二人は手を(つな)いで花火大会の会場を後にする。
 道中、少し戸惑ったように大輔がこう言った。
「なぁ……。さくら、って、呼んでもいい?」
 さくらは驚いて大輔の顔を見上げる。しかしすぐに、
「うん……」
 恥ずかしくなりながらも、そう答えた。
「じゃあ、私は、大輔くんって、呼ぶね?」
「お、おう……」
 二人の間の空気はまだぎこちなかったが、これからの二人の未来を想像すると、さくらも大輔も胸が高鳴ってしまうのだった。