「前田さん、学校?」
止まったバイクに乗っていたのは、松本大輔だった。
さくらは一瞬、心臓が止まりかける。
「乗ってく?」
原付きバイクに乗った大輔が何でもないように言うが、さくらが気になったことは、
「松本くん、免許、持ってたんだね」
「ないよ」
「え?」
さくらの言葉に何の悪びれもせず大輔が即答した。さくらは思わず耳を疑う。
「先輩に教えて貰ってさ。このバイクも、先輩に借りてんの」
大輔はそう言うと、ニヤッと笑った。
(やっぱり、松本くんは不良なんだな……)
さくらはその時、改めて大輔が品行方正とは真逆の存在であることを思い知らされた。
「無免許の人のバイクには、乗れないかな……」
さくらはそう言うと、学校に向けて坂道を歩き始める。そんなさくらについてくるように、大輔も原付きバイクから降りて、バイクを押しながら隣を歩いていた。
「ねぇ、前田さん。学校、何時に終わる?」
「今日は夕方には終わるよ」
「じゃあ、俺、迎えに行くわ!」
「えっ?」
何気ない会話のつもりだったが、大輔から出た言葉にさくらが驚く。そんなさくらに大輔は何でもないように言った。
「この辺も何かと物騒じゃん? 家の近くまで送るって」
「そんな、悪いよ……」
「いーから、いーから!」
止まったバイクに乗っていたのは、松本大輔だった。
さくらは一瞬、心臓が止まりかける。
「乗ってく?」
原付きバイクに乗った大輔が何でもないように言うが、さくらが気になったことは、
「松本くん、免許、持ってたんだね」
「ないよ」
「え?」
さくらの言葉に何の悪びれもせず大輔が即答した。さくらは思わず耳を疑う。
「先輩に教えて貰ってさ。このバイクも、先輩に借りてんの」
大輔はそう言うと、ニヤッと笑った。
(やっぱり、松本くんは不良なんだな……)
さくらはその時、改めて大輔が品行方正とは真逆の存在であることを思い知らされた。
「無免許の人のバイクには、乗れないかな……」
さくらはそう言うと、学校に向けて坂道を歩き始める。そんなさくらについてくるように、大輔も原付きバイクから降りて、バイクを押しながら隣を歩いていた。
「ねぇ、前田さん。学校、何時に終わる?」
「今日は夕方には終わるよ」
「じゃあ、俺、迎えに行くわ!」
「えっ?」
何気ない会話のつもりだったが、大輔から出た言葉にさくらが驚く。そんなさくらに大輔は何でもないように言った。
「この辺も何かと物騒じゃん? 家の近くまで送るって」
「そんな、悪いよ……」
「いーから、いーから!」