二人が正式に恋人同士となり付き合うことになると、大輔が夏期講習帰りのさくらを迎えに来るのが日課になっていった。さくらは申し訳なさ半分、嬉しさ半分で夕暮れの町を大輔と帰っていく。
祭りの日、さくらは帰宅してすぐに菜月に電話をかけた。
内容はもちろん、大輔と付き合うことになった、と言う報告だ。
報告を受けた菜月は自分のことのように喜んでいた。
『祭りに行くように説得した、私のお陰だね! 感謝してよね!』
菜月は冗談交じりでそう言うと、その日の通話を切る。
大輔の方はと言うと、同級生や先輩たちに彼女が出来たと公にはしていないようだったが、さくらへの態度で周知の事実となっていた。
「松本ぉ~……、お前、やってくれな!」
大輔は先輩からそう言われ、二の腕で首を絞められる。
「苦しい! 苦しいっすよ、先輩!」
大輔は先輩の二の腕をタップしながら抗議する。
そうして二人の関係は自ずと周りに知られることになったのだった。
そんな夏休みも中盤に差し掛かった頃。
さくらは最近、大輔の様子が少しおかしいことに気付いた。
「大輔くん、最近、忙しいの?」
「えっ?」
驚いたのは大輔の方だった。
「だって最近、既読が付くの、遅いから……」
祭りの日、さくらは帰宅してすぐに菜月に電話をかけた。
内容はもちろん、大輔と付き合うことになった、と言う報告だ。
報告を受けた菜月は自分のことのように喜んでいた。
『祭りに行くように説得した、私のお陰だね! 感謝してよね!』
菜月は冗談交じりでそう言うと、その日の通話を切る。
大輔の方はと言うと、同級生や先輩たちに彼女が出来たと公にはしていないようだったが、さくらへの態度で周知の事実となっていた。
「松本ぉ~……、お前、やってくれな!」
大輔は先輩からそう言われ、二の腕で首を絞められる。
「苦しい! 苦しいっすよ、先輩!」
大輔は先輩の二の腕をタップしながら抗議する。
そうして二人の関係は自ずと周りに知られることになったのだった。
そんな夏休みも中盤に差し掛かった頃。
さくらは最近、大輔の様子が少しおかしいことに気付いた。
「大輔くん、最近、忙しいの?」
「えっ?」
驚いたのは大輔の方だった。
「だって最近、既読が付くの、遅いから……」