残された男性達が「どうしよう」とフォローの言葉を探し合う中、とうとうラドフォード公爵がひっくり返って「旦那様ぁぁあああ!?」と、セバスチャンの叫ぶ声が響き渡った。
ルディオがエリザの肩に、ぽんと手を置く。
「えっと……まぁ、そこまでの驚きじゃないようでよかったよ」
「じゅうぶん驚いたよ。もう短い間に色々起こりすぎて、ちょっと整理の時間が欲しいかなと思ってるところだよっ」
一言口に出したら、思いが溢れてエリザはそう言った。
「いや~、実はさ、無理やり婚約がジークの手腕で押し通されて、仮で許可が下りちまってる事実の方が驚くかなぁと思って」
「……え、何それ?」
「つまり今、書類上では【赤い魔法使い】は、ラドフォード公爵家のジークハルト・ラドフォードの、正式な婚約待ち状態になっている」
「は、――はああああああ!?」
今度こそ、エリザの大絶叫が朝の公爵邸に響き渡ったのだった。
◆
いつ女性だと勘繰り、そうして確信を持ったのかは分からない。
ルディオがエリザの肩に、ぽんと手を置く。
「えっと……まぁ、そこまでの驚きじゃないようでよかったよ」
「じゅうぶん驚いたよ。もう短い間に色々起こりすぎて、ちょっと整理の時間が欲しいかなと思ってるところだよっ」
一言口に出したら、思いが溢れてエリザはそう言った。
「いや~、実はさ、無理やり婚約がジークの手腕で押し通されて、仮で許可が下りちまってる事実の方が驚くかなぁと思って」
「……え、何それ?」
「つまり今、書類上では【赤い魔法使い】は、ラドフォード公爵家のジークハルト・ラドフォードの、正式な婚約待ち状態になっている」
「は、――はああああああ!?」
今度こそ、エリザの大絶叫が朝の公爵邸に響き渡ったのだった。
◆
いつ女性だと勘繰り、そうして確信を持ったのかは分からない。