「息子はジークハルトと言い、今年で十九になった。亡くなった妻に目元がよく似ていてね。ああ、ルディオと同じ年齢だよ」
「はぁ。そうなのですか」
いちおう年齢も聞いているが、エリザは紅茶を飲みつつ相槌を打つ。
思い返すように口にしたラドフォード公爵は、話す内容を頭の中で整理するように喉を潤すした。
会話が途切れると、立派な調度品の上に置かれた時計の秒針が動く音が聞こえた。
(まさかルディオが語っていた幼馴染の、父親が出てくるとは)
エリザは苦々しく考えた。
公爵の名前を出されたら、さすがに話を聞かざるを得ない。
「かなりの女性恐怖症だと医師に診断された。私も、蕁麻疹が出るのを何度も見ているから知っているよ。妻も心配していたな」
彼がティーカップを置いて、そう話した。
「奥様は、いつお亡くなりに……?」
「彼の女性嫌いが始まったあとに、病気でね。あれから私も本腰を入れて、様々な専門分野の人間を治療係として雇ったのだが、どれもあまり効果がなかった」
「……そうですか」
「はぁ。そうなのですか」
いちおう年齢も聞いているが、エリザは紅茶を飲みつつ相槌を打つ。
思い返すように口にしたラドフォード公爵は、話す内容を頭の中で整理するように喉を潤すした。
会話が途切れると、立派な調度品の上に置かれた時計の秒針が動く音が聞こえた。
(まさかルディオが語っていた幼馴染の、父親が出てくるとは)
エリザは苦々しく考えた。
公爵の名前を出されたら、さすがに話を聞かざるを得ない。
「かなりの女性恐怖症だと医師に診断された。私も、蕁麻疹が出るのを何度も見ているから知っているよ。妻も心配していたな」
彼がティーカップを置いて、そう話した。
「奥様は、いつお亡くなりに……?」
「彼の女性嫌いが始まったあとに、病気でね。あれから私も本腰を入れて、様々な専門分野の人間を治療係として雇ったのだが、どれもあまり効果がなかった」
「……そうですか」