今まで自分から誰かにアクションを起こそうと思ったことなど一度もないのに、瑠奈の指はTsukihito宛のメッセージを打つために動いていた。
『はじめまして。何度もコメントくださったのに、反応せずにすみません。今日初めて、Tsukihitoさんの写真を見ました。とても綺麗でした。特に、岩礁のある海岸で写した夕日の写真が良かったです』
時間をかけて作ったメッセージを送るとき、今までにないくらい胸がドキドキした。
本当に送って大丈夫だろうか……。迷いに迷った末、最後は勢いで送信ボタンをタップする。DMを送信したあとも、瑠奈の指はしばらく緊張で震えていた。