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　恐怖と緊張による疲れでウトウトと微睡んでいた瑠奈は、部屋の外から聞こえてきた物音で目を覚ました。

　ドキッとして身を固くした瑠奈の耳に聞こえてきたのは、隣の部屋で父の目覚まし時計のアラームが鳴る音と、どこかの部屋で雨戸が引き開けられる音。子どもの頃から何度も繰り返されてきた、瑠奈の家の平日の朝の音だ。

　ハッとしてスマホで確かめると、日付が変わっていた。瑠奈の誕生日の翌日だ。

　まさか、死なずに乗り越えられた……？

　俄かに信じられなかった。瑠奈のスマホの日付表示が壊れてしまったのかもしれない。

　薄手のブランケットを頭から被ってベッドから起き上がると、警戒しながら窓の雨戸をそっと開ける。細く開いた隙間から、強い太陽の光が差し込んできて目が眩んだ。

　まだ七時だというのに、既に夏の暑さを感じさせるような朝の太陽。ツキヒトがSNSに投稿していたような爽やかな晴れた空をしばらく眺めてから、瑠奈は部屋を出た。