エリザとしても、令嬢達に遭遇する確率が高い場所は避けたい気持ちがあった。
呪いで少々おかしくなっているジークハルトとの様子は、見られたくない。
何せ、エリザは少年として認識されているはずなのだが、一部の女性達が『公爵令息であるジークハルトと治療係の禁断の恋』なんていう噂で盛り上がっているらしい。睨まれるどころか応援されている、とか。
(なぜに……?)
ひとまず、これまで女性の噂一つなかったジークハルトが、実は少年好きだとか噂が強まって、このあと縁談がこなくなったりするのは絶対に避けたい。
(ラドフォード公爵が、泣く。あと、みんなも困る……)
呪いがなくなったあとのジークハルトのためにも、現在までフィサリウス達も頑張って崩させないでいた、彼の『完璧な公爵令息様』のイメージを崩させないことも、エリザの使命だ。
彼が子供のようなおねだりをするたび、周りの目撃者達が、信じられないものを見るような目を向けてくるのは知っている。
呪いで少々おかしくなっているジークハルトとの様子は、見られたくない。
何せ、エリザは少年として認識されているはずなのだが、一部の女性達が『公爵令息であるジークハルトと治療係の禁断の恋』なんていう噂で盛り上がっているらしい。睨まれるどころか応援されている、とか。
(なぜに……?)
ひとまず、これまで女性の噂一つなかったジークハルトが、実は少年好きだとか噂が強まって、このあと縁談がこなくなったりするのは絶対に避けたい。
(ラドフォード公爵が、泣く。あと、みんなも困る……)
呪いがなくなったあとのジークハルトのためにも、現在までフィサリウス達も頑張って崩させないでいた、彼の『完璧な公爵令息様』のイメージを崩させないことも、エリザの使命だ。
彼が子供のようなおねだりをするたび、周りの目撃者達が、信じられないものを見るような目を向けてくるのは知っている。