「ツライ、よね。ごめんね、それでも私、さくらが心配なの……」
頭上から降ってくる菜月の声も震えているようだった。
(なっちゃんにまで迷惑かけて、私、何をしているんだろう……)
菜月だって、級友を失った苦しみは同じはずだ。
それでも菜月は自分の人生を歩んでいる。大学に行き、講義を受け、日々を必死に生きている。
(それなのに、私は……)
さくらはカウンセリングの日のみ大学へと行き、カウンセラーと無駄な時間を過ごし、それ以外は部屋に引きこもっている。
(何、やってんだろう)
さくらは溢れてくる涙を堪えようと必死になった。
しかし涙を抑えようとすればするほど、大輔との思い出が鮮明に蘇り、そしてもう、あの温かな日々が帰ってこないことを痛感させられるのだ。
「なっちゃん……、ごめんね。心配かけて、ごめん……」
何とか振り絞ったさくらの言葉に、菜月は首を振った。
「いいんだよ。松本くんといちばん近かったさくらがツライの、私、分かるから……」
だから、いっぱい泣いていいんだよ。
菜月の言葉に甘えるように、さくらはその日、久しぶりに溢れる涙を堪えられずに泣いた。
さくらが落ち着いた頃、菜月は言った。
「無理に、さくらの時間を進める必要はないんじゃない?」
「なっちゃん?」
頭上から降ってくる菜月の声も震えているようだった。
(なっちゃんにまで迷惑かけて、私、何をしているんだろう……)
菜月だって、級友を失った苦しみは同じはずだ。
それでも菜月は自分の人生を歩んでいる。大学に行き、講義を受け、日々を必死に生きている。
(それなのに、私は……)
さくらはカウンセリングの日のみ大学へと行き、カウンセラーと無駄な時間を過ごし、それ以外は部屋に引きこもっている。
(何、やってんだろう)
さくらは溢れてくる涙を堪えようと必死になった。
しかし涙を抑えようとすればするほど、大輔との思い出が鮮明に蘇り、そしてもう、あの温かな日々が帰ってこないことを痛感させられるのだ。
「なっちゃん……、ごめんね。心配かけて、ごめん……」
何とか振り絞ったさくらの言葉に、菜月は首を振った。
「いいんだよ。松本くんといちばん近かったさくらがツライの、私、分かるから……」
だから、いっぱい泣いていいんだよ。
菜月の言葉に甘えるように、さくらはその日、久しぶりに溢れる涙を堪えられずに泣いた。
さくらが落ち着いた頃、菜月は言った。
「無理に、さくらの時間を進める必要はないんじゃない?」
「なっちゃん?」