はじめはどうなることかと思っていたが、今や三人でいることが当たり前みたいになっていたせいだろうか。

 なんだか、信じられない話だとエリザは思った。

 たぶん、寂しい……のかもしれない。

 明日までしか見られないかもしれないジークハルトの、師か兄を慕うみたいな子供っぽくて無垢で、信頼感を預けてくれている様子を思い返した。そうすると室内に戻った際に、ルディオから向けられた提案に咄嗟に頷いていた。

「おっ、エリオ戻ってきた。俺そろそろ帰るけど、足りないみたいだからあとでジークのチェスの相手をしてくれないか?」
「いいよ」

 どうせボロ負けするのに、と自分でもエリザは不思議に思った。

 迎えの馬車があってルディオが帰宅したのち、早めにシャワーを済ませた。そして同じように汗を流してさっぱりしたジークハルトと、二階の共同私室で待ち合わせ、規定の就寝時間にはまだ早い時刻なのでチェスに付き合った。

 一生懸命、頭を働かせて挑んだのだが、結果は惨敗だった。