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⚪︎酒場の中のテーブル席にて 男女4人が座っている。

ギルツ「よし、みんな明日はビオルのクエストデビューだ!よろしく頼むよ」

メイとドス「おぉっ!」

ビオル「だ、大丈夫かな。僕入ったばかりだし、今まで雑用っていうか、ずっと留守番で戦ったことなんてないし・・・」

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ギルツがビオルの肩を組む。

ギルツ「心配するなって、今回行くのは"町から少し離れた場所にある遺跡の地下から夜な夜な聞こえてくるうめき声と謎の揺れの調査"だからさ」

ビオル「大丈夫かなぁ、それってギルドを通していない依頼でしょ?」

メイが元気よく手を上げる。

メイ「そう!この仕事は私が直接貰ってきたんだよ、褒めて!」

ドス「さすがメイ!」

ギルツ「天才!」

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ビオル「それって誰からの依頼なの?」

メイ「なんかね、薄暗い森の中で黒いフードのおじいちゃんから受けた」

メイが依頼書を机に置く。

ビオル「大丈夫かな。報酬はそのおじいさんから貰うってこと?」

メイ「ううん、報酬はないんだけど遺跡にあるものは全部持っていっていいんだって。これが地下へと鍵」

メイは鍵を置く。

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ドス「まぁ、お前のデビュー戦がメインだからな。そこら辺はあまり期待しないでおこう」

ギルツ「それにほら!」

ギルツが依頼書を指差す。

ギルツ「"とっても簡単なお仕事です"って書いてあるし」

ビオル「隣にちっちゃく"多分"ってあるけど・・・」

メイ「今までクレームも言われたことないってあのおじいちゃんも言ってたし!」

ビオル「大丈夫かなぁ」

ドス「まあ、もし何かあっても・・・」

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ドス、メイ、ギルツらが決めポーズをとる。

ドス、メイ、ギルツ「俺(私)たちがついてるから!」

3人のポーズを見てビオルは笑顔になる。

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ビオル「みんなが一緒なら大丈夫な気がする。こんな僕ですが、よろしくお願いします」

頭を下げるビオル。

ドス「良かった、うまくいったな」

ギルツ「ポーズの練習した甲斐があったぜ」

メイ「私たち頑張ったんだよ、褒めて!」

4人は賑やかな夜を過ごす。

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⚪︎次の日、遺跡の前へとついた4人

ギルツ「よしっ、地下への入り口を探すか。・・・にしても」

ギルツが視線を向けた先には武器や鎧、道具など重装備のビオルの姿があった。

ギルツ「すごい装備だな、大丈夫か?」

ビオル「大丈夫。このぐらいの装備はあった方がいいかなって」

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ドス「無理はするなよ。ヤバイと感じたら俺らを呼べ」

メイ「なんかあったら私の魔法でちょいちょい〜ってやっちゃうから」

ビオル「うん、わかった」

遺跡から謎の影が現れる。

ドス「どうやら、敵のようだな」

ビオル「ウッ」

身構えるビオル。

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影の正体は小柄なビオルよりもさらに小さいゴブリンだった。

ビオル「ほっ、なんだゴブリン一体か・・・」

ゴブリンが叫び声を上げる。すると遺跡の影から大小様々なサイズの大量のゴブリンが姿を出す。

ビオル「うあああ!いっぱいいるぅー!」

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動揺するビオル。それに対してギルツは剣をとり、ドスは拳を構えて、メイは杖を構える。

メイ「これだけ?やっぱり簡単な仕事ね」

ギルツ「よしっ、やるか!」

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襲いくるゴブリンを剣でなぎ倒すギルツ。

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襲いくるゴブリンを鍛えた筋肉で倒すドス。

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襲いくるゴブリンを魔法で退治するメイ。

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ビオル「す、すごい・・・。並の戦士なら数十名でやっと倒せるのをたった3人で圧倒してる」

ビオルが圧倒されている間に、魔物は3人によってほとんど倒された。

ビオル(3人の戦闘を見るのは初めてじゃないけど、やっぱりすごいなぁ)

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3人の攻撃を逃げるように掻い潜った一体の小さなゴブリンがビオルの前に現れる。

ビオル「うわっ」

驚きながらも慌てて持ってきた鍋を手に構える。

ゴブリンが手に持った木の棒を振りかざす。ビオルは鍋で頭を覆い攻撃を受ける。

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ゴブリンとビオルはそれぞれ座り、待ってた鍋と木の棒を前に置く。

ビオル「ジャンケンぽん!」

ジャンケンの結果、ゴブリンの勝ちだったので、ゴブリンが木の棒をとり頭を叩こうとするがビオルは鍋でそれを阻止する。

ビオル「ジャンケンぽん!」

またゴブリンが勝ったので木の棒で叩こうとするもこれもまた鍋で阻止。

ビオル「ジャンケンぽん!」

またゴブリンが勝ったが、ビオルは木の棒でコツンとゴブリンの頭を叩いた。

小さなタンコブができたゴブリンは怒る。

ビオル「ご、ごめん。あんまり君ばっか勝つからつい・・・」

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怒りが収まらないゴブリンは木の棒と鍋を両方とると、再度ビオルに襲いかかる。

ビオル「うわぁ!それはルール違反だー!」

手で顔を覆うビオル。

ゴブリンに電撃が走り、そのまま倒れる。

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メイ「ビオル、大丈夫?」

メイがビオルの元へ駆け寄る。

ビオル「ありがとう、メイ」

メイ「褒めて!」

ビオル「助かったよ」

メイ「褒めて!」

ビオル「すごい魔法だったよ」

メイ「もっと"かわいい!"とかで褒めて」

ビオル「かわいいと思うよ」

メイ「知ってる!でもありがとう!」

ドスとギルツ「大丈夫かー?」

ドスとギルツがビオルとメイに合流する。

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全ての魔物が3人によってやられてそこらじゅうに伸びている。

ビオル「すごい、たった3人でやっちゃうなんて・・・」

メイ「このくらいならどうってことないわ」

ギルツ「楽勝だぜ!」

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うつむくビオル。

ビオル「それに比べて僕は一体も倒せなかった・・・」

ドスがビオルの頭に手を置く。

ドス「いいさ、今はそんなもんだ」

ビオル(僕は彼らと並ぶことができるだろうか・・・)

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⚪︎遺跡を調べる4人

ギルツ「おーい、みんな来てくれ」

ギルツの所に集まる3人。

ドス「せーのっ」

ドスが大きな岩をどかすと、隠し通路が現れる。ビオルが小さくありがとうという。

ギルツ「おお・・・」

メイ「隠し通路ね」

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⚪︎隠し通路は薄暗く、開けた場所になっている。

地面に扉を見つけ、しゃがんでその扉を触るメイ。

メイ「この扉、超強力な魔法にかけられてる。こじ開けるのは無理ね」

ギルツ「よしじゃあ頼むぜ」

ビオル「わかった」

鍵を取り出し、扉に近づくビオル。

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ビオル「それじゃあ、クエストでの初仕事、いきます」

他の3人が見守る中、鍵を鍵穴に入れ、ゆっくりと回す。

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扉から光が溢れ出す。

ドス「おお」

メイ「すっごい魔力・・・」

ギルツ「ビオル、大丈夫か?」

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扉からの声「鍵および素質を確認、最奥へ入る事を許可します」

扉が勢いよく開き、ビオルが吸い込まれるように落ちる。

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メイ、ドス、ギルツ「ビオル!」

3人が手を伸ばすも間に合わず、ビオルは暗闇の中へ消え、扉が閉じる。

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⚪︎暗闇の中

ビオルは意識を失う。

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⚪︎お花畑の中

目を開けるビオル。

ビオル「あれ、ここは・・・」

小さいが妖精がビオルの目の前を飛んでいる。

妖精「あ、起きた」

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ビオル「君は・・・?ここは一体・・・?」

妖精「僕は妖精」

ビオル「ここってまさか天国?僕死んだの?」

妖精「いや、君はまだ死んでない。そして突然で悪いんだけど、助けてくれないか」

ビオル「え、どういうこと?」

妖精「ここはね、一言で言えば僕が住んでいる場所なんだけど、君みたいに迷い込んできた大天使がいるんだ」

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ビオル「はあ」

妖精「だけどうるさいし態度もでかいから正直出ていって欲しいんだよね。だから君が一緒に彼女を連れて行って欲しいんだ」

ビオル「えっ、そんな急に言われても」

妖精「お願い、あいつマジで出て行く気無さそうなんだ。それに君も元いた場所に戻れるかも」

懇願する妖精に少し不安を覚えるビオル。しかし他にどうしようもないため、妖精の申し出を受ける。

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⚪︎お花畑を歩く妖精とビオル

妖精「いやー良かったです。あなたが来てくれて。あいつ妖精使いが荒くて嫌でしたから。このまま連れて行ってくれると嬉しいなー」

大きな影の前で立ち止まる妖精とビオル。

妖精「コロンさん、人間を連れてきました」

コロン「おぉ、久しぶりの人間か」

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山のように大きいコロン

コロン「待ってたぞ」