そのためさくらが所属出来る女子グループはどこにもなくなっていった。
 いつしかさくらは、一人でいることが多くなっていくのだった。
(まぁ……、勉強しにきているのだから、気にしない、気にしない)
 さくらはそう自分に言い聞かせ、大学生活を送っていく。
 そんなさくらはある日、大学の講義で『依存』について学んだ。
 簡単に言えば人に頼ることなのだが、それが過ぎると、その人がいないと生きていくことすらままならなくなる、と言うものだった。その心理的メカニズムについて解説している講義だったのだが、さくらはこの授業を受けて気付いた。
(私が大輔くんのこと好きだって思っていた気持ちも、依存なのでは……?)
 さくらは自分が、大輔の存在に依存していたのではないか。
 そう考えるようになったのだ。
 一人では生きていくことが出来ない依存というものに、さくらはいつしか(けん)()感を覚えるようになっていった。
(誰かに頼らないと生きていけないほど、私は弱くはない、はず……)
 強がりでも何でもなく、さくらはいつしかそう思うようになった。それから、自ら恋愛についても分析を始めた。
 恋愛は、相互依存の典型的な形ではないのか、と。