(うん。意味が分からない)

 とはいえこのまま見つめ合い続けているのも気が引けた。ひとまず身をよじり、彼の上で正面へと向きを変える。

 するとその一瞬、彼の身体がわずかに強張ったような気がした。

(もしかしたら、そろそろ痺れてきたのかも?)

 エリザはピンときた。そうであればもう終えてくれないだろうかと思って前に寄ったら、彼が後ろから片腕で引き上げ、今度は腰がくっつくほど近い位置に座らせてしまった。

(……ちょっと動いただけで悪化してしまった)

 エリザはお尻の下だけでなく。今度は背中もすべて彼の身体に密着していて、なんだか急速に落ち着かない気分になってきた。

「あの、訊きそびれてしまっていたのですが……重くないですか?」
「ローブもないですし、全然気になりませんよ?」
「まぁ、あれは重いですからね」

 だから外させたんだろうなとエリザは思っている。

「でもその、そろそろジークハルト様もきつくなっているんしゃないかと思いまして。それなら、この姿勢はやめませんか――ふぎゃっ」

 ジークハルトがエリザの身体に残っていた腕も回して、後ろから優しく抱き締めてきた。