ジークハルトが私室から出てきてくれたので、そこでエリザは仕事もあるセバスチャンと別れた。
「案内、本当に大丈夫ですか? なんならセバスチャンさんを呼び戻して――」
「その必要はないです。大丈夫です。僕が案内したいので」
エリザは、歩き出した彼を不思議そうに見上げた。
「ほら、エリオとはまだ二回目の顔合わせですから」
意外と治療係にも律儀なのかな、とか彼女は思った。
ジークハルトに案内されて、まずは二階から回ることになった。
彼が出歩く時はメイドに外出禁止令でも出ているのか、一階に向かう階段からも女性の使用人を見掛けなかった。
不思議に思ってジークハルトに訊いてみると、彼が出歩くルートは事前にセバスチャンに伝えられており、その時間に合わせて女性の使用人は動いているらしい。
(仕事を振り分けるの、セバスチャンさんも大変だろうなぁ)
エリザは、彼が大変優秀さであるのを感じた。
とはいえ、エリザもまたラドフォード公爵に雇われている身だ。
「案内、本当に大丈夫ですか? なんならセバスチャンさんを呼び戻して――」
「その必要はないです。大丈夫です。僕が案内したいので」
エリザは、歩き出した彼を不思議そうに見上げた。
「ほら、エリオとはまだ二回目の顔合わせですから」
意外と治療係にも律儀なのかな、とか彼女は思った。
ジークハルトに案内されて、まずは二階から回ることになった。
彼が出歩く時はメイドに外出禁止令でも出ているのか、一階に向かう階段からも女性の使用人を見掛けなかった。
不思議に思ってジークハルトに訊いてみると、彼が出歩くルートは事前にセバスチャンに伝えられており、その時間に合わせて女性の使用人は動いているらしい。
(仕事を振り分けるの、セバスチャンさんも大変だろうなぁ)
エリザは、彼が大変優秀さであるのを感じた。
とはいえ、エリザもまたラドフォード公爵に雇われている身だ。