「何、その変な言い方?」
「いや、その、俺も茶会の護衛とかあるからな~て考えてただけっ」

 何やら苦しい回答がきたが、エリザはハッと反省した。

「あ、そうだったね……ごめんなさい、ルディオの方こそ大変だよね」
「そうマジで反省されると確かに可愛いとか思うからやめた方がい――おっほん! 素直すぎてかえって心配に」

 また、彼がげふんげふんと変な咳払いをして、エリザは顔を顰めた。うるさくて、前後の言葉が頭から飛んだ。

「もう、何?」
「なんでもない。まぁ薬ができたにしろ、届くにしろ、王妃様の茶会を動かすのは殿下でも無理だから、今日までは頑張るしかないな」

 とにかく、ジークハルトを気絶させたり蕁麻疹が出る光景を作らせないこと――。

 沈黙の中で、二人はややあってから同時に溜息をもらした。

 本日は午前中に、フィサリウスも出席する王妃主催の茶会があり、ジークハルトも護衛とし入る予定があった。

 そのせいで、王宮内には普段よりも多くの令嬢達がいる状態がしばらく続く。