「違います! ジークハルト様、人目があろうと堂々と甘えてくるようになって……これじゃあ」
エリザは、大きな赤い目をうるっとした。
「ジークハルト様の精神年齢が周りから疑われますよぉぉぉおおおっ!」
「ぶはっ」
予想外の『感想』を聞いたと言わんばかりに、フィサリウスが噴き出した。彼はエリザの反応を気にしてか、さっと口元に手を置く。
けれどエリザは気づいていなかった。
「呪いのせいなのに、ジークハルト様自身がおかしなやつだと思われるのが嫌なんです。殿下達が女性恐怖症をお隠しになられているのも、私も、今になっては少し気持ちが分かる気がするんです」
彼女はジークハルトの女性恐怖症の改善を手助けする中で、出来の悪い弟子か生徒のように愛着がわいていた。
ジークハルトは呪いのせいで女性と長年距離を置いていたが、女性が苦手だという感覚もいい感じに改善されつつあった――ようには思うのだ。
それなのに、呪いが悪化したせいで治療係ヘの明らかにおかしい態度が発生した。
エリザは、大きな赤い目をうるっとした。
「ジークハルト様の精神年齢が周りから疑われますよぉぉぉおおおっ!」
「ぶはっ」
予想外の『感想』を聞いたと言わんばかりに、フィサリウスが噴き出した。彼はエリザの反応を気にしてか、さっと口元に手を置く。
けれどエリザは気づいていなかった。
「呪いのせいなのに、ジークハルト様自身がおかしなやつだと思われるのが嫌なんです。殿下達が女性恐怖症をお隠しになられているのも、私も、今になっては少し気持ちが分かる気がするんです」
彼女はジークハルトの女性恐怖症の改善を手助けする中で、出来の悪い弟子か生徒のように愛着がわいていた。
ジークハルトは呪いのせいで女性と長年距離を置いていたが、女性が苦手だという感覚もいい感じに改善されつつあった――ようには思うのだ。
それなのに、呪いが悪化したせいで治療係ヘの明らかにおかしい態度が発生した。