(でも、だからといってこれはなくないっ?)
ルディオは横になっているし、向かいのソファにはフィサリウスしかいないわけだが、エリザは羞恥心で死にそうだった。
――茶会を無事に終えたジークハルトのご褒美は、『〝エリオ〟を抱っこして、チョコレートケーキを食べさせたい』というものだった。
ローブを脱ぎ、膝の上に乗せたエリザに食べさせたいのだとか。
それをジークハルトは、直前までの悲壮感をどこに飛ばしたのか、泣いた跡なども見られないキラキラと輝く素晴らしい笑顔で、そう言い切った。
(なぜに抱っこ?)
ジークハルト曰く、抱き締めていると安心感が込み上げて、先程の茶会で溜まった押し潰されそうなほどの不安も消えてくれる、とか。
彼に掛けられている呪いが、聖女の浄化作用で緩和するせいだからだろうか。
でも、とにかく、恥ずかしいのだ。
男装しているとはいえ年頃の少女のエリザも、さすがに羞恥心でやばい。
少しでも身をよじれば、ローブのなくなった服越しの尻と太腿の下に、ジークハルトの鍛えられた太腿と足の熱を感じた。
ルディオは横になっているし、向かいのソファにはフィサリウスしかいないわけだが、エリザは羞恥心で死にそうだった。
――茶会を無事に終えたジークハルトのご褒美は、『〝エリオ〟を抱っこして、チョコレートケーキを食べさせたい』というものだった。
ローブを脱ぎ、膝の上に乗せたエリザに食べさせたいのだとか。
それをジークハルトは、直前までの悲壮感をどこに飛ばしたのか、泣いた跡なども見られないキラキラと輝く素晴らしい笑顔で、そう言い切った。
(なぜに抱っこ?)
ジークハルト曰く、抱き締めていると安心感が込み上げて、先程の茶会で溜まった押し潰されそうなほどの不安も消えてくれる、とか。
彼に掛けられている呪いが、聖女の浄化作用で緩和するせいだからだろうか。
でも、とにかく、恥ずかしいのだ。
男装しているとはいえ年頃の少女のエリザも、さすがに羞恥心でやばい。
少しでも身をよじれば、ローブのなくなった服越しの尻と太腿の下に、ジークハルトの鍛えられた太腿と足の熱を感じた。