ジークハルトが「ふうん?」と首を傾げる。

「エリオは上機嫌ですね」
「実はですね、ジークハルト様の『呪い』の解除方法が見つかりました!」

 声を潜めつつ、手をバンザイして伝えたら、ジークハルトがエリザの笑顔につられたようににこっと笑った。

「さっき殿下から解除薬を用意すると、お話があったんです」
「フィーから?」

 エリザは、ジークハルトに呪解薬が近々手に入ることを伝える。

「いや、そもそも後ろから抱き締められたままなのをツッコミしろよ」

 刷り込みって怖い……とルディオが呟いた。訓練省から続々上がって来る騎士たちが、自分の小さな治療係に抱きついているぞと囁かれていた。

「とりあえず、呪解薬が届いたら飲んでもらいますからね。使用上の注意などがあれば、私がきちんと聞いておきますからご安心ください!」

 エリザは、元気いっぱいマントコートの上から胸を叩いた。

「そうでしたか。僕は魔法は専門外なのでよくは分かりませんが、その解除というものでエリオが納得するなら、望むままにしてください」