さくらはそう決意すると、消え入りそうになっている大輔の目をまっすぐに見返した。それから、
「あの、ね? 私も、松本くんのことがね、好き、です……!」
 消え入りそうになる声を必死に振り絞り、さくらは自分の言葉を大輔に伝える。
 大輔はさくらからの告白が意外だったと言わんばかりに大きく目を見開いていた。
(うそ)、じゃ、ないよな……?」
「うん……。嘘じゃない」
 さくらは自信がなさそうな大輔に、今度はハッキリと伝えた。
 きっとさくらの顔は真っ赤になっていることだろう。そう、今、目の前にいる大輔がそうであるように。
 さくらの言葉を聞いた大輔は、気が抜けてしまったのか一気に肩から崩れ落ちてしまった。
「松本くん……?」
 さくらも一緒にしゃがみ、大輔に目線を合わせる。
 そんなさくらに、
「良かった……」
 消え入りそうな声で大輔が言った。それからバッ! と顔を上げると、
「俺、絶対、前田さんのこと幸せにするから!」
 耳まで赤くしながら、大輔はそう宣言する。
 その言葉にさくらも(うれ)しくなってつい、(ほお)を緩めてしまう。
「うん! 一緒に、幸せになろう!」
 さくらの前向きな言葉に、ようやく大輔の顔にも笑顔が戻った。