その翌日も王宮へ同行したエリザは、――知らせを受けて、ようやく会うことができたフィサリスに泣きついた。

「殿下っ、呪解の方法見つかりましたか!? 私もう耐えられませんんんんんんぅ!」

 執務室に迎え入れた彼は、目を丸くした。

「まぁ何があったのかは分からないけと、とりあえず落ちついてね?」

 フィサリスはすぐ微笑みを戻すと、エリザをなだめながら一人掛けソファへと導いた。

 そこに座ったエリザは、先程までの羞恥を思い返して顔を両手で覆った。

 そして、クリスティーナと茶会があった日に『勘違い(?)でベッドに押し倒された事件』から全部、フィサリスに怒涛のように話すこととなった。

「え? いやそれ、勘違いではなく――」
「しかも昨日は、指を食べられましたっ! 全然私と以心伝心していなくて、いや話しているのに話しがかみ合わないというか!」
「うん、君も話を全然聞いていないね」

 昨日あった『指を食べられる事件』も散々だった。