「えっ、いえ大丈夫ですよ」
エリザは慌てて片手を振った。
(というかそれ、私の仕事なんじゃ……)
そんなことを思った時、ふと屋敷が静まり返っていることに気付いた。
時間を確認すると、もう就寝時刻を少し過ぎている。思った以上に読書にのめり込んでしまっていた自分に驚いた。
「さて、もうお休みの時間ですよ。セバスチャンさんに怒られる前に、ご移動されませんと」
エリザは本を閉じ、立ち上がって、仕事着のごとく羽織った魔術師団のマントコートの膝部分をはたく。
それを見届け、ジークハルトもぱたんと本を閉じ動き出したエリザに続く。
書棚のそれそれの位置に本を戻した。
「眠気が来ないので、本を読み聞かせてくれませんか?」
エリザよりも上の段に本をしまった彼が、見下ろしざまにそう言ってきた。
「読み聞かせ、ですか……」
エリザは困ってしまった。それはクリスティーナとの茶会以来、約一週間ずっと要求されている『寝るまでそばにいて』のおねだりだ。
(お願いの仕方を変えてきたけど、間違った方法だと思う)
エリザは慌てて片手を振った。
(というかそれ、私の仕事なんじゃ……)
そんなことを思った時、ふと屋敷が静まり返っていることに気付いた。
時間を確認すると、もう就寝時刻を少し過ぎている。思った以上に読書にのめり込んでしまっていた自分に驚いた。
「さて、もうお休みの時間ですよ。セバスチャンさんに怒られる前に、ご移動されませんと」
エリザは本を閉じ、立ち上がって、仕事着のごとく羽織った魔術師団のマントコートの膝部分をはたく。
それを見届け、ジークハルトもぱたんと本を閉じ動き出したエリザに続く。
書棚のそれそれの位置に本を戻した。
「眠気が来ないので、本を読み聞かせてくれませんか?」
エリザよりも上の段に本をしまった彼が、見下ろしざまにそう言ってきた。
「読み聞かせ、ですか……」
エリザは困ってしまった。それはクリスティーナとの茶会以来、約一週間ずっと要求されている『寝るまでそばにいて』のおねだりだ。
(お願いの仕方を変えてきたけど、間違った方法だと思う)