昼休憩のチャイムが社内に鳴り響き、社員たちが各々休憩を取り出す。
しかしさくらはすぐには休憩に入らなかった。
さくらはいつも社員食堂を利用しているのだが、昼時の社員食堂は混んでいる。その混雑を避けるため、いつも時間をずらしているのだ。それに加え、今日は午前中にほとんど仕事が進まなかった。その分を取り返す意味もあり、さくらはオフィスに残っていた。
(あ、もうこんな時間……)
さくらは仕事が一段落ついたのを見計らって時計を見やった。
それから急いで財布を持って社員食堂へと向かう。
昼時の社員食堂では、昼食を終えた同僚たちが午後の談笑に花を咲かせていた。さくらはそんな彼らの間を縫って食事の用意をしようとしたのだが、
(あれ?)
社員食堂の入り口でオドオドしている後ろ姿のサラリーマンを見つけた。その背中に、さくらは見覚えがある。
午前中にエントランスで書類をばらまいていたあの雄哉だ。
雄哉の後ろ姿を見つけたとき、さくらの胸が大輔を思い出しズキリと痛んだ。
しかしこのまま無視してしまうのも人としてどうかと思う。
さくらはしばしの葛藤後、勇気を出して雄哉の背中に声をかけた。
「こんにちは、山下さん。どうかされましたか?」
「あっ!」
しかしさくらはすぐには休憩に入らなかった。
さくらはいつも社員食堂を利用しているのだが、昼時の社員食堂は混んでいる。その混雑を避けるため、いつも時間をずらしているのだ。それに加え、今日は午前中にほとんど仕事が進まなかった。その分を取り返す意味もあり、さくらはオフィスに残っていた。
(あ、もうこんな時間……)
さくらは仕事が一段落ついたのを見計らって時計を見やった。
それから急いで財布を持って社員食堂へと向かう。
昼時の社員食堂では、昼食を終えた同僚たちが午後の談笑に花を咲かせていた。さくらはそんな彼らの間を縫って食事の用意をしようとしたのだが、
(あれ?)
社員食堂の入り口でオドオドしている後ろ姿のサラリーマンを見つけた。その背中に、さくらは見覚えがある。
午前中にエントランスで書類をばらまいていたあの雄哉だ。
雄哉の後ろ姿を見つけたとき、さくらの胸が大輔を思い出しズキリと痛んだ。
しかしこのまま無視してしまうのも人としてどうかと思う。
さくらはしばしの葛藤後、勇気を出して雄哉の背中に声をかけた。
「こんにちは、山下さん。どうかされましたか?」
「あっ!」