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⚪︎宿のベッドの上で目覚めるビオル

左腕からコロンが出てくる

コロン「やっと起きたわね」

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ビオル「あれ、ここは・・・?確か僕は・・・」

ドラゴンに稲妻を当てたことを思い出すビオル

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ビオル「あれが、コロンの力なんだね。すごかった」

コロン「いや、我の力はこんなもんじゃないぞ。今は一回しかできないが、慣れてくれば二、三回はいけると思うわ」

じっと左腕を見つめるビオル

ビオル「ははっ、すごいや」

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コロン「私と契約してよかったでしょ?」

ビオル「はい」

左腕がうずかないことに気づくビオル

ビオル「あれっ、左腕がうずかない」

コロン「力を出したからよ、溜まってたものが出て行ったのね」

ビオル「そうだったんだ」

コロン「ちなみに、定期的に使わないと左腕がうずいてきて暴発しちゃうからね」

ビオル「え、そうだったの?」

コロン「昨日はほんとギリギリだったわ」

稲妻が町中で暴発するのを想像して冷や汗を流すビオル

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ビオル「はは・・・」

部屋に入るメイ

メイ「あっ、よかった起きた!みんな待ってるからおいで」

⚪︎酒場のテーブルに集まるビオル、メイ、ドス、ギルツ

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ギルツ「ビオル、昨日はすごかったぜ!」

ドス「なんたってドラゴンを倒したからな!冒険者のなかではちょっとした話題になってるぜ」

ビオル「え、そうなの?」

メイ「私はわかってたよ、左腕のうずきが本物って!」

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ギルツ「とまぁ、それは置いといて、ちょっと遅めだけど今日の夜ビオルの帰還祝いをやろうと思う!」

ビオル「えっ、大丈夫だよ」

ドス「そう言わずに、今日の夜を楽しみにしててくれ!」

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ギルツ「じゃあ、俺とドスは準備あるから、行ってきまーす!」

ギルツとドスが去る

メイ「じゃあ、私たちはその辺ブラブラしようか!」

ビオルを見る謎の少女の影

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⚪︎町を散策するメイとビオル

おじさんがビオルに話しかける

おじさん「おお、あんた」

ビオル「はい、道に迷いましたか?」

おじさん「いや、そうじゃない。あんたドラゴンを倒したんだろ?すげえな」

ビオル「え?ああ、はい」

周りの人が数人集まり、ちょっとした人だかりができる

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メイがビオルの手を持ち上げる

メイ「そうです、この子がドラゴンを倒しました!」

拍手が巻き起こる

ビオル「ちょっ、やめてよ」

おじさん「よっ、天才!」

メイ「そして、この子は私が育てました!」

拍手が再度起きる

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メイ「つまり私も〜?」

周囲の人「てんさーい!」

巻き起こる天才コールと恥ずかしがるビオル

先ほどビオルを見ていた少女が影から見ている

少女「やっぱりあれが・・・ぐっ」

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左目をおさえる少女

少女「左目が、うずく」

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しばらくして人々が解散し、ビオルも下される

ビオル「やめてよねもう、恥ずかしいんだから」

メイ「ごめん、もうやらないから」

ワゴンの肉屋のいい匂いを察知するメイ

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肉屋「今からぁ、ここでぇ、肉祭りだぁぁあ!」

人々「うおおおお!」

なだれ込む老若男女

メイ「肉祭りだって!行かない?」

ビオル「ごめん、ちょっと疲れちゃっからやめとく」

メイ「じゃあビオルの分もとってくるね」

雄叫びと共に突撃するメイ

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ビオル「ふぅ、疲れた」

人気のない場所で座るビオル

少女「ねぇ、ちょっと」

裏路地から少女が話しかてくる

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ビオル「はい、道に迷いましたか?」

少女「いや、道には迷ってないけど・・・」

少女が建物の影から出てくる

少女「あなたがビオル、左手がうずく少年ね?」

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ビオル「え?君は一体・・・?」

エリカ「私はエリカ、左目がうずく者・・・」