エリザは「なるほど?」と首を捻る。ルディオも泊まることがあった時は、こんな感じで相談時間を設けていたりしたのだろうかと、一瞬そんな想像も脳裏をよぎっていった。

(アフターフォロー、ばっちりそう)

 なんやかんやで面倒見がいいルディオを思い返す。

 この仕事に巻き込まれる前、彼は何度もエリザのもとを訪ねてきたから・

「それに、俺は休んでいるのに、あなたに無理に仕事をさせていると感じて申し訳なくて、余計に眠気がこないのです」

 ジークハルトの柔らかな苦笑が『ですから、ね?』と追って語ってくる。

 エリザは口元がひくついた。

(あなた様が眠れないと、私、部屋に戻れないんですが)

 迷うまでもなく、一度立ち上がってローブを脱ぎ、椅子の背に引っかけた。そうして座り直す。

「これで大丈夫そうですか?」

 ちょこんと椅子に座ったエリザを、ジークハルトはじーっと見つめたきた。

「……ジャケットの上部分、開けているのは初めてみました」
「湯浴みをしたら寝る体制ですからね。部屋に戻ったら、ローブを脱いでそのままベッドにごろんと横になれます」