早く寝るとルディオにも約束したものの、なかなか眠気はこなかった。

 本も楽しかったが、やはり明日の朝のことを考えるとそわそわと落ち着かなかった。

「……ううんっ、でも寝なくちゃ」

 慌てて本を閉じ、枕に顔をぼふっと埋めて、ぎゅっと目を閉じた。

 自分がいつ寝たのかはよく分からない。

 疲れていたのは確かなようで、次に意識が浮上した時、深く眠った満足感でしばし頭がぼうっとしていた。

(まだ、……暗いみたい?)

 いつもなら開いた目に窓の明るさが差し込んでくるが、その感じがないと分かってすぐ、エリザの目を閉じていく。

(だってなんだか、温かくて……)

 掛け布団がなくて少し肌寒い気がしたが、目の前が温かい。

 再び意識が眠りへと沈みかけた時、部屋の外がにわかに騒がしいような気配を覚えた。

 もう使用人達か活動しているのだろうか。昨日のテンションは確かに高かったが、それにしても気が早すぎやしないだろうか?

「うぅーん、今、何時……」

 思い目を開けようと努力しながら、手を伸ばしたら――そこには壁があった。