカが使いこなせるようになればまた違うと思いますが」
ビオル「やってみてのお楽しみだね」
同じ背丈のビオルを前にしてうつむき続けるエリカ
アーサム「さぁ、彼の顔をみるのです」
エリカ「ムリ・・・」
<page12>
アーサム「あなたももう限界のはずです。さ、早く」
エリカ「急にそんなこと、ムリっ!」
ビオル「いいよ、ゆっくりで」
<page13>
⚪︎ベンチに座るビオルとエリカ
沈黙が少し続くと、ビオルが喋り出した。自分のこと、仲間のことなど、ゆるい話を続けた
時間が大分すぎたあと、エリカが口を開く
エリカ「私は、あまり目つきが良くなくて、真顔で相手を見ると、機嫌が悪いと勘違いされていました。それで元いたパーティの仲間とも仲良くなれませんでした」
<page14>
静かにきくビオル
エリカ「だから笑えばいいんじゃないかって、常に笑うようにしてたら、最初は可愛いって言われていたけど、今度は不気味に思われちゃって。そしたら今度は目に天使が宿っちゃって、うずくなんて言ってたら、とうとうパーティを追い出されちゃったんです」
静かにすまないと言うアーサム
<page15>
エリカ「でも、わかってたんです。自分がもっと明るければ、仕事ができてれば、可愛げがあればこんな目つき関係なくみんなと仲良くできたんじゃないかって。そんな自分が嫌で、それならいっそ全部吹き飛ばそうなんて考えたりして、そんなこと考える自分も嫌で・・・」
エリカから涙が出るそれとともに左目からエネルギーが溢れ出てくる
アーサム「まずい、そろそろ限界か」
<page16>
ビオル「僕はエリカと今日初めて会ったけど、君がとてもいい人だってわかったよ」
エリカ「え・・・?」
ビオル「だって、今も左目のうずきをおさえているし、僕の目を見ようと頑張っているし」
<page17>
ビオル「この世界には色んな人がいるから、君に対して色んなことを思う人がいるかもしれない。でも、少なくとも僕は君は素敵な人だと思うよ」
エリカ「本当・・・?」
ビオル「それに、笑ってなくても君の顔はかわいいと思う」
エリカの左目からエネルギーが溢れてくる
<page18>
ビオル「正面から見るともっと素敵だと思うんだ。だから、僕の目を見てほしい」
エリカ「・・・ムリッ!」
ビオル「どうして?」
<page19>
エリカ「・・・好きになるかも」
左目のエネルギーがさらに溢れ出す
ビオル「これから、いろんな人の目を見ていろんな人を好きになると、もっと楽しくなると思うよ」
エリカが意を決して左目をおさえていた手を離す
<page20>
二人が目を合わせる
ビオル「うん、素敵な顔だ」
エリカ「ありがとう」
エリカの左目からビオルの右目に綺麗な光が流れる
<page21>
ビオル「・・・気持ちいい」
ビオルが伸びをする
ビオル「これって何の効果なの?」
アーサム「おそらくマッサージの効果だな」
ビオル「そういうのもあるのか」
アーサム「ランダムだからな」
<page21>
エリカ「ありがとう、目のうずきも良くなりました」
ビオル「よかった」
エリカ「あと、もうひとつお願いが・・・」
⚪︎酒場のテーブルに座るドス、メイ、ギルツ
<page22>
ドス「遅いな、ビオル。早く練習した手品を見せてやりたいぞ」
ギルツ「俺もこの絶妙なバランスで積み上げた石を見せたいぜ!てゆーかメイ、お前一緒じゃなかったのか」
肉を頬張るメイ
メイ「それが私が肉を取っている間に、なんか女の子と一緒にいたのよね」
ギルツ「どういうこと?」
3人の前に緊張するエリカとともに現れるビオル
ビオル「ごめんみんなお待たせ。ちょっと紹介したい人がいるんだけど・・・」
<page22>
驚くメイ、ドス、ギルツ
メイ「ビオルが、」
ドス「自分の帰還祝いの席に、」
ギルツ「まさかの、」
<page23>
ギルツ、ドス、メイ「彼女を連れてきた!」