「あ、ありがとうございます!」
そう言って、自分の書類をかき集めていた。
全ての書類をカバンにしまった後、彼は、
「おかしいなぁ……」
と呟いて、
「お願いします! 近藤さんには本当にアポを取ってるんですよ!」
そう言って受付にいる従業員に話しかける。
受付嬢は困ったように、
「そうは言っても、近藤から確認が取れませんので……」
そんな二人のやり取りで、さくらは何かトラブルが起きていることを察した。
さくらが事情を受付嬢に尋ねると、この訊ねてきたサラリーマンがさくらの上司である近藤と会う約束をしていたと言うことだった。
しかし近藤と連絡がつかない以上、アポイントの証拠がない限り社内に入れることができない。
こうして押し問答をしている間にも、サラリーマンと近藤の約束の時間は迫っているのだ。
さくらは、
「私が直接、聞いてみます」
そう受付嬢に言うと、スマートフォンを取り出して近藤へと電話をかけた。
数回のコールの後、近藤の低く、どこか機嫌が悪そうな声が応答した。
『前田くんか、どうした?』
「実は……」
そこでさくらはサラリーマンの名前を聞いていないことに気付いた。
そう言って、自分の書類をかき集めていた。
全ての書類をカバンにしまった後、彼は、
「おかしいなぁ……」
と呟いて、
「お願いします! 近藤さんには本当にアポを取ってるんですよ!」
そう言って受付にいる従業員に話しかける。
受付嬢は困ったように、
「そうは言っても、近藤から確認が取れませんので……」
そんな二人のやり取りで、さくらは何かトラブルが起きていることを察した。
さくらが事情を受付嬢に尋ねると、この訊ねてきたサラリーマンがさくらの上司である近藤と会う約束をしていたと言うことだった。
しかし近藤と連絡がつかない以上、アポイントの証拠がない限り社内に入れることができない。
こうして押し問答をしている間にも、サラリーマンと近藤の約束の時間は迫っているのだ。
さくらは、
「私が直接、聞いてみます」
そう受付嬢に言うと、スマートフォンを取り出して近藤へと電話をかけた。
数回のコールの後、近藤の低く、どこか機嫌が悪そうな声が応答した。
『前田くんか、どうした?』
「実は……」
そこでさくらはサラリーマンの名前を聞いていないことに気付いた。